本文へ移動
ワインガイド Vinotier マイリスト
日本のワイナリー

Vin d’Omachi Ferme36(ヴァン・ドーマチ・フェルムサンロク)

ferme36 / 創業 2019年
産地
長野県大町市
代表銘柄
Remerciements GRAND BLANC・Remerciements Pinot Noir / Gamay / Zweigelt
どんなワイナリー?

Vin d’Omachi Ferme36(ヴァン・ドーマチ・フェルムサンロク)は、長野県大町市平にあるワイナリーです。NAGANO WINE(長野県の公式サイト)によれば、他県でワインの醸造に携わってきた矢野喜雄さんが妻子とともに2014年に大町市へ移り住んでぶどう栽培を始め、2019年にワイナリーを設立しました。名前はフランス語で農場を意味するfermeと「山麓(さんろく=36)」の語呂から。公式ブログの見出しは「北アルプス山麓農場 矢野園」です。ワインは全国の取扱酒販店で販売され、醸造所での見学・試飲・直売の案内はありません。

この記事の目次

北アルプスの山麓、大町の農場

Vin d’Omachi Ferme36(ヴァン・ドーマチ・フェルムサンロク)は、長野県大町市平のワイナリーです。長野県が営むNAGANO WINEの紹介ページでは、信州ワインバレー構想のうち日本アルプスワインバレーに数えられ、紹介文の見出しは「北アルプスの山麓で 大町のワインを醸す」。所在地は大町市平8040-146です。

名前の後半「Ferme36」は、フランス語で農場を意味するferme(フェルム)と、北アルプスの山麓(さんろく)を数字の36に掛けた語呂合わせだと、同じページが説明しています。前半の「Vin d’Omachi」は「大町のワイン」。公式の情報発信はブログ「Ferme 36」で、その見出しには「北アルプス山麓農場 矢野園」とあり、プロフィール欄には「大町の葡萄を大町でワインに醸す」と書かれています。

矢野喜雄さんの歩み

造り手は矢野喜雄さんと家族です。NAGANO WINEによれば、矢野さんは他県でワインの醸造に携わったのち、2014年に妻子とともに大町市へ移り住み、北アルプスの山麓でぶどう栽培を始めました。ワイナリーの設立は2019年です。

英国のワインジャーナリスト、ジェイミー・グッド氏が2022年5月に自身のサイト「Wine Anorak」に載せた訪問記(試飲は2020年2月)は、移住前の経歴をもう少し詳しく伝えています。それによると、矢野さんがワインに惹かれたのは、友人に誘われて栃木県足利市のココ・ファーム・ワイナリーの植樹の催しに出かけたことがきっかけでした。2001〜2003年は週末ごとにココ・ファームで働き、2003年に勤めを辞めて、醸造アシスタントとしてフルタイムで加わったといいます。

標高約800m、花崗岩と安山岩の畑

同じ訪問記によれば、畑は標高800mにあり、面積は1.6ha。株間は2.2m×1.1mで植えられています。土台の岩盤は花崗岩で、断層が畑を横切り、土壌は花崗岩が3割、残りが安山岩。粘土の層を挟みながらも水はけはよいと説明されています。この一帯は1950年代に水田として開かれ、米価が下がったのちは牧草地になっていた土地だそうです。

気候について記事は、生育期の積算温度(GDD)を1300〜1350とし、矢野さんは北海道と長野のほかの産地の中間くらいと見ていると紹介しています。初秋の昼夜の寒暖差が大きく、酸が保たれやすい土地です。植えたばかりの苗木は、最初の4年間、幹の周りを藁で覆って守っていました。

植えられている品種として訪問記が挙げるのは、シャルドネ、メルロー、ガメイ、カベルネ・フラン、ケルナー、ゲヴュルツトラミネール、ツヴァイゲルト、シュナン・ブラン。公式ブログは2026年3月の記事で、黒ぶどうは白ぶどうより植えている本数が少なく、赤ワインの生産量は限られると書いています。

野生酵母と、少ない亜硫酸

Wine Anorakの記事は、2019年からすべてのワインを野生酵母で発酵させ、亜硫酸の使用は少なく、まったく加えないワインもあると伝えています。公式ブログも、酸化防止剤を微量しか加えない、あるいは加えないナチュラル・ワインは熱に非常に弱いとして、高温の時期は15℃前後のセラーか冷蔵で保管し、エアコンを切った車内に置かないよう呼びかけています。こうした造りの考え方は自然派ワインの項にまとめています。

