本文へ移動
ワインガイド Vinotier
日本のワイナリー

シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原ワイナリー

mercian-kikyogahara / 創業 2018年
産地
長野県塩尻市
訪問
試飲・ショップ
代表銘柄
シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー・シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー シグナチャー
冬の曇り空の下、門柱の奥に葉を落としたぶどう棚と平屋の醸造棟が並ぶワイナリーの入口
冬の曇り空の下、門柱の奥に葉を落としたぶどう棚と平屋の醸造棟が並ぶワイナリーの入口 / Photo: “Mercian Kikyogahara 02” by Keeezawa, CC0 1.0(Wikimedia Commons)
どんなワイナリー?

シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原ワイナリーは、長野県塩尻市宗賀にある、メルシャンの小さなワイナリーです。1938年に開かれた塩尻の醸造所の建物を生かし、新しい醸造設備を加えて2018年9月に開きました。少量生産に絞ったガレージワイナリーで、1985年が初ヴィンテージの「桔梗ヶ原メルロー」の産地にあります。とても小さいため、一般公開は年に数回だけです。

この記事の目次

1938年の醸造所を生かした、小さなワイナリー

シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原ワイナリーは、長野県塩尻市宗賀(そうが)の桔梗ヶ原にあるワイナリーです。メルシャンが2017年に出した発表によれば、1938年に開いた「塩尻セラー」の建物を使い、新しい醸造設備を加えて2018年9月に稼働を始めました。初年度の生産量は720ml換算で1,000〜1,500ケースほどと見込まれ、畑から高品質なワインを造る「ガレージワイナリー」と位置づけられています。同じ年に山梨の勝沼ワイナリーの見学コースも改装され、翌2019年には上田市に椀子ワイナリーが開きました。いまのシャトー・メルシャンは、この3つのワイナリーで動いています。

塩尻市の資料には、1938年に「大黒葡萄酒」の工場を誘致したことが記されており、その工場が現在の桔梗ヶ原ワイナリーにあたるとされています。公式サイトも、桔梗ヶ原ワイナリーを「1938年に造られた歴史ある建物」を利用して開いた小さなワイナリーと紹介しています。

桔梗ヶ原のメルローが始まった場所

桔梗ヶ原は、もともとコンコードやナイアガラなど甘口ワイン用のぶどうが多く育てられてきた土地です。塩尻市の年表によれば、1976年、シャトー・メルシャンが桔梗ヶ原でのメルロー栽培を決め、生産組合の組合員約100人に方針を説明し、そのうち約60人が植え替えに同意しました。こうして始まったメルローの契約栽培から生まれたのが「桔梗ヶ原メルロー」で、初ヴィンテージは1985年産です。

その1985年産は、1989年のリュブリアーナ国際ワインコンクールで大金賞を受けたと塩尻市は伝えています。日本のメルローが海外で評価された早い例のひとつで、桔梗ヶ原がメルローの産地として知られるきっかけになりました。塩尻にはそれより前からメルローを育ててきた五一わいん(林農園)もあり、こうした造り手と農家の積み重ねが、いまの産地の評価につながっています。流れの全体は第72講「長野完全編」で扱っています。

ワイナリーのコメントでは、桔梗ヶ原は標高約700mの冷涼な気候と、礫(れき)の多い土壌を持つ土地と説明されています。

代表的なワイン

  • シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー──1985年産から続く、シャトー・メルシャンのフラッグシップの一本
  • シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー シグナチャー──桔梗ヶ原メルローのなかから特別な区画を選び、さらに樽を選び抜いた上位版。「シグナチャー」は、特別なワインに醸造責任者が署名を入れるという意味だとされています。2021年産は日本ワインコンクール2026のグランドゴールド賞を受けました(参考価格20,730円・税抜)
  • シャトー・メルシャン 片丘──塩尻市の片丘(かたおか)地区の畑から造る赤。片丘はワイナリーによれば標高約800mで、2017年から自社管理の栽培を続けています。2023年産はメルローにカベルネ・フランを合わせたワインで、同じく日本ワインコンクール2026でグランドゴールド賞を受けました(6,000円・税込)

