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ワインガイド Vinotier マイリスト
日本のワイナリー

小坂七滝ワイナリー

kosaka-7falls / 創業 2017年
産地
秋田県小坂町
訪問
見学ツアー・試飲・ショップ
代表銘柄
ワイングランド・小公子
小坂七滝の滝壺(ワイナリーの向かいの名瀑)
小坂七滝の滝壺(ワイナリーの向かいの名瀑) / Photo: “Nanataki (Kosaka) Takitubo 202011” by Wc018, CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
どんなワイナリー?

小坂七滝ワイナリーは、秋田県小坂町の、日本の滝百選に選ばれた「小坂七滝」の向かいにあるワイナリーです。運営は小坂まちづくり株式会社。鉱山の町の新しい産業として1988年に鴇(ときと)地区で山ぶどう系品種の栽培が始まり、29年後の2017年10月に醸造所が完成しました。主力はワイングランドと小公子で、隣接の「セラードア七滝」で試飲と購入ができます。

この記事の目次

鉱山の町が、ぶどうに向かった

秋田県北部の小坂町は、明治時代から鉱山の町として栄えました。公式サイトによれば、戦後は採掘量の減少や企業の撤退、若者の流出が続き、平成に入って町は新しい産業を探します。その一つが「小坂町にワイナリーをつくろう」という案でした。使われていない農地を生かせること、周辺に十和田湖などの観光地があることが、ぶどうを後押ししました。

ぶどうの栽培は1988年、遊休農地の活用として鴇(ときと)地区で始まります。秋田魁新報によれば、資金にはふるさと創生事業の交付金の一部が使われ、将来は自前のワイナリーを設けて、収穫と試飲を楽しむグリーンツーリズムを進める計画でした。公式サイトは1989年を「山葡萄」を柱とするワインプロジェクトの始まりとしています。

欧州品種を選ばなかった畑

鴇地区は標高約300mで、十和田湖の大噴火で積もった火山灰土壌が広がります。水はけがよく、寒暖差もある土地です。一方で、年間の日照時間は短いと公式サイトは書きます。そこで欧州系の品種を見送り、冷涼で日照の短さに左右されにくい山ぶどう系品種を選びました。当時は珍しかった選択で、品種の特性を生かすため、接木ではなく自根で育てています。

始まりは手探りでした。公式サイトによれば、「山ぶどうの父」と呼ばれた研究者の澤登晴雄氏が、小公子などの苗を譲り、育て方を指導しました。その縁で横手市大沢地区などの生産農家を紹介され、週1回のペースで5年間通って北国の栽培を学び、秋田県果樹試験場からは病害虫と防除を教わっています。平成8年(1996年)までは、花は咲いても収穫量が少なく、品質も上がらない年が続きました。初めて満足のいく結果が出たのは平成12年(2000年)と記されています。

鴇地区では今も、早生、中生、晩生を組み合わせて作業を分散し、農家が手で摘み取ります。公式サイトは、腐敗果や未熟果をハサミで取り除くために機械を使わない、と説明しています。

2017年10月、七滝の向かいに

ワイナリーは2017年10月、樹海ライン沿いの小坂七滝の向かいに完成しました。隣には道の駅「こさか七滝」があり、十和田湖へ向かう秋田県側の入口にあたります。秋田魁新報の2023年の記事によれば、町有施設を改修し、総事業費は約1億2千万円でした。2022年春には、試飲と買い物ができるセラードアが隣接して開かれたと東北観光推進機構が紹介しています。

鴇地区の栽培は、隣の鹿角市のワイナリーこのはなの原料にもなっています。ワイナリーができる前から続く畑の歴史は、そちらのページとあわせて読むと輪郭がはっきりします。

主力は山ぶどう系の交配品種

公式サイトが主力に挙げる品種は次のとおりです。

  • ワイングランド── ワイナリーの主力品種。やさしく爽やかな風味の赤用品種と紹介されています。
  • 小公子── 澤登晴雄氏から受け継いだ品種の一つ。濃い色素と酸が特徴とされ、交配には諸説あります。
  • 岩木山ぶどう── 岩木山に自生する山ぶどうとフレドニアの交配品種と説明されています。
  • ヤマ・ソービニオン── 山ぶどうとカベルネ・ソーヴィニヨンの交配品種。
  • ニホンヤマブドウ── 長く日本の自然条件に耐えてきた品種。
  • ペガサスブラン── 山ぶどう系の白ワイン用品種で、公式サイトは栽培面積が非常に少ないと書いています。