千葉の酒販店IMADEYAの商品説明からは、仕込みの具体的な手順がわかります。

  • Remerciements GRAND BLANC 2023── ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・グリ、シルヴァーナーなどを、密閉型のバルーンプレスか手動のバスケットプレスで全房のまま搾汁。野生酵母で約2か月発酵させ、発酵の途中でアッサンブラージュして混醸に移り、瓶詰め直前まで7か月半、澱の上で貯蔵(シュール・リー)。発酵と貯蔵はステンレスタンクで、亜硫酸は搾汁時と瓶詰め時にごく少量。アルコール13.5%、750mlで税込4,400円でした。
  • Remerciements Pinot Noir / Zweigelt / Gamay 2024── ピノ・ノワール、ツヴァイゲルト、ガメイの比率が3:2:1。障がい福祉サービス事業所のスタッフや地域の人たちが、房を手で除梗し、野生酵母で発酵。ピジャージュとルモンタージュを経て、手動のバスケットプレスで搾り、清澄もろ過もしていません。

『Remerciements』と、発売の知らせ

主な銘柄名の『Remerciements(ルメルシマン)』は、フランス語で「感謝」。公式ブログは発売のたびに告知を出しており、2025年3月に赤3アイテム、2026年3月14日にドメーヌものの赤2種、2026年9月5日に4アイテムを発売しました。9月の発売分には『Kamoshika』と『GRAND BLANC』が含まれています。各銘柄の品種や造りは、告知に添えられたフライヤーに載っています。

2026年3月23日には、東京・丸の内で開かれたマスター・オブ・ワイン向けの試飲会に『Remerciements 2024 GRAND BLANC』と『Remerciements 2023 Pinot Noir / Gamay / Zweigelt cuvée SHINSHU』を出品し、公式ブログは3人のマスター・オブ・ワインのコメントを紹介しています。Wine Anorakの訪問記には、シャルドネをメトード・アンセストラルで泡にした『Yamano-Vin-Se 2019』や『Remerciements Blanc』の2017・2018年なども登場します。

取扱店で買う一本

醸造所での直売の案内はなく、ワインは酒販店を通して届きます。2026年8月25日の公式ブログの一覧は全国50店。長野県内は大町市の仁科商店、安曇野市のラトリエ・デ・サンス、松本市の三代澤酒店と緑屋櫻井酒店、東御市の東御ワインチャペル、軽井沢町のキリマン酒店など11店で、東京では銀座カーヴ・フジキ、伊勢五本店、六本木の水橋などが並びます。2026年3月の一覧には、大町市が東京・立川に置く「信濃大町アルプスプラザ」も載っていました。生産量が限られるため、取扱店ごとの入荷数は多くありません。新しいヴィンテージを探すなら、ブログの発売告知を待って取扱店に問い合わせるのが近道です。

同じ大町市にはノーザン・アルプス・ヴィンヤードがあり、南の池田町にはヴィニョブル安曇野 ドメーヌ・ヒロキがあります。北アルプス沿いの産地の位置づけは産地:長野と第72講 長野完全編で整理しています。

Vin d’Omachi Ferme36(ヴァン・ドーマチ・フェルムサンロク)のよくある質問

Vin d’Omachi Ferme36はどんなワイナリー?
長野県大町市平にある小さなワイナリーです。NAGANO WINE(長野県の公式サイト)によれば、他県でワインの醸造に携わってきた矢野喜雄さんが妻子とともに2014年に大町市へ移住してぶどう栽培を始め、2019年にワイナリーを設立しました。名前は、農場を意味するフランス語のfermeと「山麓(さんろく)」の語呂から付けられています。
訪ねて買ったり試飲したりできる?
公式ブログにもNAGANO WINEの紹介ページにも、醸造所での見学・試飲・直売の案内はありません。ワインは酒販店で買う形で、新しいワインの発売時に公式ブログが取扱店の一覧を載せています。2026年9月の発売時には、大町市の仁科商店の角打ちで期間限定の有料試飲が案内されていました。
どんなワインを造っている?
主な銘柄は『Remerciements(ルメルシマン)』です。白の『GRAND BLANC』は、IMADEYAの商品説明(2023年ヴィンテージ)ではソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・グリ、シルヴァーナーなどを全房で搾り、野生酵母で発酵させ、約7か月半シュール・リーで貯蔵したものです。赤はピノ・ノワール、ガメイ、ツヴァイゲルトを合わせたキュヴェで、2024年は3:2:1の比率とされています。

同じ産地のワイナリー

同じ品種のワイナリー

県をまたいで、育てている品種の重なりが大きい順に並べています。育てる造り手が少ない品種の一致ほど重く数えます。

最終更新: 2026-11-04 / 編集: Vinotier編集部