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日本のワイナリー

Fattoria AL FIORE(ファットリア・アル・フィオーレ)

fattoria-al-fiore / 創業 2015年
産地
宮城県川崎町
訪問
ショップ
代表銘柄
かもしかわいん・NECOシリーズ
どんなワイナリー?

Fattoria AL FIORE(ファットリア・アル・フィオーレ)は、宮城県川崎町支倉の、廃校になった旧支倉小学校の体育館を改修したワイナリーです。運営は株式会社Meglot。仙台でイタリア料理店「AL FIORE」を営んでいた目黒浩敬さんが、2014年に川崎町で最初の畑を拓き、2015年に委託醸造でワイン造りを始め、2018年7月に自前の醸造所とショップを開きました。発酵はすべて野生酵母で、酸化防止剤などの添加物も補糖・補酸も行わない造りです。

この記事の目次

体育館のカウンターで、グラスを一杯

Fattoria AL FIOREの建物は、もとは小学校の体育館です。2019年5月に掲載されたウェブマガジン「@Living」の取材記事によれば、試飲カウンターも椅子も宮大工の手作りで、テイスティングルームからは醸造所の中が見えます。入り口の暖簾は女性の染織家による草木染めで、染料には楮(こうぞ)と、ぶどう畑の隅で育てたサフランが使われました。調度品は作家の作品やアンティーク家具で、2階の窓から自然光が醸造室に入ります。

イタリア料理店「AL FIORE」から

代表の目黒浩敬さんは、仙台市でイタリア料理店「AL FIORE」を営んでいました。公式サイトは開業を2002年とし、店名はイタリア語で「一輪の花」、その花が広がって多くの人の幸せにつながってほしいという願いを込めたと説明しています。2024年のインタビューでは、料理人になる前は教職に就いていたと語っています。

2011年の東日本大震災の後、目黒さんは店を開けられないと悟り、半年間で約1万食の炊き出しを続けたと@Livingは伝えています。公式サイトによれば、2014年に川崎町安達で最初の畑を拓き、ぶどうの植え付けを始めました。耕作放棄や過疎化が進む土地を、人が集まる場所にしたいという考えからです。2015年に店を閉め、同じ年から委託醸造でワイン造りを始めました。「Fattoria」はイタリア語で農場を意味します。

旧支倉小学校の体育館

自前の醸造所は、廃校になった川崎町立旧支倉小学校の体育館を改修したものです。川崎町の公式サイトは、2018年7月28日にワイナリー&コンセプトショップ兼テイスティングルームが開いたと案内しています。@Livingによれば、その年の9月に醸造免許が下りて初仕込みを迎えました。

体育館を選んだのは、空間に無駄がなく、耐震性が高く、ワイナリーにちょうどよい広さだったからだといいます。改修では地元の宮大工と相談して東北の材料だけを使い、釘を使わずに柱や梁を組む在来工法を選びました。施工は川崎町の伊藤建築。醸造室にはプレス機や発酵槽、樽が並び、スペインから買い付けたアンフォラ(素焼きの壺)もあります。公式サイトは、町や県内の施工会社と大工、陶芸家、草木染めの職人、福島県の木工職人、ボランティアが改修に関わったと記しています。

開業当時の社長は、建築を学び地方の建物改修に携わってきた坂口礼奈さんで、@Livingは目黒さんと意見を交わしながら全てのワインの醸造に携わっていると紹介しました。2024年のインタビューでは、代表で建築家の目黒礼奈さんがリノベーションに関わったと紹介されています。2019年に更新された地域の情報サイトの記事では、隣に直売所やレストランが入る複合施設「イーレ!はせくら王国」があると紹介されています。

足さない醸造

2024年6月に「wa-syu」が掲載したインタビューで、目黒さんは発酵をすべて野生酵母に任せ、酸化防止剤などの添加物を加えず、補糖や補酸もしないと語っています。仕込みの間はぶどうを実際に食べて要素の強さを確かめ、発酵は計画どおりには進まないものとして日々の様子を見て判断するといいます。販売店の説明では、ろ過もしていません。