交配品種の背景は第69講 交配品種とクローン完全編で扱っています。

ぶどうは小坂町産だけではありません。2025年産で初めて造った甲州は山形県庄内地域産で、『月と滝』のシリーズにも山形産のヤマ・ソービニオンが使われています。公式サイトにも、秋田県産のぶどうを使ったワインを造っているとの説明があります。

同じぶどうを、造りで分ける

同じ品種を製法で分ける銘柄が目立ちます。2026年のヌーヴォーは、どちらも小坂町産ワイングランド100%です。『ヌーヴォー ルージュ 2026』は果皮とともに発酵させ、『ヌーヴォー・ロゼ2026』は自然に流れ出たフリーラン果汁だけを、シャンパン酵母で低温発酵させました。2本セットは4,730円(箱代・税込)で、12月1日に解禁されます。

『ペガサスブラン2025』(2,970円、税込)は、白ぶどうを赤ワインのように果皮や種と発酵させたオレンジワイン仕様です。『甲州フリーラン2025』(2,640円、税込)はシュール・リーで仕込み、ワイナリーとして初めてステンレスタンクで約10か月熟成させました。『ヤマ・ソービニオン2024』は1年の熟成を経て発売されています。2019年産の特別醸造には、秋田県醸造試験場と共同開発した山ぶどう系品種向けの酵母が使われました。

確認できた受賞

  • 第20回フェミナリーズ世界ワインコンクール2026── 『ワイングランド2025』が日本ワイン赤ワイン部門で金賞(公式サイト、2026年4月)。
  • 第1回日本山ぶどうワインコンクール── 『小公子スイートプレミアム2022』が金賞、『ヤマ・ソービニオン2022』が銀賞(公式サイト)。

訪ねる前に

見学は10:00〜15:30(最終申込15:00)で、毎週火曜が定休、11月後半から翌年3月末までは冬期休業です。公式サイトのカレンダーを見て、フォームから予約します。9月後半から11月末は仕込みの最盛期で、それ以外の時期もガラス越しに醸造タンクや瓶詰めのラインを見られます。冬の訪問は、休業の時期を先に確かめてください。

試飲と購入は隣接のセラードア七滝で。試飲の料金は公式サイトで確認できませんでした。町の中心部では、小坂鉱山事務所内の明治百年堂と、康楽館内の店舗でも買えます。ワイナリーレストラン青銅館は小坂鉱山地区のホテル小坂ゴールドパレスに併設で、昼は11:30〜14:00、火曜定休です。

毎年10月の第1週の土日には「創業祭」が開かれ、山ぶどう系品種のグラスワインを飲み比べられます。入場は無料で、ワインはチケット制です。

住所の郵便番号は、公式サイトの中でも〒017-0203と〒017-0202の2通りの表記があります。電話は0186-22-3130です。秋田の産地全体は産地:秋田にまとめています。

小坂七滝ワイナリーのよくある質問

小坂七滝ワイナリーはどんなワイナリー?
秋田県小坂町の小坂七滝の向かいにある、山ぶどう系品種を主力にするワイナリーです。1988年に鴇地区で栽培が始まり、2017年10月に醸造所が完成しました。運営は小坂まちづくり株式会社で、秋田魁新報によれば町が整備し、醸造と販売を第三セクターの同社に委託しています。
見学や試飲はできる?
見学は10:00〜15:30(最終申込15:00)で、公式サイトのフォームから予約します。毎週火曜が定休で、11月後半から翌年3月末までは冬期休業です。試飲と購入は隣接のセラードア七滝でできますが、試飲の料金は公式サイトで確認できませんでした。
代表的なワインは?
主力品種のワイングランド、小公子、ヤマ・ソービニオンなどのワインを造っています。『ワイングランド2025』は第20回フェミナリーズ世界ワインコンクール2026の日本ワイン赤ワイン部門で金賞を受けたと公式サイトが伝えています。

同じ産地のワイナリー

同じ品種のワイナリー

県をまたいで、育てている品種の重なりが大きい順に並べています。育てる造り手が少ない品種の一致ほど重く数えます。

最終更新: 2026-11-07 / 編集: Vinotier編集部