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ワインガイド Vinotier

VINOTIER WINE COURSELEÇON LXXII

第72講 深掘り

長野完全編

ワイナリーは81か所、この10年でほぼ3倍に増えました。 明治のコンコードの原野から生まれた桔梗ヶ原のメルロー、雨の少ない千曲川の丘に増える小さな醸造所、県独自の原産地呼称からGI長野へ——第70講「山梨」に続く日本の産地編として、高原のワイン産地を歩きます。

桔梗ヶ原メルロー信州ワインバレーGI長野
長野完全編のイメージ
青空と白い雲の下、オレンジ色の瓦屋根の平屋の建物が建ち、手前の緩い斜面に芽吹き始めたぶどうの垣根が整然と並んでいる。奥には林と遠くの山並みが見える
安曇野ワイナリーと垣根の畑 — 北アルプスのふもと、日本アルプスワインバレーの一軒(2008年設立、安曇野市三郷)。長野のワイン用ぶどう畑の多くは標高500m以上にあり、国税庁のGI長野の文書は、年降水量が約1,000mmと少ないことをこの土地の条件としてあげている
— I

全国2位の産地を、数字で見るJapan's Rising Highland

第68講北海道、第70講山梨に続いて、日本の産地編の三つ目は長野です。第9講日本ワイン産地巡りでは駆け足で通り過ぎた「信州」を、今回は統計と歴史と制度からじっくり歩きます。

指標(2024年実績)長野1位
ワイナリー数81(全国2位)山梨85
日本ワインの製成量2,981kl(2位)山梨3,762kl
ワイン用に受け入れた県産ぶどう4,182t(2位)山梨5,647t

出典:国税庁「酒類製造業及び酒類卸売業の概況」(令和7年アンケート)。ワイナリー数はその年に生産か出荷の実績があった製造場の数で、全国は519場。前年の調査では長野は75場でした。

どの指標でも、長野は山梨に次ぐ全国2位です。そして目立つのは、増え方の速さです。長野県の「信州ワインバレー構想2.0」がまとめた県内のワイナリー数は、2013年3月に25場。それが2019年に47場、2023年3月には71場になりました。10年でほぼ3倍です。NAGANO WINE公式サイトは「2023年末現在、80軒」としています。

ワイナリーが受け入れた長野県産のぶどうの中身も見てみましょう。

コンコード
917t
メルロー
684t
ナイアガラ
542t
シャルドネ
447t
ブラック・クイーン
391t
マスカット・ベーリーA
214t
竜眼
164t
巨峰
135t

出典:国税庁「酒類製造業及び酒類卸売業の概況」(令和7年アンケート)の産地別受入数量(2024年4月〜2025年3月にワインの原料として使われた量)。長野県産の83.5%は県内のワイナリーで使われています。

面白いのは、二つの顔が同居していることです。いちばん多いのはアメリカ系のコンコードとナイアガラ。ジュースや甘口ワインでなじみの、昔からの信州のぶどうです。その一方で、メルローとシャルドネというヨーロッパ系品種が上位に並びます。産地別に見ると、メルロー、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、竜眼、コンコードなどは、長野県産が全国1位です。甲州とマスカット・ベーリーAの山梨とは、はっきり違う品種構成です。

— II

桔梗ヶ原——コンコードの原野からメルローへFrom Concord to Merlot

長野のワインの名を広めたのは、塩尻市の桔梗ヶ原(ききょうがはら)です。標高700m前後の平らな台地。ここがどのように「メルローの産地」になったのかを、年を追って見ていきます。

