本文へ移動
ワインガイド Vinotier マイリスト
日本のワイナリー

の音 wines

nooto-wines / 創業 2023年
産地
長野県千曲市
訪問
試飲・ショップ・レストラン・カフェ
代表銘柄
ReSTAURANT white・ReSTAURANT red
どんなワイナリー?

の音 wines(のおとワインズ)は、長野県千曲市倉科にあるワイナリーです。運営はの音WINEs合同会社で、代表は千曲市倉科出身のソムリエ、依田研一さん。2016年に故郷でぶどうの栽培を始め、2018年から委託醸造を続けたのち、2023年に試飲と販売のできる店舗を備えたワイナリーを開きました。NAGANO WINE(長野県の公式サイト)は千曲川ワインバレーの造り手に数え、千曲市では2軒目のワイナリーと地元紙が伝えています。

この記事の目次

千の曲を、倉科の高台から

の音 wines(のおとワインズ)は、千曲市倉科の眺めのよい高台に醸造所と店を構えています。所在地は千曲市倉科1223。運営するの音WINEs合同会社の公式サイトは、住所とメールアドレス、お知らせ、オンラインショップへのリンクを載せるだけの簡素なもので、造り手の言葉は取材記事のなかに残っています。

名前には二つの説明があります。アウトドアブランド、エーグルのウェブメディアSOIL TOIによれば、「千曲」は「千の曲」とも書ける。毎年一本を一曲として造り、いつか千曲にしたいという願いです。ちくま未来新聞の2024年の記事では、ワインを始めたことで人が集まり、さまざまな音が曲になるように、という思いが語られています。

東京、沖縄、そして故郷へ

依田研一さんは千曲市倉科の出身です。SOIL TOIによれば、東京の大学へ進み、バーテンダーとして飲食の世界に入りました。卒業後もレストランサービスの仕事を続けてワインを学び、都内のレストランでソムリエとして働きます。その後、沖縄のリゾートホテルの開業をきっかけに拠点を移し、およそ10年を沖縄で過ごしました。妻の幸江さんと出会ったのもこの地です。

ワインの味は八、九割が原料のぶどうで決まると考え、自分で育てるドメーヌを目指して、2016年に動き出します。沖縄のフレンチレストランで2週間働き、次の2週間は千曲で修業する生活だったといいます。

学びの場は山梨でした。研修先の一つが甲州市の98WINEsで、ここでワイン造りに加え、ワイナリーの設立と経営を学んでいます。亜硫酸を使わない造りも、98WINEsで学んだ方法だとSOIL TOIは伝えています。

委託醸造から、自分の醸造所へ

信濃毎日新聞(2023年11月)によれば、依田さんは2016年に地元でぶどう栽培を始め、2018年から5年間は委託醸造でワインを造りました。千曲川ワインバレー特区連絡協議会のサイトは、ファーストヴィンテージのリリースを2019年としています。この時期のワインは「フェルム ヨダケン」の名でも売られていました(東御ワインチャペルの説明による)。同協議会のサイトには「旧 LA FERME YODAKEN」と併記されています。

2023年、自社の醸造所が完成し、その年に収穫したぶどうから自家醸造が始まりました。プレオープンは同年12月2日の予定と報じられています。公式サイトのお知らせは2023年5月で止まっており、以後の動きは酒販店の商品説明と報道で追うことになります。

1.7haの畑と、買いぶどう

畑は、2024年2月のちくま未来新聞で1.7ha。プチ・マンサンやガメイなどを育てていると紹介されています。苗木は山梨の先進ワイナリーから譲り受けました。標高は確認できませんでした。

化学農薬と化学肥料を使わずに育てることを目指していますが、SOIL TOIの記事では、初回の消毒に化学農薬を使ったことも正直に語られています。作業は増えても、農薬をなるべく減らす方法を試行錯誤している段階です。

一方で、全量を自社畑でまかなうことはできず、近隣農家のぶどうを買うこともあります。酒販店の商品説明からは、マスカット・ベーリーAは塩尻市、メルローは中川村、シャルドネは高山村、甲州は98WINEsの契約農家と、産地の幅が読み取れます。

『ReSTAURANT』と『TOUT』

東御ワインチャペルの説明では、『ReSTAURANT』は購入したぶどうを主原料とするシリーズ、『TOUT』は自社畑のシリーズです。Fikaの商品紹介によれば、『ReSTAURANT』のテーマは「明日への希望」。酒販店の説明からは、次のような構成がわかります(価格は各店の掲載時のもの)。

