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料理とのペアリング

すき焼きに合うワイン

sukiyaki

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霜降りの牛肉と野菜を煮るすき焼き鍋
霜降りの牛肉と野菜を煮るすき焼き鍋 / Photo: 0xk / Unsplash(Unsplash License)
結論

すき焼きには 渋みの穏やかな、果実味のある軽〜中くらいの赤 が基本。なかでも マスカット・ベーリーA や ピノ・ノワール は、甘辛いたれと牛の脂、生卵のまろやかさにやさしく寄り添います。白なら コクのある白 を選びましょう。

マスカット・ベーリーA(日本)
いちごを思わせる甘やかな香りと穏やかな渋みが、醤油と砂糖の甘辛いたれになじむ。
ピノ・ノワール
軽やかな渋みときれいな酸が、霜降り肉の脂を重く感じさせずにまとめる。
グルナッシュ主体の赤(南仏・ローヌなど)
熟した果実味とやわらかな口当たりで、濃いめに煮詰まった関西風にも負けない。
コクのある白・辛口ロゼ
赤が苦手なら、樽の効いたシャルドネや辛口ロゼ。たれの甘みと卵のまろやかさを受け止める。
この記事の目次

甘辛いたれ・牛の脂・生卵——三つの要素で考える

すき焼きの味は、醤油と砂糖(みりん)の甘辛さ、牛肉の脂とうま味、そしてくぐらせる生卵のまろやかさの三つでできています。ワインを選ぶときは、この三つにそれぞれ答えられるかを考えると迷いません。

甘辛いたれには、果実味の甘やかさを持つワインが寄り添います。牛の脂には、口の中をすっきりさせる酸やほどよい渋みが効きます。そして生卵は全体をやわらかく包むので、渋みが強すぎないことが大切です。この条件をまとめて満たすのが、果実味があって渋みの穏やかな、軽〜中くらいの赤です。

「白か赤か」で迷ったら、まず赤。ただし赤が苦手な人には、樽の効いたシャルドネのようなコクのある白や、辛口のロゼも十分に選択肢になります。すっきり軽い白は、甘辛いたれに押されて水っぽく感じやすい点だけ注意しましょう。

関東風(割り下)と関西風(砂糖・醤油で焼く)で選び分ける

すき焼きは地域によって作り方が違い、それに合わせてワインも少しずつ変わります。

関東風は、醤油・みりん・砂糖などを合わせた割り下で肉と野菜を煮る作り方。味が均一でやさしく、ねぎや豆腐、しらたきにも同じたれがしみていきます。こちらには、軽やかなピノ・ノワールやマスカット・ベーリーAがよく合います。煮汁がだんだん濃くなってきたら、ワインも少しずつ果実味の豊かなものへ移っていくと流れが自然です。

関西風は、まず牛脂をひいて肉を焼き、そこへ砂糖と醤油をじかに加えて味をつける作り方。焼いた香ばしさと、カラメルのようなコクが前に出ます。こちらは、グルナッシュ主体の南仏やローヌの赤のように、熟した果実味とやわらかな口当たりを持つ赤まで受け止められます。果実味がしっかりしたジンファンデルも、甘みの強い味付けの日には候補になります。

どちらの作り方でも、鍋の中身は時間とともに変わっていきます。最初の一枚は肉そのものの味が主役、途中からは野菜や豆腐の水分でたれがのび、終盤は煮詰まって甘辛さが濃くなります。一本で通すなら、軽すぎず重すぎないミディアムボディ寄りの赤を選んでおくと、序盤から〆のうどんまで大きく外しません。二本用意できるなら、前半に軽い赤、後半に果実味のしっかりした赤と分けるのも楽しい方法です。

おすすめタイプの深掘り

マスカット・ベーリーAは、日本で生まれた赤ワイン用のぶどうです。いちごやキャンディを思わせる甘やかな香りと、穏やかな渋みが持ち味で、醤油と砂糖の甘辛い味に違和感なくなじみます。産地は山梨をはじめ各地に広がり、手頃な価格帯から選べるのも魅力。家のすき焼きに最初に試したい一本です。

ピノ・ノワールは、上質な霜降り肉の日に。渋みが軽く酸がきれいなので、脂の甘みを重く感じさせずにまとめてくれます。ブルゴーニュ産は繊細でごちそう向き、ニュージーランドやチリ産なら手頃な価格でも果実味豊かな一本が見つかる目安です。