  1. 1890年——豊島理喜治の入植国税庁のGI長野の文書によれば、1879年に山辺村(現・松本市)の豊島新三郎がアメリカ系品種の栽培に成功したとされ、その養子の豊島理喜治が桔梗ヶ原に入植して、1890年から本格的な栽培を始めました。主体はコンコードです。塩尻市によれば、1924年には県内最大のぶどう産地(104ha)になっていました。
  2. 1936年——甘味果実酒の原料産地に寿屋(現・サントリー)の塩尻工場ができ、「赤玉ポートワイン」の原料を供給する拠点になりました。1938年には大黒葡萄酒の工場も。コンコードは、甘いぶどう酒の原料として桔梗ヶ原を支えます。地元の蔵も、1927年のアルプス葡萄酒醸造所、1933年の井筒ワインと続きます。
  3. 1951〜52年——林農園のメルロー1911年に桔梗ヶ原に入植した林五一の林農園(五一わいん)が、山形県赤湯からメルローの穂木を得て植えました(年は資料により1951年・1952年)。寒さに弱いメルローを守るため、冬に幹を藁で巻き、高接ぎという接ぎ木の方法を工夫したと伝えられています。
  4. 1976年——約60戸の転換甘味果実酒の需要が落ちるなか、メルシャンの浅井昭吾(作家名・麻井宇介)が呼びかけ、林農園の協力も得て、桔梗ヶ原の約60戸の農家がコンコードからメルローへの転換に取り組みました。
  5. 1989年——リュブリアーナの大金賞「シャトー・メルシャン 信州桔梗ヶ原メルロー1985」が、リュブリアーナ国際ワインコンクールで大金賞(グランド・ゴールド・メダル)を受けました。日本のメルローが国際的に注目されるきっかけのひとつになりました。
  6. 2018年——桔梗ヶ原ワイナリーシャトー・メルシャンが、1938年築の建物を改装した桔梗ヶ原ワイナリーを開きました(2018年9月)。
曇り空の下、冬の枯れ草の畑に、剪定を終えたぶどうの木が支柱とワイヤーに沿って何列も並ぶ。奥には住宅と白い建物、その向こうに雪をかぶった山並みが連なる
冬の桔梗ヶ原 — 剪定を終えた垣根のぶどう畑。桔梗ヶ原は、コンコードの棚とメルローの垣根が同じ台地に広がる。塩尻市内にはアメダスの観測点がなく、気象の数字は近くの松本の値で見ることが多い

もうひとつ、塩尻らしい話があります。塩尻志学館高校は、前身の農学校だった1943年に果実酒の製造免許を取りました。ワインの酒石から酒石酸をとるのが目的でした(第70講山梨でも、同じ時代の酒石の話に触れました)。いまも生徒が栽培から醸造までを担っています。

桔梗ヶ原は「GI」ではありません。 ラベルの「桔梗ヶ原」は土地の名前として使われているもので、国の地理的表示(GI)として指定されているのは県全域の「長野」です。GIのしくみは第41講ラベルの読み方へ。
— III

5つのワインバレーFive Wine Valleys

長野県は2013年3月に「信州ワインバレー構想」をまとめました。県産ぶどうでの醸造、欧州系品種の増産、高品質な「NAGANO WINE」としてのブランド化、観光との連携、県内外での消費拡大という5つの方針を掲げ、県内の産地を「ワインバレー」に分けて育てる計画です。

当初は4つだったバレーは、2023年3月の「構想2.0」で5つになりました。「長野のワインバレーは4つ」という説明は、古い版のものです。

桔梗ヶ原塩尻市

第II章で見た、長野のワインの原点。五一わいん、井筒ワイン、信濃ワインなど老舗が集まり、メルローとコンコード・ナイアガラが並ぶ。

千曲川小諸・東御・上田・高山など

もっとも広いバレー。1973年竣工のマンズワイン小諸ワイナリー、2003年創業のヴィラデスト、椀子、小布施、信州たかやまなど。

日本アルプス松本・安曇野・大町・池田など

北アルプスのふもと。構想2.0の地図(2022年12月現在)では12場。2008年設立の安曇野ワイナリーのほか、池田町や大町市にも小さな造り手が増えている。

天竜川伊那・宮田・松川・飯田など

南北に細長い伊那谷。1991年設立の信州まし野ワイン、りんごのシードルも造るVinVie、宮田村の本坊酒造マルス駒ヶ岳蒸溜所(2024年3月に信州蒸溜所から改称)など。

