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ワインガイド Vinotier
旅とワインの特集

レストラン・カフェ併設のワイナリー

レストラン・カフェへいせつのワイナリー
緑に囲まれたカーブドッチワイナリー
緑に囲まれたカーブドッチワイナリー / Photo: “Cave d'Occi, Niigata 10” by Bernie Ongewe, CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
この特集は

ワインは料理とともに味わってこそ。レストランやカフェを併設したワイナリーなら、できたてのワインと地元の食材を、ぶどう畑を眺めながら味わえます。ランチやディナー、カフェ利用まで、滞在そのものが旅の目的になる蔵を集めました。

この記事の目次

ワイナリーの楽しみは、ワインそのものだけではありません。ぶどう畑を眺めながらの一皿こそ、産地を訪ねる醍醐味。レストランやカフェを併設した蔵では、その土地で育った食材と、できたてのワインのマリアージュを心ゆくまで味わえます。

温泉や宿まで備えた滞在型リゾートから、気軽なカフェ、本格コースのレストランまで。「食」を軸に選んだ、一日いたくなるワイナリーを集めました。多くは予約制・曜日限定です。運転される方は試飲を控え、お出かけ前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

「食」で選ぶ、四つのタイプ

ひとくちに「レストラン併設」といっても、滞在の時間も予算感もまるで違います。旅の組み立て方で選ぶと外しません。

①滞在型リゾート——一日では帰らない。食事に宿と温泉まで揃うタイプ。カーブドッチワイナリー(新潟)は畑を望むレストランに温泉・宿を備えた滞在型の草分けで、NIKI Hills Winery(北海道・仁木町)は余市川を望む丘にレストラン「Aperçu」とホテルを構えます。富山・氷見のセイズファームには、予約制のレストラン・カフェと一日一組の宿が。夜まで飲むつもりなら、このタイプ一択です(詳しくは泊まれるワイナリー特集へ)。

②畑を望むレストラン型——景色が一皿の一部になる。長野・東御のヴィラデストワイナリー、1885年創業のルミエールワイナリー(山梨)のフレンチ「ゼルコバ」、京都の丹波ワイン「レストランduTamba」など。ぶどう畑を眺めながらコースをいただく、いわば王道です。多くが予約制で、ランチ中心の営業。

③街なかのアーバン型——駅から歩ける。サドヤワイナリーは甲府駅から徒歩5分ほどの立地に約700坪の地下セラーと本格フレンチを併せ持ち、東京ワイナリー(練馬区)は醸造の様子が見える小さな店内で「昼呑み」を出します。伊勢志摩ワイナリー(三重)はワインバーを併設した市街地の醸造所。車を出さずに済むのが、このタイプ最大の利点です。

④カフェ・マルシェ型——ふらりと立ち寄る。ココ・ファーム・ワイナリー(栃木)の斜面を望むカフェ、奥出雲葡萄園(島根)の「庭カフェ」のピザ、日本最古のワイナリーまるき葡萄酒が2024年に開いたカフェ「IWAI TERRACE」、八剣山ワイナリー(北海道)の「八剣山キッチン&マルシェ」。予約なしで気軽に、一時間だけ、という日に。

その土地の食材と合わせてみる

ワイナリーの食事がおいしいのは、料理とワインが同じ土地で育っているからです。第27講で見た「同郷合わせ」が、いちばん自然な形で成立する場所——それが産地のレストランです。

海の丘なら、富山湾と立山連峰を望むセイズファーム。魚問屋を母体とするこの蔵の看板品種は、海の幸に寄り添うアルバリーニョです。海を望む丘に「TSUNOWINE & BAKERY」を構える宮崎の都農ワイン、五島列島の五島ワイナリーも同じ発想で楽しめます。

山の丘なら、岩手・葛巻町のくずまきワイン。山ぶどうを生かした酸とポリフェノールの豊かな赤を、隣接する「森のこだま館」の食事とともに。標高約900mという日本有数の高地にある長野・小諸のテールドシエルにはワインハウスが併設され、北海道のふらのワインでは隣接の丘の「ふらのワインハウス」で樽から直送のワインと富良野の食材が味わえます。同じ日本ワインでも、海側と山側では合う一皿がはっきり違う——それを一度に確かめられるのが、産地で食べるということです。

出かける前に決めておく三つ

①予約の要否。NIKI Hillsの「Aperçu」やセイズファームのレストランのように事前予約が前提の店は少なくありません。週末と収穫期は早く埋まります。日程が固まったら、まず席を押さえる。

②営業日と時間帯。ワイナリーのレストランはランチ中心・曜日限定の営業が多く、冬期休業もあります。「ワイナリーは開いているがレストランは休み」という日は珍しくないので、蔵とレストランの営業情報はそれぞれ別に確認を。

③移動手段。食事と一緒にワインを飲みたいなら、運転する人を作らない組み方が必要です。駅から歩けるアーバン型を選ぶ、タクシーを使う、泊まってしまう——このいずれか。車で行くなら、運転者は試飲も一切控えるのが大原則です(微量でも飲酒運転になります)。

よくある勘違い

「ワイナリーなら、どこでも食事ができる」——これは誤解です。当ガイドが掲載する日本のワイナリー106軒のうち、レストランやカフェを備えるのは38軒、3軒に1軒強にとどまります。多くの蔵は醸造が本業で、売店と試飲カウンターだけという構えが標準。食事を旅の柱にするなら、訪問先を先に決めてから行程を引くのが確実です。

