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日本のワイナリー

柏和葡萄酒(大善寺)

kashiwa
産地
山梨県甲州市勝沼町
訪問
試飲・ショップ・宿泊
代表銘柄
赤(マスカット・ベーリーA)・白(甲州)
大善寺の本堂(薬師堂)と紅葉の柏尾山
大善寺の本堂(薬師堂)と紅葉の柏尾山 / Photo: “大善寺本堂 - panoramio” by painreef3108, CC BY 3.0(Wikimedia Commons)
どんなワイナリー?

柏和葡萄酒は、山梨県甲州市勝沼町勝沼の大善寺を中心としたワイナリーです。県観光サイトは「大善寺住職が近隣の檀家さんと造るワイン会社」と紹介し、甲州市の調査報告書(2019年)は、柏尾地区・大和地区の地域住民26軒によるワイナリーで、ブロックワインの伝統を色濃く残すと書いています。ワインは赤と白の2種類で、大善寺の公式サイトによれば、客殿の売店で販売しています。

この記事の目次

ぶどう寺の境内で売られるワイン

柏和葡萄酒(県観光サイトの読みは、かしわぶどうしゅ)は、甲州市勝沼町勝沼3559、柏尾山 大善寺を中心としたワイナリーです。ワインを買う場所は酒販店の棚ではなく、寺の客殿の売店。甲州市の調査報告書には、大善寺のみで販売されているという注記があります。

大善寺の公式サイトは、このワインを「住職の手作りワイン」と案内しています。参拝の記念に、という言葉が添えられ、赤と白の2種類が並びます。生産本数や畑の面積、住職の名前は、確認できた資料には載っていません。

共同醸造の組合から続く歩み

歩みを最も詳しく記録しているのは、甲州市の『勝沼のブドウ畑及びワイナリー群の文化的景観調査報告書』(2019年3月刊行、2021年にウェブ版を公開)です。

報告書によれば、柏和葡萄酒は勝沼第1区醸造組合として設立され、昭和29年(1954)に会社名義に書き換えました。設立の時期は「昭和15年(1930)」と書かれていますが、昭和15年は西暦1940年にあたり、和暦と西暦が一致しません。そのため、このページでは創業年を示していません。

勝沼では、小字や区などが共同醸造組合をつくり、地縁で自分たちのワインを造る形が広がりました。これがブロックワインと呼ばれる共同醸造です。報告書は柏和葡萄酒を「寺院を中心としたワイナリー」と位置づけ、大善寺を中心に柏尾地区・大和地区の地域住民26軒で営むと記録しています。ブロックワインの背景は、同じ勝沼の菱山中央醸造のページでも触れています。

各世帯に分ける、という仕組み

報告書に書かれた造り方は、一般的なワイナリーとは少し違います。

各地区の参加農家がぶどうを持ち込み、柏尾地区の東側、西側、大和地区で日を分けて仕込み、別々のタンクで醸します。瓶詰めしたワインは、持ち込んだぶどうの量を基準に、税金と材料費に相当する分を差し引いて各世帯に配られます。

自家消費が前提のためラベルなどは付けず、一升瓶などに詰めると報告書にはあります。配られたワインは家庭で飲まれるほか、御歳暮などの贈答にも使われるそうです。県観光サイトも、もともとは地元の自家消費用のワインだったと紹介しています。

日本遺産「日本ワイン140年史」の資料(ワイン文化日本遺産協議会)には、住職と檀家がワインを醸造し、祭事・神事には御神酒として必ずワインが振る舞われるという記述があります。寺と地域の行事の中にワインが組み込まれていることがわかります。

赤と白、2種類だけ

大善寺の公式サイトに載るワインは、次の2種類です。固有の銘柄名は書かれていません。

価格は赤白とも税込で、720mlが1,650円、1800mlが3,300円です。一升瓶と同じ容量の1800mlがあるのは、自家消費の歴史を思わせます。公式サイトは、数に限りがあるので早めに、と案内しています。通信販売の条件も載っており、支払いは代金引換か郵便振込、入金確認後14日以内の発送です。

ぶどうの説明は、資料によって書き方が異なります。公式サイトと県観光サイトは、住職が境内で育てたぶどうと説明しています。報告書は、参加農家の持ち込みで仕込むと記録しています。公式サイトのワインの説明は現在のページで、報告書は2019年の調査ですので、時期による違いの可能性もありますが、どちらかに断定はできません。

