屈斜路湖を望む、町のワイナリー
屈斜路カルデラワイナリーは、北海道川上郡弟子屈町字屈斜路329番地3にあるワイナリーです。日本最大のカルデラ湖・屈斜路湖を見渡す場所にあり、北海道庁のワイナリー紹介では「公設のワイン醸造所として設立」されたと紹介されています。北海道新聞は「公設民営のワイン醸造施設」、また釧路管内で唯一の公設民営のワイン醸造施設と伝えています。
公式サイトによれば、設立は2024年8月。運営は弟子屈町の指定管理事業として株式会社テシカガファームが担い、醸造責任者は木龍奈津子さんです。醸造免許の取得は2024年(北海道庁の資料)。
開所までの道のり
弟子屈町の町長日記(2024年8月27日)によれば、ワイナリーの開所式は2024年8月8日に、50人を超える関係者を迎えて開かれました。池田町長や鶴居村長、町のぶどう栽培を協定のもとで指導してきた玉川大学の学長らが出席しています。町長は、弟子屈でワインやチーズ、牛肉を造ることを長年の目標に挙げ、町で育てたワイン用ぶどう「山幸」を町内で醸造し、秋には町内で味わえるようになると記しています。
町はワイナリーができる前から町産のぶどうでワインを出しており、町の公式サイトによれば、町産の山幸を使った赤「葡萄色の旦(えびいろのよあけ)2023」は403本で、2024年12月から一般に販売されました。弟子屈町と隣の鶴居村は「弟子屈・鶴居ワイン特区」の認定を受け、ワイン用ぶどうの栽培とワイン造りに取り組んでいます。
山幸と野生酵母
北海道庁のワイナリー紹介によれば、畑は3ha、主な醸造品種は山幸です。山幸は、池田町が清見と山ぶどうを交配して生んだ寒さに強い黒ぶどうでです。山幸の成り立ちは第69講 交配品種とクローンで、池田町のワイン造りは十勝ワイン(いけだワイン城)のページで整理しています。
造りの考え方は「ナチュラル」です。北海道庁の資料では、醸造に野生酵母を使い、土地の個性を引き出す自然派の方法をとると紹介されています。釧路総合振興局の「くしろ地域のお酒ガイド」は、冷涼な気候が生むぶどうの酸を生かし、「土地の生命力」をワインに表そうとしていると伝えています。ナチュラルワインの考え方は用語:ナチュラルワインと第45講 ナチュラルワイン完全編で詳しく扱っています。
「テシカ」のワイン
ワインは「テシカ」の名前で出ています。北海道新聞によれば、この醸造所で初めて造ったワインは「テシカロゼ 2024」でした。続いて2026年3月14日には、施設で初めての木樽仕込みの赤「テシカ 樽赤 2024」が発売されています。
2026年8月28日に出た「テシカ 赤スパークリング 2025」は、公式サイトによれば2025年に屈斜路で収穫・醸造した山幸を野生酵母で仕込み、瓶内二次発酵で仕上げた微発泡の赤です。酸化防止剤(亜硫酸)は加えておらず、アルコール度数は12.0%。750mlが506本で3,960円、375mlが557本で2,530円(いずれも税込)でした。開ける前に数日立てて冷やし、静かに抜栓するよう案内されています。釧路総合振興局のお酒ガイドは、山幸の酸が泡とよくなじむ一本として、鹿肉に合わせることを挙げています。北海道新聞は、弟子屈と鶴居村のぶどうを使った「ツル・ト・テシカ 2025 ロゼスパークリング」の発売も伝えました。
少量の生産のため、ワインは直売所のほか、町内の店で扱われます。公式サイトの取扱店には、道の駅 摩周温泉、Aコープてしかが店、屈斜路プリンスホテルなどが並び、在庫は各店に問い合わせるよう案内されています。北海道庁の資料では、ふるさと納税でも手に入るとされています。
テイスティングカウンターと営業日
直売所の店内には、屈斜路湖を一望できるテイスティングカウンターがあります。車で来た人向けにはワイナリー限定のソフトドリンクが用意され、山幸を使った「テシカサイダー」はお酒を飲まない人にも人気とお酒ガイドは紹介しています。試飲の料金と予約が要るかは、公式サイトでは確認できませんでした。北海道庁の資料では、醸造所の訪問・見学は不可です。
営業日は固定ではなく、公式サイトは公式Instagramのカレンダーを見るよう案内しています。2026年11月は毎週金・土・日と、2日・3日・23日の10:00〜16:00。北海道庁の資料では、通常期は10:00〜16:00で、月・火・水が休みの不定休とされています。冬の営業については確認できませんでした。電話は015-486-7777です。
行き方
所在地は弟子屈町字屈斜路329番地3です。最寄り駅や道路からの所要時間、駐車場の案内は、公式サイトでは確認できませんでした。出かける前に地図で場所を確かめ、ワインを飲むなら運転しない手段を用意しておいてください。
道東のワイン造りをたどるなら、山幸の生まれた池田町の十勝ワインや十勝まきばの家ワイナリーもあわせて見ておくと、品種がどう広がってきたかがわかります。北海道の産地の全体像は産地:北海道と第68講 北海道完全編、ワイナリーを訪ねるときの心得は第51講 ワイナリー訪問で整理しています。