  • ReSTAURANT white 2025── シャルドネ62%、甲州19%、ピノ・ノワール9%、ロモランタン7%、ソーヴィニヨン・ブラン3%。税込3,850円。
  • ReSTAURANT white 2024── 甲州69%、シャルドネ25%、プティ・マンサン2%(LOT1の表記)。全房でプレスし、ステンレスタンクで自然発酵と5か月の熟成。3,300円。同じ年に、亜硫酸無添加とごく少量添加の2種がありました。
  • ReSTAURANT red 2024── マスカット・ベーリーA 55%、メルロー30%、カベルネ・フラン8%ほか。
  • ReSTAURANT Red 2023── マスカット・ベーリーA 80%、メルロー20%。フレンチオーク樽とステンレスタンクで9か月熟成。3,960円。
  • TOUT 2024── ロモランタン65%、モンドブリエ12%ほか4種の白。アルコール10.5%、税込3,520円。ラベルは千曲市出身の越ちひろさんの作です。
  • あしたのおと 白 2024── プチ・マンサン40%、ロモランタン35%、ルーサンヌ5%、シュナン・ブラン4%ほか。旧名はシンフォニー。
  • シンフォニー レッド 2023── マスカット・ベーリーA 75%(塩尻市産65%、千曲市産10%)、自社畑のガメイ25%。全房のセミ・カーボニックののち、樽で10か月熟成。5,830円。

ロモランタンやモンドブリエといった品種の名が並ぶのは、この造り手の個性でしょう。東御ワインチャペルによれば、生産量のおよそ8割は国産のコンクリートタンクで発酵・熟成しています。

亜硫酸については、SOIL TOIが無添加の製法とそのリスクを伝えています(考え方は亜硫酸と自然派ワインの項へ)。ヴィンテージによって添加した銘柄もあるため、ボトルごとの表示を確かめてください。酒販店の説明は赤のジューシーな果実味と高めの酸を挙げ、牛肉とごぼうのすき焼き風を合わせる提案もあります。甘辛い味に寄り添う赤の考え方はペアリング:すき焼きにまとめています。

納屋のカフェで、一杯を

ちくま未来新聞によれば、納屋を改装したカフェスペースで試飲ができ、吹き抜けの2階の大きな窓からは森と倉科の里を見渡せます。Skima信州は、ワインに合うフードと濃厚なぶどうジュースがあると紹介し、駐車場ありとしています。

ただし公式サイトに営業案内はありません。千曲川ワインバレー特区連絡協議会のサイト(2025年10月更新)は営業時間を公式Instagramで確かめるよう案内し、定休日を月〜木曜、「11月〜4月のみ営業」と併記しています。ちくま未来新聞は土日祝のみ、Skima信州は月〜金曜が定休で繁忙期は長期休業と、記載はそろいません。週末を中心に営業している様子はうかがえますが、訪ねる前に電話(026-285-0998)か公式Instagramで確かめてください。試飲の料金と見学の可否も確認できませんでした。

千曲市には市内最初のワイナリー、イルフェボー ワイナリーもあります。流域全体の見取り図は産地:長野と第72講 長野完全編で整理しています。

の音 winesのよくある質問

の音 winesはどんなワイナリー?
長野県千曲市倉科1223にあるワイナリーで、運営はの音WINEs合同会社です。千曲市倉科出身のソムリエ、依田研一さんが2016年にぶどうを植え始め、2018年からの委託醸造を経て、2023年に自社の醸造所を開きました。山梨県の98WINEsでワイン造りとワイナリーの経営を学んでいます。
見学や試飲はできる?
公式サイトに案内はありませんが、千曲川ワインバレー特区連絡協議会のサイトは有料試飲のできるワイナリーの一つに挙げています。見学の案内は確認できませんでした。営業日は資料によって異なるため、電話(026-285-0998)か公式Instagramで確かめてから訪ねてください。
『ReSTAURANT』と『TOUT』の違いは?
東御ワインチャペルの説明では、『ReSTAURANT』は買いぶどうを主な原料にしたシリーズ、『TOUT』は自社畑のシリーズです。『TOUT 2024』はロモランタンが65%で、モンドブリエが12%と続きます。
どこで買える?
公式サイトからオンラインショップへのリンクがあります。酒販店では東御ワインチャペルなどが扱い、2026年11月時点では『ReSTAURANT white 2025』が税込3,850円で在庫ありと表示されています。在庫は各店に確かめてください。

同じ産地のワイナリー

同じ品種のワイナリー

県をまたいで、育てている品種の重なりが大きい順に並べています。育てる造り手が少ない品種の一致ほど重く数えます。

最終更新: 2026-11-06 / 編集: Vinotier編集部