御徒町のビルの、1階と2階のタンク
BookRoad 葡蔵人は、2017年に東京都台東区でワイン造りを始めました。名前の「葡蔵人」は、「葡萄」「蔵」「人」が目に見えない道でつながり、ともに栄えることを願って付けられたものです。読みの「ブックロード」と重ねた名前が、街なかの小さな造り手らしい遊びになっています。
場所はJR御徒町駅から歩いて5分ほど。1階と2階に醸造タンクを置いています。公式に載る内訳は1,000Lが4基、500Lが4基、200Lが1基、20Lが20基。この小さなタンクの数が、多くの銘柄を少しずつ造るこの造り手の仕事ぶりを物語ります。年間の生産量はフルボトルで24,000本。醸造は毎年8月から翌年の5月まで続きます。
長野・山梨・茨城のぶどうを、東京で
原料は100%国産のぶどうです。長野県・山梨県・茨城県の契約農家と、自社の農園から届いたものを使います。畑から離れた都市の醸造所では、産地の異なるぶどうをひとつの場所で仕込むことになります。銘柄の一覧にそのまま表れているのが、その幅の広さです。
銘柄:ひと並びで日本の品種が見える
2026年11月に公式のショップで確かめた銘柄を、種類ごとに並べます。
- 白:シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ナイアガラ
- 赤:ベリーA、カベルネ・ソーヴィニヨン、富士の夢
- ロゼ:スチューベンロゼ、メルローロゼ
- オレンジ系:醸し甲州、オレンジデラウエア
- スパークリング:スチューベン、ナイアガラシードル、ベリーA、シャルドネ(デゴルジュマンの銘柄もあり)
生で食べる品種として親しまれてきたデラウェア、ナイアガラ、スチューベンと、ヨーロッパ系の品種が同じ棚に並ぶところが見どころです。皮ごと醸すオレンジワインの手法も、甲州とデラウエアの2本で試されています。2026年の新酒はデラウェアで、2本セットの販売が案内されています。少しずつ試したい人向けには、ハーフボトルの6色セットも用意されています。
評価:日本ワイナリーアワードの三つ星
公式によれば、BookRoadは「日本ワイナリーアワード」で都内で唯一、5年連続の三つ星を獲得しました。規模の大きな銘醸ではなく、都市の小さな醸造所が同じ土俵で評価されている点に注目したいところです。
立ち寄るか、見学するか
営業は水曜が定休。平日は12:00〜15:00と17:00〜19:30の2回に分かれ、土日祝は12:00〜17:00です。夕方の時間帯が開いているので、仕事帰りに寄ってワインを選ぶこともできます。その場でワインの購入と、おすすめ2種のテイスティングができます。
じっくり見たいならワイナリー見学です。予約制で、土日の11:30から。各回先着8名で、料金は1人1,000円です。公式の問い合わせフォームから申し込みます。8〜10月は醸造期のため開催が不定期になるので、秋に訪ねるなら早めに確かめてください。
ワインと料理を合わせたいときは、「鴨一ワイン酒場SUN」でのペアリングランチが土日の11:00〜14:00に案内されています。詳しくは同店への問い合わせです。屋形船で飲む催しや、自分で仕込む醸造体験など、ショップの一覧には催しも並びます。
通い続ける人のために、2024年5月からはファンクラブの「BOOKROAD PARTY会員」が設けられています。ショップにはワインのほか、干しブドウやノンアルコールの飲み物、Tシャツ、贈り物のラッピングも並びます。公式の一覧にある「醸造体験 あなたも醸造家」は、飲む側から一歩踏み込みたい人に向いた企画です。開催の内容は公式で確かめてください。
都内の造り手を見比べるなら、門前仲町の深川ワイナリー東京、練馬の東京ワイナリーがあります。全体の地図は東京のワインにまとめています。