八ヶ岳西麓茅野市・富士見町・原村

2023年の構想2.0で加わった、5つ目のバレー。八ヶ岳の西側の高原に広がる新しい産地。

構想2.0の目標2023年3月

県内のワイナリーを100場に、GI長野の認定ワインを持つワイナリーを50場に。数を増やすだけでなく、品質の証明を広げる計画。

千曲川の「特区」とアカデミー

千曲川ワインバレーの急成長を後押ししたのが、ワイン特区です。果実酒の製造免許には、年間6キロリットル以上を造るという最低製造数量の条件があります。特区ではこれが2キロリットルに下がり、小さな醸造所でも免許を取りやすくなります。2008年11月に東御市が県内で初めて認定を受け、2015年6月には千曲川沿いの市町村による広域の特区ができました。同じ2015年には、玉村豊男氏が主宰する千曲川ワインアカデミーが東御市で開講し、栽培と醸造を学んだ人たちが新しい畑を拓いています。

高山村の例は、この流れをよく表しています。信州たかやまワイナリーによれば、村のワイン用ぶどうの栽培は1996年に始まり、当初の約3haが、2022年には栽培者34人・64haに広がりました。

標高と雨の少なさ

長野のワインを語るとき、必ず出てくるのが標高と雨の少なさです。気象庁の平年値で確かめてみましょう。

観測点標高年平均気温年降水量年日照時間
上田502m12.0℃906.2mm2,221.9h
長野418m12.3℃965.1mm1,969.9h
松本610m12.2℃1,045.1mm2,134.7h
飯田516m13.1℃1,688.1mm2,074.5h
(参考)甲府273m15.1℃1,160.7mm2,225.8h

出典:気象庁「過去の気象データ」平年値(1991〜2020年)。上田はアメダス、長野・松本・飯田・甲府は気象台。東京の年降水量は約1,600mm。

千曲川沿いの上田の年降水量は906mm。東京の6割ほどで、日本でも雨の少ない地域です。松本も1,000mm前後。一方、南の飯田は1,700mm近くあり、同じ長野でも天竜川の谷は雨が多めです。年平均気温は甲府より約3℃低く、ぶどうはゆっくり熟します。国税庁のGI長野の文書は、ぶどう畑の多くが標高500m以上にあり、4〜10月の積算日照時間が約1,200時間あることを、この産地の条件としてあげています。気候と土地の読み方は第67講土壌とテロワール完全編へ。

— IV

品種と、GI長野Grapes and the GI

長野のぶどうは、大きく三つのグループに分けて考えると見通しがよくなります。そして、その品質を証明するしくみとして、県独自の制度から国の地理的表示へとつながる流れがあります。

欧州系品種メルロー・シャルドネほか

桔梗ヶ原のメルローと、千曲川や安曇野のシャルドネが柱。ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンにも挑む造り手が多い。

アメリカ系品種コンコード・ナイアガラ

明治から続く信州のぶどう。コンコードの受入量は全国で長野だけ(917t)。香りの華やかなナイアガラの白は、甘口から辛口まで幅がある。

竜眼善光寺ぶどう

長野市周辺で古くから育てられてきた白ぶどう。全国の受入量193tのうち164tが長野県産。GI長野では日本系品種として指定されている。

竜眼と、雨よけの工夫

竜眼をワイン用に見直したのは、マンズワインです。同社の説明によれば、1967年、当時の茂木七左衞門社長が長野市の湯福神社の近くで竜眼の古木を見つけ、坂口謹一郎博士の助言を受けて研究を始めました。1973年に竣工した小諸ワイナリーの出発点です。同社はまた、ぶどうの房に雨がかからないよう、垣根の房のまわりをビニールで覆う「レインカット」の方式を1987年に確立しています。少雨の長野でも、秋の長雨はぶどうの病気のもと。栽培の工夫は第59講ぶどう畑の一年・栽培完全編へ。

原産地呼称からGI長野へ

長野県は2002年度に、県独自の原産地呼称管理制度をつくりました。ワインの認定は翌2003年度から。品目ごとに官能審査委員会を置き、ソムリエや研究者、生産者が味わって品質を確かめる仕組みです。そして2021年6月30日、国税庁が地理的表示「長野」を指定し、ワインの認定はGI長野に移りました。第1回の認定は同年7月6日。審査は長野県原産地呼称管理委員会が、書類の確認・理化学分析・官能審査の三段階で行います。