味わいについて、公式サイトに説明はありません。寺で買う一本は、勝沼の家々で飲まれてきたワインの系譜にあるものとして開けるのがよさそうです。

大善寺について

大善寺は、真言宗智山派の寺です。公式の縁起によれば、養老2年(718)に行基が開いたと伝わります。薬師如来が手に葡萄を持つ姿であることから「ぶどう寺」と呼ばれ、公式サイトは大善寺のぶどうを「甲州ぶどう発祥に深くゆかりがあるとされる」と書いています。山梨県の甲州街道の資料(モデルコース)には、行基が見つけて薬草として育てた木が甲州ぶどうになったという伝説や、寺で古くから境内にぶどうが栽培されてきたことが記されています。いずれも伝説・ゆかりとして紹介されている話です。

本堂(薬師堂)は、公式の縁起によれば昭和30年(1955)に厨子とともに国宝に指定されました。

訪ねる

場所は甲州市勝沼町勝沼3559です。JR中央本線 勝沼ぶどう郷駅からタクシーで約5分、中央道 勝沼ICから国道20号を東京方面へ約2分。駐車場は無料で、普通車40台分と公式の交通案内にあります。

売店の営業は、県観光サイト(2022年10月時点)で9:00〜16:00、不定休です。同じ資料では、テイスティングは有料で1杯300円、ワイナリー見学はなしとされています。試飲の扱いは公式のワインのページでは確認できなかったため、今も同じかどうかは電話(0553-44-0027)で確かめてください。

寺の拝観時間は、3〜11月が9:00〜16:30(受付16:00まで)、12〜2月が9:00〜16:00(受付15:30まで)です。拝観料は大人1名500円(1〜10名の場合)。公式の参拝案内には、拝観料に飲み物を組み合わせる案内があり、お抹茶、グラスワイン(赤または白)、ぶどうジュースが並びます。料金は「拝観料+500円」「拝観料+300円」の2種類ですが、どの飲み物がどちらにあたるかは確認できませんでした。行事で拝観できない日もあると書かれています。

大善寺と同じ所在地の民宿大善寺には一般の人も泊まれます。公式の宿泊案内によれば、大人1名の一泊朝食付が6,380円、一泊食事なしが5,830円(税込)で、予約は電話のみです。夕食の提供は当面中止と案内されています。

同じ報告書には、蒼龍葡萄酒や勝沼醸造の名前も出てきます。勝沼の全体像は産地:山梨と第70講 山梨完全編にまとめています。

柏和葡萄酒(大善寺)のよくある質問

柏和葡萄酒はどんなワイナリー?
甲州市勝沼町の大善寺を中心としたワイナリーです。県観光サイトは、大善寺の住職が近隣の檀家と造るワイン会社で、もともとは地元の自家消費用のワインだったと紹介しています。甲州市の調査報告書(2019年)は、柏尾地区・大和地区の地域住民26軒によるワイナリーとしています。
どこで買える?
大善寺の公式サイトによれば、客殿の売店で販売しています。赤と白があり、720mlが1,650円、1800mlが3,300円(いずれも税込)です。数に限りがあると案内されています。公式サイトには通信販売の条件も載っており、問い合わせ先は民宿大善寺(0553-44-0027)です。
試飲や見学はできる?
県観光サイト(2022年10月時点)では、有料試飲が1杯300円、ワイナリー見学はなしとされています。大善寺の公式のワインのページに試飲の記載はありません。公式の参拝案内には、拝観料にグラスワイン(赤または白)を組み合わせる案内があります。現在の内容は電話で確認してください。
どんなぶどうを使っている?
大善寺の公式サイトによれば、赤は山梨県産マスカット・ベリーA100%、白は山梨県産甲州100%です。公式サイトは住職が境内で栽培したぶどうと説明しています。甲州市の報告書は、柏尾地区と大和地区の参加農家がぶどうを持ち込んで仕込むと記録しています。
大善寺と甲州ぶどうにはどんな関係がある?
大善寺の縁起によれば、養老2年(718)に行基が開いたと伝わり、薬師如来が手に葡萄を持つ姿であることから「ぶどう寺」と呼ばれています。公式サイトのワインのページは、大善寺のぶどうを「甲州ぶどう発祥に深くゆかりがあるとされる」と書いています。

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県をまたいで、育てている品種の重なりが大きい順に並べています。育てる造り手が少ない品種の一致ほど重く数えます。

最終更新: 2026-11-06 / 編集: Vinotier編集部