ぶどうは自社の畑に加えて地域の畑から買い支え、買い入れる分もすべて自分たちで収穫しています。宮城はぶどう栽培の実績が多くないため、山形県の南陽市や高畠町を訪ねて農家と情報を交わし、原料を仕入れてきました。@Livingの記事では、生産本数の目標は置かず、届いたぶどうの状態と発酵の経過を見て最終的な形を決めると紹介されています。

瓶の中で酵母が生きているため、公式サイトのFAQは、リリース直後でも楽しめ、新緑の頃には味わいが落ち着くと案内しています。抜栓後も、栓を開けたまま数日、閉めて数週間かけて楽しめるとしています。

NECOシリーズと『かもしかわいん』

日常に開けるNECOシリーズの名は、イタリア語の「Nuova Esperimento(新しい実験的な試み)」と「Cooperazione(協力)」の頭文字に、目黒さんが猫と暮らしていたことを重ねたものです。公式サイトのアーカイブによれば、2016年産は7本。山形県産デラウェアの『sola』は450本、長野県産ナイアガラの『Genchi』はアルコール8%で902本、スチューベンとナイアガラに少しのメルローを加えた『hana』は1,320本でした。『hana』は2023年産で、骨格を出すためにメルローの比率を上げたと販売店は説明しています。

その年のなかで特に出来のよいワインを詰めるのが、旗艦のFattoria AL FIOREシリーズです。2016年産の『rosso』は山形県高畠町のメルロー100%で、1,466本でした。

醸造所の開所を記念した2018年夏の『Piacere!』は、青森県産スチューベンが自らの重みで潰れて出た果汁から造ったスパークリングです。同じ仕込みで果汁を抜いた後の、果皮の多い部分から生まれた赤が『かもしかわいん』。カモシカは川崎町のシンボルの動物で、「醸す」とも掛けています。仙台国税局の「宮城酒蔵マップ」では、この『かもしかわいん』が代表銘柄です。近年は『雨ニモマケズ』『PASSO A PASSO』といったシリーズも販売店に並んでいます。

訪ねる前に

公式サイトによれば、営業日は金曜から火曜、営業時間は11:00〜17:00です。醸造シーズンの9〜10月はエノテカを休むことがあり、お知らせは公式のINFORMATIONやSNSで出ます。見学、試飲、予約、駐車場の案内は公式サイトにありません。仙台国税局の一覧(2025年11月1日現在)では、売店あり、英語対応です。アクセスは車で、仙台駅から約40分、山形道の宮城川崎ICから約15分です。

宮城のワイン産地の全体像は産地:宮城に、添加物を抑えた造りの考え方は第45講 自然派ワイン完全編にまとめています。

Fattoria AL FIORE(ファットリア・アル・フィオーレ)のよくある質問

Fattoria AL FIOREはどんなワイナリー?
宮城県川崎町の、廃校になった旧支倉小学校の体育館を改修したワイナリーです。仙台でイタリア料理店「AL FIORE」を営んでいた目黒浩敬さんが2014年に川崎町で畑を拓き、2015年に委託醸造でワイン造りを始めました。自前の醸造所とショップは2018年7月28日に開いています。運営は株式会社Meglotです。
どんな造りのワイン?
2024年のインタビューで目黒さんは、発酵はすべて野生酵母で、酸化防止剤などの添加物を加えず、補糖や補酸もしないと語っています。販売店の説明では無濾過とされています。ぶどうは自社の畑のほか、地域の畑から買い入れ、山形県の南陽市や高畠町の農家からも仕入れてきました。
訪ねることはできる?
公式サイトによれば、営業日は金曜から火曜で、営業時間は11:00〜17:00です。醸造シーズンの9〜10月はエノテカを休むことがあります。見学や試飲の案内は公式サイトにありません。アクセスは車で、仙台駅から約40分、山形道の宮城川崎ICから約15分です。

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同じ品種のワイナリー

県をまたいで、育てている品種の重なりが大きい順に並べています。育てる造り手が少ない品種の一致ほど重く数えます。

最終更新: 2026-11-08 / 編集: Vinotier編集部