原料長野県で収穫した、指定品種のぶどうだけヨーロッパ系・アメリカ系・日本系の品種がそれぞれ類に分けて指定され、コンコード、ナイアガラ、竜眼、甲州、巨峰なども含まれる。水の使用は不可
糖度収穫時の果汁糖度の下限メルローやシャルドネなどは17.0%以上、コンコードやナイアガラは16.0%以上、竜眼や甲州は17.0%以上(天候不順の年は1.0%下げられる)
補糖・補酸加える糖と酸に上限補糖はメルローやシャルドネなどで100mlあたり7gまで。補酸は、果汁の総酸が7.5g/L未満のときだけ4.0g/Lまで。除酸は2.0g/Lまで
製品県内で造り、三段階の審査を通る醸造・貯蔵・瓶詰めはすべて県内で。総亜硫酸350mg/L以下。アルコールやスピリッツの添加は不可
プレミアムさらに厳しい上位の基準糖度はおおむね18〜19%以上、補糖は7gではなく5gまで、補酸2.0g/Lまで、除酸は不可、総亜硫酸250mg/L以下

出典:国税庁「地理的表示『長野』の生産基準」、長野県「原産地呼称管理制度」、NAGANO WINE公式サイト。日本酒も同じ2021年にGI長野へ移りました。米・焼酎・シードルは、いまも県の原産地呼称管理制度で認定しています。

GI山梨(第70講)と比べると、長野はアメリカ系品種にも独自の基準を設けているのが特徴です。コンコードやナイアガラも、基準を満たせば「GI長野」を名乗れます。明治から続く信州のぶどうを、制度の中にきちんと位置づけているわけです。

— V

買う、訪ねる、合わせるDrink Nagano

最後に、長野のワインを手に取り、訪ね、食卓に並べるための手がかりをまとめます。

選ぶときの目安

まず知る一本

コンコードやナイアガラのやさしい白・赤、竜眼の軽やかな白。果実の香りが素直で、価格も手ごろなものが多い。ラベルの「GI長野」の表示は、県内産の指定品種で造られ、審査に合格した証。

産地を味わう一本

桔梗ヶ原のメルロー、千曲川のシャルドネ。畑名や地名の入った銘柄は、同じ品種でもバレーごとの違いが出やすい。人気の銘柄は数が少なく、発売後すぐに品切れになることもある。

買い方の基本は第33講ワインの買い方、日本ワインの表示のきまりは用語:日本ワインへ。

訪ねるなら

公共交通で回りやすいのは塩尻です。JR塩尻駅のホームにはぶどう棚があり、駅から林農園(五一わいん)までは約2km(徒歩で約25分)。林農園(五一わいん)では、予約なしで無料の農場見学ができます(約15分)。

赤茶色のレンガ風の外壁に、黒い瓦の大きな切妻屋根が二つ並ぶ建物。正面のアーチの入口にはぶどうの枝が這い、脇に樽が置かれている
井筒ワインの醸造所(塩尻市宗賀) — 1933年創業。道路をはさんで林農園(五一わいん)と向かい合い、桔梗ヶ原の老舗が並ぶ一角をつくっている

千曲川ワインバレーは畑が丘陵に散らばるため、車かタクシーが基本です。小諸のマンズワインは金土日祝の13:30から約60分の有料ツアー(要予約)、東御のヴィラデストは土日祝13:00から有料ツアー(前日までに予約)を案内しています。どちらも冬は営業時間が変わるので、公式サイトで確認を。訪問の心得は第51講ワイナリー訪問、県内のワイナリーはワイナリーガイドへ。試飲をするなら、車の運転はしないこと。