ひとつの品評会で、同じワイナリーの赤2本がグランドゴールド賞に選ばれたことになります。メルローの柔らかさとカベルネ・フランの華やかさを比べると、桔梗ヶ原と片丘という近い産地の違いも見えてきます。

訪ねるなら一般公開日に

公式サイトによれば、桔梗ヶ原ワイナリーは「とても小さなワイナリー」のため、一般公開は年に数回だけです。公式の2026年カレンダーでは、公開日は2月から10月までの計10日で、時間は12:30〜16:00(ラストオーダー15:00)。2026年で残っているのは10月31日(土)です。公開日は予約不要で、桔梗ヶ原ワイナリーの限定品を含むワインを有料で試飲でき、ボトルも買えます。

ワイナリーの紹介ページには、ワインメーカーの案内で敷地内の小さなぶどう畑「“箱庭”ヴィンヤード」、レセプション、樽庫、醸造棟を巡り、3種類を試飲するツアーがあると書かれています。ただし2026年のカレンダーでは、公開日に当日のツアーはないと案内されています。ツアーに参加したい場合は、公式サイトの最新の案内を確かめてください。

樽庫は、もとの建物に残っていた古い大樽の奥に新しい樽を並べたつくりです。半地下にあるため温度と湿度が保たれやすい、と公式サイトは説明しています。テイスティングカウンターは醸造棟の中にあり、発酵タンクを眺めながら飲めます。樽がワインにどう働くかは、第63講「樽とオーク完全編」が参考になります。

アクセスと注意

ワイナリーはJR塩尻駅からタクシーで約5分、歩いて約20〜25分です。車なら長野自動車道の塩尻ICから約10分で、駐車場もありますが、運転する人は試飲できません。電話(080-1128-5548)は公開日の当日しかつながらず、ほかの日は椀子ワイナリーが問い合わせ先になっています。

公開日以外にワインを買うなら、公式の通販のほか、メルシャンが2025年10月に発表した軽井沢駅直結の「シャトー・メルシャン ワインショップ 軽井沢」(2026年3月開業予定と発表)でも、桔梗ヶ原メルロー シグナチャーなどを扱うとされています。

塩尻には、同じ桔梗ヶ原の井筒ワインや五一わいん、駅の近くのサントリー信州塩尻ワイナリー、株式会社アルプスなど、ワイナリーが集まっています。公開日に合わせて、ほかの造り手と組み合わせて回る計画も立てやすい町です。訪問の準備は第51講「ワイナリー訪問」にまとめています。

よくある質問

桔梗ヶ原ワイナリーはいつでも見学できる?
いいえ。とても小さなワイナリーのため、一般公開は年に数回だけです。公式の2026年カレンダーでは、残る公開日は10月31日(土)で、時間は12:30〜16:00(ラストオーダー15:00)。公開日は予約不要で、有料のテイスティングとワインの購入ができます。2026年の公開日は当日のツアーはないと案内されています。日程は年ごとに変わるので、公式サイトの営業日カレンダーで確かめてください。
「桔梗ヶ原メルロー」とはどんなワイン?
シャトー・メルシャンが塩尻市桔梗ヶ原のメルローで造る赤ワインです。メルシャンは1976年に桔梗ヶ原でメルローの契約栽培を始め、1985年産が初ヴィンテージになりました。塩尻市の資料によれば、その1985年産が1989年のリュブリアーナ国際ワインコンクールで大金賞を受けています。特別な区画と樽を選んだ上位版が「桔梗ヶ原メルロー シグナチャー」です。
車で行っても試飲できる?
運転する人は試飲できません。駐車場はあり、長野自動車道の塩尻ICから車で約10分です。試飲を楽しむなら、JR塩尻駅からタクシー(約5分)か徒歩(約20〜25分)で向かうのが確実です。

同じ産地のワイナリー

最終更新: 2026-10-14 / 編集: Vinotier編集部