無人の町で始まったワイン造り
富岡町でのワイン造りが始まったのは2016年3月です。当時の町は、原発事故の被災を受けて無人でした。避難先から仲間が集まり、ゼロからの地域づくりの一環として始めたのが、この取り組みの出発点だと公式は書いています。キャッチコピーの「100年先の地域づくりを体感しましょう」にも、その時間の長さが表れています。名前には「とみおかワインドメーヌ」も併記されています。
ワイナリーの周りには、震災の記憶が形を変えて残っています。敷地の周辺の欅は15mの津波を受けながら残り、河川の改修で伐採される計画もありましたが、協議の末に12本のうち5本が中洲とともに残されました。富岡駅の東側で大津波に耐えて唯一残った建物は「希望の蔵」と呼ばれています。ロゴマークの「蔵」とブランドのグラフィックの欅は、ここから取られたものです。
潮風を受ける畑
自社の畑は駅の東側に広がり、潮風を受けて育ちます。海のそばの土地で白ぶどうを多く育てている点が、銘柄の並びから読み取れます。
銘柄:富岡の畑と、ほかの産地
公式の銘柄は「Tomioka Vineyard Series」と「Others Vineyard Series」に分かれています。2026年11月に確かめた2025年のものは次のとおりです(750ml・税込)。
- とみおかアルバリーニョ:白・辛口・3,960円
- とみおかシャルドネ:白・辛口・5,500円
- とみおか ソーヴィニヨン・ブラン:白・辛口・3,300円
- とみおか メルロ:赤・ミディアムボディ・3,630円
- とみおか さくらロゼ:ロゼ・辛口・3,300円
- とみおかスパークリング:シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなど・3,960円
同じ時点で、アルバリーニョ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、さくらロゼは売り切れの表示でした。ほかの産地のぶどうから造るシリーズには、山梨県産の甲州(2,530円)、山形県産のシャルドネとメルロ(各2,750円)があります。
海に近い産地の白として知られるアルバリーニョが富岡で育てられていることは、潮風の畑という条件と響き合います。刺身や寿司と合わせる席を思い浮かべて選びたくなる一本です。
畑を歩いて、蔵を見る
ワイナリーツアーは、富岡駅東側のぶどう畑を散策し、醸造施設を案内してもらう約1時間の内容です。始まりは11:00と13:30。
- 個人ツアー:1組5〜10名。ツアーのみ1人1,650円(税込)、レストランを利用するときは1人1,100円(税込)+ランチ料金
- 団体ツアー:1組11〜30名。基本料金11,000円(税込)に、1人550円(税込)。時間は相談
- テイスティング:2種類で1人550円(税込)。ツアー後のオプション
予約は公式の予約システムから、原則2日前までです。
ショップ『テルース』とレストラン『ラレス』
少人数で訪ねるなら、ショップとレストランが入口になります。Wine&Gift Shop『テルース』は10:30〜17:00で火曜定休(電話 0240-23-7606)。レストラン『ラレス』はランチが平日11:00〜14:00(ラストオーダー13:30)、土日祝11:00〜15:00(同14:30)。ディナーは予約制で17:00〜21:00(同20:00)です。こちらも火曜が定休で、電話は0240-23-5585です。
JR常磐線の富岡駅から歩いて約10分なので、電車で来てゆっくりグラスを傾けられます。車なら常磐道の常磐富岡ICから約15分です。
同じ福島の沿岸には、障がいのある人の仕事として畑を開いたいわきワイナリーがあります。県全体の産地は福島のワインにまとめています。

