明治10年、栽培者が始めた醸造
シャトー勝沼は、山梨県甲州市勝沼町菱山にあるワイナリーです。公式サイトによれば、創業は1877(明治10)年。勝沼でぶどうを育てていた今村與三郎が、自らワインの醸造を始めたのが始まりです。山梨県の観光サイトや日本ワイナリー協会は、明治の初めに初代が「今村葡萄酒醸造場」として設けた醸造所が、いまの株式会社シャトー勝沼に引き継がれたと紹介しています。
1877年は、祝村(現在の甲州市勝沼町)に大日本山梨葡萄酒会社が設立され、高野正誠と土屋龍憲がワイン造りを学ぶためにフランスへ派遣された年でもあります。日本のワイン造りが本格的に動き出した時期に、ぶどうを育てる農家が醸造に乗り出した——シャトー勝沼の創業はそうした時代の空気の中にあります。勝沼のワイン史の流れは特集「日本ワインの父」と第70講「山梨完全編」で詳しくたどれます。
公式サイトのブランド紹介によれば、シャトー勝沼は今村家が三代にわたって受け継いできた家族経営のワイナリーで、ぶどうの栽培から醸造、販売までを一貫して自社で行うことを大切にしています。
鳥居平の自社畑と、甲州
シャトー勝沼のぶどう畑は、勝沼の鳥居平(とりいびら)にあります。公式サイトは、この鳥居平に広がる自社畑で甲州を育てていると紹介しています。
自社畑の名を冠したヴィンテージワインのブランドが「鳥居平今村」です。畑の名前と家の名前を並べたブランド名に、栽培から手がけるワイナリーの姿勢が表れています。
公式オンラインストアの品ぞろえは、甲州を中心にした白のほか、赤、ロゼ、スパークリング、地理的表示「山梨」を名乗るGIワイン、無添加ワイン、ノンアルコールワインまで幅広く、ぶどうジュースも造っています。甲州という品種の特徴や、辛口から甘口まで造り分けられる理由は、品種図鑑の甲州のページで解説しています。
直売店の試飲と、工場見学
かつては無料の工場見学があり、醸造所と樽の貯蔵庫を見たあとで試飲する内容でしたが、公式サイトによれば工場見学は当面の間中止されています。古い観光情報には見学を受け付けているという記載が残っていることがあるので注意しましょう。
いま訪ねて楽しめるのは、直売店「ワインショップ シャトー勝沼」です。
- 営業時間:9:00〜18:00(公式サイトの記載。県の観光サイトでは17:00まで)
- 休業日:12月31日・1月1日
- 試飲:季節のおすすめワインを試飲でき、ぶどうジュースは無料で試飲できる
公式サイトでは、直売店とレストランのほか、ジュエリー店「ジュエリー英(はなぶさ)」の営業も案内されています。運転する人と20歳未満は、ワインの試飲はできません。
フレンチの「レストラン鳥居平」
シャトー勝沼のもうひとつの魅力が、敷地内のレストラン「レストラン鳥居平(トリイヴィラ)」です。公式サイトによれば、山梨県産の食材を使った本格的なフレンチを、自社のワインと合わせて楽しめる店です。
- 営業時間:11:00〜21:00(ランチ11:00〜15:00、ティータイム15:00〜17:00、ディナー17:30〜、ラストオーダー20:00)
- 定休日:年中無休
造り手の畑を眺めながら、そのワインに合わせた料理をいただく——醸造所併設のレストランならではの楽しみ方です。勝沼でほかにも食事のできるワイナリーを探すなら、特集「レストランのあるワイナリー」も参考にしてください。
アクセスと、勝沼の巡り方
所在地は山梨県甲州市勝沼町菱山4729。公式サイトによれば、JR中央本線の勝沼ぶどう郷駅から徒歩約15分(タクシー・車で約3分)、中央道の勝沼ICから車で約5分です。駅から歩ける距離にあるので、電車で訪ねて試飲や食事を楽しみやすいワイナリーです。
勝沼には、ほかにも見学や試飲のできるワイナリーが集まっています。盛田甲州ワイナリーのように予約なしで自由に見学できるところと組み合わせれば、半日で複数の造り手の甲州を飲み比べられます。町の歩き方は勝沼ワイナリー散歩、訪問時のマナーは第51講「ワイナリー訪問完全編」にまとめています。