信州の食卓と

国税庁のGI長野の文書には、長野のワインが山賊焼きや信州そば、信州黄金シャモ、信州サーモン、ジビエや馬肉の料理と合わせて好んで飲まれている、と書かれています。

メルロー冷涼地らしい酸と、なめらかな渋み

にんにく醤油の鶏を揚げ焼きにする山賊焼き、鹿などのジビエ、馬肉の料理に。酸がしっかりしているので、脂や甘辛い味をすっきり受け止める(焼き鳥・ステーキも参考に)。

シャルドネ・竜眼きれいな酸の白

信州サーモンのムニエルやカルパッチョ、信州黄金シャモの塩焼き、きのこ料理に。樽を使ったシャルドネは、きのこやバターの香りと重なる(サーモン・鶏料理)。

第71講和食とワインで見た「うま味と酸」の考え方は、信州そばにも使えます。つゆの出汁と醤油には、軽やかな竜眼やナイアガラの辛口の白。わさびの辛みには、樽の強くない白が合わせやすいでしょう。

— FAQ

よくある質問Frequently asked

Q長野のワインは、どんな味?

主役は、桔梗ヶ原のメルローと千曲川や安曇野のシャルドネ。標高が高く雨の少ない土地で育つため、きれいな酸と、引き締まった果実味が持ち味です。その一方で、明治から続くコンコードやナイアガラの、香りの華やかなやさしいワインも長野の顔です。

Q信州ワインバレーは、いくつある?

いまは5つです。2013年の構想では桔梗ヶ原・千曲川・日本アルプス・天竜川の4つでしたが、2023年3月の「信州ワインバレー構想2.0」で八ヶ岳西麓が加わりました。「4つ」という説明は古い版のものです。

Q「GI長野」はどう見分ける?

ラベルに地理的表示「長野」の表示があるかを確かめます。長野県で収穫した指定品種のぶどうだけを使い、県内で醸造・瓶詰めし、書類・分析・官能の審査に合格したワインが名乗れます。2021年6月30日に指定され、より厳しい基準のプレミアムもあります。

— Recap

高原の畑で、130年Up in the Highlands

長野は、ワイナリー数も日本ワインの生産量も山梨に次ぐ全国2位の産地です。1890年に豊島理喜治が桔梗ヶ原でコンコードを育てはじめ、甘味果実酒の原料産地として栄えたこの土地は、1950年代の林農園のメルロー、1976年の約60戸の転換を経て、1989年の大金賞で「日本のメルロー」の産地になりました。

2013年の信州ワインバレー構想から10年で、ワイナリーは25場から71場へ。千曲川の特区とアカデミーから新しい造り手が生まれ、バレーは5つになりました。2002年度の原産地呼称管理制度から2021年のGI長野へと、品質を証明する仕組みも受け継がれています。いまの長野は、コンコードの棚と、メルローやシャルドネの垣根が同じ県の中に並ぶ産地です。

次の一本。 今回は長野の2本を並べてください。1本目は桔梗ヶ原か千曲川のメルロー。2本目は、コンコードかナイアガラのワイン。同じ県のぶどうが、ヨーロッパ系とアメリカ系でどれほど違う香りになるかを確かめてみてください。料理は山賊焼きか、鶏の唐揚げをひと皿。余裕があれば、竜眼の白を信州そばと。

次回はテーマ編へ。「チーズとワイン完全編」。「赤ワインにはチーズ」は本当か。フレッシュ・白カビ・ウォッシュ・青カビ・ハードの5つのタイプごとに、塩気・脂・うま味とワインの酸・渋み・甘みがどう響き合うのかをたどり、ソーテルヌとロックフォール、シャンパーニュとブリーといった定番の組み合わせの理由から、日本のチーズと日本ワインの合わせ方までまとめます(ペアリング:チーズと産地:長野もあわせてどうぞ)。

Santé, depuis Shinshu.

次に長野のワインを開けるとき、高原の畑を思い浮かべてみてください。明治のコンコードの棚と、昭和の終わりに植えられたメルローの垣根。雨の少ない空の下で、二つの時代のぶどうがいまも同じ台地に並んでいます。

写真クレジット(すべてWikimedia Commons):
1. 安曇野ワイナリーと垣根の畑 — “Azumino Winery” by Qurren, CC BY-SA 4.0
2. 冬の桔梗ヶ原のぶどう畑 — “Kikyogahara06” by Keeezawa, CC0
3. 井筒ワインの醸造所 — “Izutsu Wine 01” by Keeezawa, CC0
※掲載写真はレイアウト上の都合によりリサイズ・トリミングして掲載しています。
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