門前仲町の、小さな醸造所
深川ワイナリー東京が開業したのは2016年。公式は自らを「東京下町の小さな醸造所」と呼び、「コト創りのワイン醸造所」を掲げています。住所は江東区古石場、最寄りは門前仲町です。運営はSwimee Japan。畑の真ん中ではなく、下町のビルの1階にある醸造所です。
ぶどうの受け入れから先は、すべて店内です。除梗破砕、搾汁、澱引き、濾過、瓶詰め、ラベル貼りまでを自分たちで行います。街なかの醸造所でありながら、作業を外に出さない。ここがこの造り手の輪郭です。公式には醸造の工程ごとの写真と説明が並び、見学でもその流れを順に追います。
農家から譲り受けたぶどうと、1年に2度の仕込み
原料のぶどうは山梨、長野、青森、山形などの農家から譲り受けています。特徴的なのは、仕込みの季節が2度あることです。秋は長野や山梨で収穫したぶどうで日本ワインを造り、春はニュージーランドやオーストラリアなど南半球のぶどうで国産ワインを造ります。北半球と南半球の収穫期の違いを使って、一年に2度の仕込みを組んでいるわけです。
国内のぶどうを使ったものと海外のぶどうを使ったものは、呼び名が分かれます。ラベルを読むと、そのボトルがどちらの季節の仕事かが分かるはずです。ラベルの読み方は日本ワインのラベルの見方にまとめています。
銘柄:新酒から、サウナのあとの泡まで
毎年の話題になるのが「深川ヌーボー」です。2026年分は10月21日に発売開始のお知らせが出ました。ほかに公式で紹介されているのが、サウナのあとに飲むためのスパークリングワイン「SA SPA!」、マスカット・ベーリーAの360mlボックスワイン、泡・赤・白・オレンジを揃えた「はじめてセット」、自社醸造ワインの定期便など。場面を先に決めて造られたワインが並ぶのは、「コト創り」を掲げる醸造所らしいところです。
屋上のぶどうと、海の中の樽
ワイン造りの外側にも、街なかならではの試みがあります。ひとつは、門前仲町駅近くのビルの屋上でのぶどう栽培です。プランターに100本強の苗を植え、公式の記録では、植えて3年目の夏に初めて収穫しました。量はバケツ1杯分。ワインにするには足りませんが、その年に仕込むすべてのワインの酵母として使ったと書かれています。もうひとつが、海中でワインを熟成させるプロジェクトです。
見学の組み立て方
醸造所見学は土日祝の14:00と16:00の2回で、1予約1〜6名。スタッフの案内で設備を見て、できるまでの工程を聞きます。仕込みの時期には、ぶどうの仕込みや発酵の様子が見られることもあります。
- 醸造所見学&3種試飲:1,650円(税込)。その時期のおすすめを3種類
- 選べるお土産ワインつき:3,500円(税込)。2,860円(税込)以下のワインを1本持ち帰り
所要時間は約30〜45分で、気に入ったワインはその場で買えます。予約はじゃらんのWEB予約か、電話(03-5809-8058)から。店の営業は月・木・金・土・日・祝の12:00〜17:00で、公式に火曜と水曜の記載はありません。
見学に来られない日でも、接点はいくつかあります。公式の通販サイトで銘柄を買え、自社醸造ワインの定期便も用意されています。公式には「深川ワイナリーのワインが飲めるお店」の案内ページもあり、近くの店でグラスから試すこともできます。2026年の秋には試飲会の開催も案内されていましたが、日時は公式のイベント欄で確かめてください。
都内のワイナリーを比べるなら、練馬区の東京ワイナリーとは、畑との距離の取り方が異なります。街なかの醸造所という形をさらに知りたいときは、東京のワインも参考にしてください。

