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ワインガイド Vinotier
日本のワイナリー

ドメーヌ茅ヶ岳

kayagatake
産地
山梨県韮崎市上ノ山
訪問
見学ツアー・試飲・ショップ
代表銘柄
アダージョ上ノ山
どんなワイナリー?

ドメーヌ茅ヶ岳は、山梨県韮崎市上ノ山、茅ヶ岳の南麓にある小さなワイナリーです。大手電機メーカーを辞めてぶどう農家の実家を継いだ安部正彦氏が、山梨大学大学院でワイン科学を学び、妻の幸子さんと二人で栽培から瓶詰めまでを手がけています。初ヴィンテージは2015年。代表銘柄はマスカット・ベーリーAの「アダージョ上ノ山」です。

この記事の目次

茅ヶ岳の南麓で、夫婦二人のワイナリー

ドメーヌ茅ヶ岳は、山梨県韮崎市上ノ山にある小さなワイナリーです。所在地は韮崎市上ノ山3237-6。韮崎市の北東にそびえる茅ヶ岳(かやがたけ)の南麓にあり、中央自動車道の韮崎インターチェンジから車で約2分の場所にあります。山梨県ワイン酒造組合のワイナリー一覧にも「ドメーヌ茅ガ岳」の名で載っています。

醸造家は安部正彦氏。韮崎市の広報(2017年1月号)によれば、もとは大手電機メーカーの社員で、50歳を過ぎてから大学院で学び、ぶどう農家の実家を継ぎました。いまは妻の幸子さんと二人で、ぶどうの栽培から収穫、仕込み、瓶詰めまでをすべて手作業でこなしています。畑と醸造所が同じ家族の手の中にある、文字どおりの「ドメーヌ」です。

会社員から、ワイン科学士へ

公式サイトの醸造家紹介によれば、安部氏は1961年生まれ。2014年3月に山梨大学大学院のワイン科学コースを修了し、同年7月に準ワイン科学士、2017年7月にワイン科学士の称号を得ています。山梨大学は「ワイン科学研究センター」を持ち、山梨のワイナリーの造り手を数多く送り出してきた大学です。

大学院を修了した翌年の2015年が初ヴィンテージです。韮崎市の広報は、この初仕込みのワインを大きく取り上げています。長く会社勤めをしたあとに学び直し、家業の畑からワインを造る。日本ワインには、こうした「二つ目の人生」で始まった造り手が少なくありません。

ぶどう農家の畑から

安部家はもともとぶどう農家で、大手ワイナリーにもぶどうを納めてきました。公式サイトによれば、夫婦二人で約67アールのぶどう畑を管理しています。そこでは巨峰やピオーネ、シャインマスカットといった生食用のぶどうも育てて出荷しており、ワイン用のぶどうは、生食用の出荷を終えたあと、完熟を待ってから仕込むという流れです。

ワイン用の品種は、マスカット・ベーリーAがおよそ3分の2、残りが甲州です。どちらも山梨で長く育てられてきた品種で、甲府盆地のぶどう農家にとってなじみの深い組み合わせといえます。韮崎市観光協会は、茅ヶ岳の麓を日照時間が長く水はけのよい土地と紹介しています。

「アダージョ上ノ山」とマスカット・ベーリーA

代表銘柄は、マスカット・ベーリーAから造る赤「アダージョ上ノ山」です。「アダージョ」は音楽用語で「ゆっくりと」の意味。公式サイトは、このワインについて、甘い香りの成分フラネオールが通常の10倍以上含まれていると説明しています。フラネオールはイチゴや綿菓子を思わせる甘い香りの成分で、マスカット・ベーリーAの特徴的な香りのひとつとして研究されてきました。

2015年のヴィンテージは、2016年9月に都内で開かれた品評会「日本で飲もう最高のワイン2016」で「ベスト日本ワイン」に選ばれたと、韮崎市の広報が伝えています。公式サイトでは、プラチナメダル、ベスト日本メダル、ベストマスカットベーリーAメダルと紹介されています。初ヴィンテージでの受賞でした。

生産量はごく少なく、公式のオンラインショップでは「アダージョ上ノ山」が税込3,600円で掲載されていますが、2026年9月時点では売り切れの表示でした。韮崎市観光協会によれば、ぶどうジュースも販売しています。現在の銘柄と在庫は、公式サイトや電話で確認してください。

コンテナの醸造所を訪ねる

韮崎市観光協会は、ドメーヌ茅ヶ岳をコンテナを使った小さなワイナリーとして紹介しています。公式サイトによれば、樽を置く部屋は夏でも涼しく保たれているそうです。大きな設備を持たなくても、温度を管理できる空間があれば少量のワインは造れる。家族経営のワイナリーらしい工夫です。醸造の基本的な流れは第47講 醸造完全編で解説しています。

訪問の条件は次のとおりです(最新情報は公式サイトや電話で確認を)。

  • 見学── 無料。事前に連絡が必要(日本ワイナリー協会)
  • 試飲── 無料(日本ワイナリー協会)
  • 営業時間── 8:30〜17:00、不定休。来訪前に電話で確認(韮崎市観光協会)
  • アクセス── 中央道・韮崎ICから車で約2分、JR韮崎駅からタクシーで約10分。駐車場は約5台

夫婦二人で畑と醸造を回しているため、収穫や仕込みの時期は対応が難しいこともあるでしょう。小さなワイナリーを訪ねるときの心得は、第51講 ワイナリー訪問完全編を参考にしてください。試飲をするなら、車の運転は同行者に任せるか、タクシーを使いましょう。

韮崎のワインと、山梨の広がり

韮崎市は甲府盆地の北西部にある町で、市内には複数のワイナリーがあり、観光協会はタクシーでワイナリーを巡る企画も案内しています。勝沼や甲府だけではない、山梨のワイン産地の広がりは、第70講 山梨完全編と産地:山梨で見わたせます。

マスカット・ベーリーAは、川上善兵衛が新潟で生み出した日本の品種です。軽やかで甘い香りの赤は、醤油や味噌を使った家庭料理とも合わせやすいタイプ。「アダージョ上ノ山」を手に入れたら、焼き鳥のたれや豚の生姜焼きなどと一緒に、ゆっくり味わってみてください。

よくある質問

ドメーヌ茅ヶ岳はどんなワイナリー?
山梨県韮崎市上ノ山、茅ヶ岳の南麓にある家族経営の小さなワイナリーです。ぶどう農家の実家を継いだ安部正彦氏が、山梨大学大学院のワイン科学コースで学び、2015年に初めてのワインを仕込みました。妻の幸子さんと二人で、栽培から仕込み、瓶詰めまでを手作業で行っています。
見学や試飲はできる?
日本ワイナリー協会の掲載情報では、見学は無料(要連絡)、試飲も無料とされています。韮崎市観光協会の案内では営業時間は8:30〜17:00で、休みは不定休です。夫婦二人の小さなワイナリーなので、訪ねる前に必ず電話で確認してください。
「アダージョ上ノ山」とはどんなワイン?
自家栽培のマスカット・ベーリーAから造る赤で、ドメーヌ茅ヶ岳の代表銘柄です。公式サイトは、甘い香りの成分フラネオールが通常の10倍以上含まれると説明しています。2015年のヴィンテージは、2016年の品評会「日本で飲もう最高のワイン」で「ベスト日本ワイン」に選ばれました。

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最終更新: 2026-09-29 / 編集: Vinotier編集部