グルナッシュ主体の赤は、関西風や、煮詰まって味が濃くなった鍋の後半に。熟した赤い果実の風味とやわらかな口当たりで、甘辛いコクを正面から受け止めます。

辛口ロゼ・スパークリングは、赤が苦手な人がいる席や、乾杯から通したい日に。ロゼは赤ほど渋みがなく、白よりも果実味とコクがあるため、甘辛いたれとも喧嘩しにくい中間の選択肢です。泡は脂を口の中から流してくれるので、霜降り肉が続くときのリフレッシュ役になります。詳しくは用語: ロゼワインへ。

避けたい組み合わせと、温度・順番のコツ

  • すき焼き×タンニンの強いフルボディ赤 — 若いカベルネ・ソーヴィニヨンのように渋みの強い赤は、卵でまろやかになった肉に対して渋みだけが浮き、たれの甘さとも角が立ちやすくなります。第27講 — 料理ペアリング完全編でいう「強さを揃える」原則の、逆方向の外し方です。
  • すき焼き×軽すぎる辛口白 — 甘辛いたれと脂に押されて、ワインが水っぽく感じられます。白を選ぶならコクのあるタイプを。
  • すき焼き×甘口ワイン — たれの甘さとワインの甘さが重なり、全体が重たくなりがちです。

軽めの赤は、少し冷やし気味の14〜16℃が目安です。鍋を囲む部屋は暖かくなりやすいので、食卓に出す前に冷蔵庫で軽く冷やしておくと、最後まで香りがだれません。グラスは赤なら丸みのある大きめのもの、泡や白は小ぶりのもので十分です。鍋の湯気や醤油の香りが強い食卓では、ワインの香りが埋もれやすいので、注ぐ量を少なめにしてこまめに注ぎ足すと、香りを楽しみやすくなります。乾杯は泡やロゼ、肉が煮えたら赤、という順番もおすすめ。和食全般との合わせ方は第71講 — 和食とワイン完全編、ほかの鍋についてはペアリング: 鍋料理も参考にしてください。

よくある質問

すき焼きに合うワインは白?赤?
基本は赤です。牛肉の脂と甘辛いたれには、渋みの穏やかな軽〜中くらいの赤(マスカット・ベーリーA、ピノ・ノワールなど)が合わせやすい選び方です。白なら、すっきりしすぎたタイプよりも、樽の効いたシャルドネなどコクのあるタイプがたれに負けにくくなります。
すき焼きに合うお酒は?
ワインなら軽〜中くらいの赤が中心で、辛口ロゼやコクのあるスパークリングも合わせやすい選択肢です。醤油と砂糖の甘辛さに寄り添う果実味があり、渋みが強すぎないものを選ぶのがポイントです。
関東風(割り下)と関西風(砂糖・醤油で焼く)で選び方は変わる?
変わります。割り下で煮る関東風は味が均一でやさしいので、ピノ・ノワールやマスカット・ベーリーAなど軽めの赤が目安。肉を焼いて砂糖と醤油をじかに絡める関西風は、香ばしさとコクが強く出るため、グルナッシュ主体の赤など果実味のしっかりした赤まで受け止められます。
生卵につけるとワインの相性は変わる?
卵がたれの塩気や甘さをまろやかに包むため、ワインも穏やかなタイプが合いやすくなります。タンニンの強い赤は、まろやかになった肉に対して渋みだけが浮きやすいので、渋みの控えめな赤やコクのある白・ロゼを選ぶと全体がなじみます。
安くても合うワインは?
国産のマスカット・ベーリーAや、チリ・南仏などの手頃な赤は、1,000〜2,000円台でも果実味が豊かで、すき焼きに合わせやすいものが見つかる目安です。渋みの強いカベルネ・ソーヴィニヨン主体のものより、果実味主体でやわらかいタイプを選びましょう。
高級な霜降り肉には、どんなワインを合わせる?
脂の甘みが豊かな霜降り肉には、酸がきれいなブルゴーニュのピノ・ノワールなどが、脂を重く感じさせずにまとめてくれます。肉の質が高い日ほど、ワインは「重さ」より「酸と香り」で選ぶのが目安です。

最終更新: 2026-10-20 / 編集: Vinotier編集部