醸造の家が、勝沼に開いたワイナリー
盛田甲州ワイナリーは、山梨県甲州市勝沼町勝沼にあるワイナリーです。公式サイトの会社情報によれば、設立は1973(昭和48)年。江戸時代から酒類の醸造業を営んできた盛田家の14代目・久左衛門の次男、盛田和昭氏が、甲州勝沼の地にワイナリーを設け、そのワインを「シャンモリワイン」と名づけました。
酒類の醸造を営んできた家が、ぶどう産地の勝沼に新しく醸造所を構えた——その成り立ちが、このワイナリーの出発点です。会社は盛田甲州ワイナリー株式会社で、代表取締役社長は盛田宏氏。山梨県の観光サイトは、明治時代にぶどう栽培を始め、昭和48年に本格的な醸造に乗り出したと紹介しています。
看板は甲州、「柑橘香」のシリーズ
公式サイトの商品ページは、ワインを8つのシリーズに分けています。自社畑のぶどうで造る「シャンモリ フィエルテ エステート」、レストランで直販する「フィエルテ」、「リザーブ」、各地のぶどうを使う「クラフト」、「山梨ワイン」、遅摘みのぶどうなどで造る「デザートワイン」、日常向けの「スタンダード」、そして新しい試みの「チャレンジ」です。
中心にあるのは甲州です。なかでも「シャンモリ 柑橘香(かんきつか)」のシリーズは、名前のとおり柑橘を思わせる香りをうたう甲州で、勝沼のぶどうを使う「勝沼甲州」と、韮崎市穂坂町のぶどうを使う「穂坂甲州」があります。公式ウェブショップによれば、穂坂甲州は契約農家が韮崎市穂坂町三之蔵地区で育てた甲州を主体とし、新樽で発酵させたものです。
このほか、「かもし甲州」、地理的表示「山梨」を名乗る「GI山梨 甲州」「GI山梨 マスカット・ベーリーA」、山梨県産甲州のスパークリング、やや甘口の「勝沼甲州セミスウィート」、「グラン・シャンモリ」の名で、「樽醗酵 松本シャルドネ」やマスカット・ベーリーAの樽発酵ロゼが並びます。GI山梨の仕組みは第70講「山梨完全編」で解説しています。
国内外のコンクールでの評価
公式サイトの告知によれば、日本ワインコンクール2023の甲州部門で「シャンモリ 柑橘香 勝沼甲州 2022」が金賞を受け、かもし甲州2022が銀賞を受けました。
2026年には海外のコンクールでも結果が続いています。英国のインターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2026では「柑橘香 勝沼甲州 2025」がトロフィーと金賞を受け、かもし甲州2025が銀賞、穂坂甲州・GI山梨 甲州・GI山梨 マスカット・ベーリーAの各2025年が銅賞。ほかにもベルリナー・ワイン・トロフィー、ヴィナリ、フェミナリーズ、サクラアワードなどで金賞が告知されています。受賞したワインはヴィンテージごとに変わるので、買うときはラベルの年号を確認しましょう。
予約なしの自由見学と、チケット制の試飲
盛田甲州ワイナリーは、自分のペースで歩ける自由見学が特徴です。公式サイトによれば、案内なしで樽セラー(約100樽を使用)や仕込み場、醸造場、瓶詰めの充填機などを見て回れます。予約は不要で、10名以上の団体のみ予約が必要です。
- 見学時間:10:00〜16:00(7月20日〜10月31日は16:30まで)
- 定休日:年末年始と、年2回の指定日
- 試飲:4枚つづり550円のチケット制。1枚で1種類(限定品は2枚)、10種類以上から選べる
- 特典:チケットに550円の値引きクーポン付き。ワインを買えば実質的に試飲代が戻る
日本ワイナリー協会の地図でも、見学は無料、試飲は550円(購入時に返金)と紹介されています。運転する人と20歳未満は試飲できません。
食事をするなら、関連店の「レストランシャンモリ」があります。ただし所在地は甲州市勝沼町下岩崎で、ワイナリーとは別の場所です。営業時間は公式サイトで確認してから向かいましょう。ワイナリーで食事を楽しむ考え方は、特集「レストランのあるワイナリー」でも紹介しています。
アクセスと、勝沼の巡り方
所在地は山梨県甲州市勝沼町勝沼2842。公式サイトは、中央道の勝沼ICから車で約3分、JR中央本線の塩山駅から車で約10分と案内しています。山梨県の観光サイトは、勝沼ぶどう郷駅からバスで約8分としています。
勝沼には、歩いて回れる距離に見学や試飲のできるワイナリーがいくつもあります。1877年の醸造開始を創業とするシャトー勝沼や、丸藤葡萄酒工業(ルバイヤート)、まるき葡萄酒などと組み合わせると、同じ甲州でも造り手ごとの違いを比べられます。町の歩き方は勝沼ワイナリー散歩、訪問のマナーや予約の考え方は第51講「ワイナリー訪問完全編」にまとめています。

