台風のあとに始まったワイン
河内のぶどう栽培は明治の中ごろに始まり、昭和の初めには生産量が全国1位になるほど広がりました。転機は1934(昭和9)年の室戸台風です。関西のぶどう棚が大きな被害を受けたこの年、創業者の金銅徳一は、ワイン造りを農業の立て直しの策として提案し、自ら実行に移しました。同じ年の10月1日に果実酒の製造免許を取得し、「金徳屋洋酒醸造元」を設立します。これが河内ワインの始まりです。
公式の沿革によれば、1968年に二代目の金銅一が事業を継ぎ、1978年には河内産のぶどう100%の「河内ワイン」を発売して、大阪の地ワインとして名前を広げました。1996年に株式会社河内ワインを設立し、翌1997年に「河内ワイン館」が完成しています。ブランデーやリキュールを造っていた時代があったことも、沿革に記されています。
大阪のワインの歴史を、ひとつの蔵で読む
大阪のワインと聞いて意外に思う人もいるかもしれませんが、羽曳野・柏原の丘陵は、古くからのぶどうの産地です。河内のぶどうが全国1位だった昭和初期の記憶を、会社の沿革がそのまま伝えています。すぐ近くのカタシモワイナリーとあわせて訪ねると、河内のぶどう栽培の厚みが見えてきます。産地の全体像は大阪のワインと第78講の大阪完全編にまとめています。
公式のトップでいま目立つのがデラウェアです。「金徳葡萄酒 Delaware 2026」は2026年9月28日に発売されました。創業時の屋号の「金徳」を名前に残した銘柄です。デラウェアの新酒の時期には、焼肉と合わせるバーベキューの催しも開かれています。2026年は11月1日に開かれました。
ワイン館:1階で試し、2階で歴史を見る
訪ねる人の中心になるのが河内ワイン館です。1階はワインショップで、カウンターで約20種類を試飲できます。店頭のワインや梅酒に加えて、ショップのワインセラーで保管している上質なシリーズも対象だと公式は案内しています。2階の展示ホールには初期のワインラベルや瓶、写真、資料が並び、こちらの見学は無料です。
ワイン館の営業時間と定休日は、確かめた範囲の公式サイトには書かれていませんでした。訪ねる前に電話(072-956-0181)で確認してください。
見学は、人数で分かれる
工場見学は予約制で、人数によって入口が分かれます。
- 6名以下:スタッフの案内で工場を見学し、試飲がつきます。トップページでは約1時間半、見学のページでは工場見学約30分と書かれており、全体の時間は申し込みのときに確かめるのが確実です。2026年の少人数の見学の時期は11月1日〜12月29日と案内されています
- 7名以上:7つのプランから選ぶ団体の見学です
料金は公式のページでは確認できませんでした。ほかに、企業が自社のオリジナルワインを造るプランも用意されています。
金食堂で、みんなで開ける
人数が集まるなら金食堂という選択肢があります。7〜40名の貸切で、ワイナリー見学がつき、食後にワイン館で試飲をするのが基本の形です。会社の集まりや同窓の会で一度に使えるワイナリーの食堂です。料金と営業日は公式で確認が必要です。
住所は羽曳野市駒ヶ谷1027。公式の通販ではワインのほかに梅酒とぶどうジュースも扱っています。夏の7〜9月はワインをクール便で送るため、440円の追加料金がかかります。梅酒とぶどう果汁は、ワインと一緒でなければ通常便です。催しの情報は公式のイベントのページと、Instagramに載ります。新酒の時期に出かけるなら、見学の期間と催しの日を重ねると、1回で多くを見られます。近畿のワイナリーを広く見たいときは、第96講の近畿のワイン完全編もどうぞ。