もうひとつ。「併設レストランは観光地価格で割高」という思い込みも、実態とはずれています。カフェやマルシェで軽く済ませられる蔵もあれば、コース主体の店もあり、幅は街のレストランと変わりません。むしろその蔵でしか開けられないワインがグラスで飲めることが、産地で食べる最大の見返りです。行きの一杯を我慢して、席に着いてから開ける。それが、ワイナリーの食事のいちばんいい味わい方だと思います。

緑に囲まれたカーブドッチワイナリー 新潟・新潟市西蒲区 カーブドッチワイナリー ぶどう畑を望むレストランに温泉・宿まで揃う、新潟ワインコーストの草分け。滞在型の先駆け。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 長野・東御市 ヴィラデストワイナリー 画家・玉村豊男が営む東御の名所。ぶどう畑を見渡すカフェ&レストランで過ごす一日。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 北海道・余市郡余市町 OcciGabi Winery カーブドッチ創業者の景観ワイナリー。樽庫を併設した予約制レストランで本格コースを。 試飲 ショップ 食事 読む 宮城・仙台市太白区 秋保ワイナリー 秋保温泉ほど近く。併設「テロワージュ秋保」でワインと地域の食のマリアージュを提案。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 都農ワインのボトル(キャンベル・アーリー ロゼと赤) 宮崎・児湯郡都農町 都農ワイン 海を望む丘で、焼きたてパンの「TSUNOWINE & BAKERY」を併設。宮崎の人気ワイナリー。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 丹波ワインのワイナリー(TAMBA WINEの看板) 京都・船井郡京丹波町 丹波ワイン 京都・丹波高原。ぶどう畑を望む「レストランduTamba」で地産地消の食事と和に合うワイン。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 栃木・足利市 ココ・ファーム・ワイナリー 足利の急斜面。ぶどう畑を望むカフェを併設し、11月の収穫祭は野外の名物イベント。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 中伊豆ワイナリー シャトーT.Sの建物とテラス 静岡・伊豆市 中伊豆ワイナリー シャトーT.S 伊豆の大型リゾート。ナパ・バレーやステーキハウスなど複数のレストランを擁する。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 北海道・札幌市南区 八剣山ワイナリー 札幌・八剣山の麓。「八剣山キッチン&マルシェ」で地元食材のイートインが楽しめる。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 神戸ワイナリー(丘の上の建物群) 兵庫・神戸市西区 神戸ワイナリー 神戸市営発の大型観光ワイナリー。アグリカフェ&レストランやBBQ場で一日遊べる。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 群馬・利根郡昭和村 奥利根ワイナリー 赤城高原の畑に直営レストランとキャンプ場「Camp in the vineyards」を併設。 見学 試飲 ショップ 食事 読む 勝沼醸造の樽熟成セラー 山梨・甲州市勝沼町 勝沼醸造 アルガブランカで知られる勝沼の実力派。ぶどう畑を望むレストランを併設する。 見学 試飲 ショップ 食事 読む

よくある質問

レストランがあるワイナリーは?
カーブドッチ(新潟)、ヴィラデスト(長野)、OcciGabi(北海道)、丹波ワイン(京都)、中伊豆ワイナリー(静岡)など、ぶどう畑を望むレストランを併設する蔵が各地にあります。多くは予約制なので事前確認がおすすめです。
ワイナリーで食事をするときの注意は?
レストランは予約制や曜日限定の場合が多く、運転する人はもちろん試飲を控える必要があります。営業日・時間・予約方法は変わりやすいので、お出かけ前に各公式サイトでご確認ください。
カフェだけ気軽に利用できるワイナリーは?
ココ・ファーム・ワイナリー(栃木)や奥出雲葡萄園(島根)の庭カフェ、八剣山ワイナリー(北海道)のキッチン&マルシェなど、カフェ感覚で立ち寄れる蔵もあります。
街なかで食事ができるワイナリーはある?
あります。甲府駅から徒歩5分ほどのサドヤワイナリー(山梨)は敷地内に本格フレンチを併設し、東京ワイナリー(練馬区)は醸造の様子が見える小さな店内で「昼呑み」メニューを提供しています。伊勢志摩ワイナリー(三重)もワインバーを併設した市街地の醸造所です。駅から歩ける立地なら、運転を気にせず食事とワインを楽しめます。
レストラン併設のワイナリーはどのくらいある?
当ガイドが掲載する日本のワイナリー106軒のうち、レストランやカフェを備えるのは38軒。3軒に1軒強という計算です。「ワイナリーならどこでも食事ができる」わけではないので、食事を旅の目的にするなら、訪問先を先に決めてから行程を組むのが確実です。
予約はいつまでにすればいい?
蔵によって大きく違います。NIKI Hills Winery(北海道)のレストラン「Aperçu」やセイズファーム(富山)のレストラン・カフェのように事前予約が必須の店もあれば、カフェやマルシェのように予約なしで入れる場所もあります。人気の週末やぶどうの収穫期は早く埋まりやすいため、日程が決まった時点で公式サイトを確認し、予約が必要なら真っ先に押さえておくのが安心です。

最終更新: 2026-09-02 / 編集: Vinotier編集部 / 掲載情報は取材時点のもの。お出かけ前に各公式サイトでご確認ください。