仁木町旭台、森になった耕作放棄地から
DOMAINE HARBIOSEは、仁木町旭台地区の入り口にあるワイナリーです。公式サイトによれば、2018年に森林化していた耕作放棄地の伐根・伐採から開墾を始め、2022年に醸造免許を取得しました。最初は100m²の小さな醸造所でしたが、生産本数が増えたため2024年に同じく100m²を増築しています。仁木町には現在6軒のワイナリーがあり、そのうち4軒が旭台地区にある、と公式サイトは書いています。
北海道庁の「北海道内のワイナリー紹介」(後志エリア)は、成り立ちをもう少し詳しく記しています。福岡で創業した株式会社フィールドオブドリームスが、仁木町の高品質なワインのある日常を多くの人に、という思いで始めたこと。2018年に余市川沿いの土地を取得して開墾し、2019年に苗を植え始めたこと。2022年3月に委託醸造で初ヴィンテージ『雪洞(Bonbori)』を出し、同年10月にワイナリーが竣工して、自社畑のぶどうを自社で醸造するドメーヌを始めたこと。栽培と醸造には、九州から移住した服部久美子さん・服部碧さん親子が取り組んでいるとされています。
運営会社は株式会社余市川ワイナリー倶楽部(代表取締役 井内由佳さん)。理念に掲げる言葉は「和合共生」で、ワイナリー名のHARBIOSEも、Harmony(和合)とSymbiosis(共生)を合わせた造語です。公式サイトは、気候・土壌・水・微生物・動植物と造り手が和合し、主張しすぎず料理に寄り添う「和合するワイン」を目指す、と書いています。
畑とぶどう、手作業の醸造
公式サイトによれば、ぶどう畑の総面積は6ha、そのうち栽培面積は1.5ha。品種はケルナー、ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブランです。減農薬を徹底し、除草剤は一切使わず、人の手をかけることで農薬を最小限に抑えていると説明されています。
醸造はほとんど手作業で、ワインは野生酵母で発酵させ、瓶詰めのときにごく少量の亜硫酸を加えるだけ、と書かれています。何かを足したり引いたりせず、ぶどう本来の果実味を引き出す造りです。公式サイトでは、ニュージーランドの醸造家アレックス・クレイグヘッド氏の哲学と技術が、自然な醸造を続けるうえで大きな力になっていると紹介されています。
主な銘柄
公式サイトのSHOPに並ぶ、ドメーヌ・アルビオーズが栽培・醸造したワインは次のとおりです(価格は税込・参考)。
- 『BONBORI skin contact 2023』:自社栽培のケルナーの白。公式の商品説明では、温州みかんや柚子のような和柑橘の香りと、柑橘の皮のようなほのかな苦味が特徴と紹介されています。3,960円。
- 『TAMAYUKI pinotnoir 2023』:自社栽培のピノ・ノワール100%で造るロゼと赤。いちごやベリーの甘やかな香りが特徴と紹介されています。5,280円。
- 『BONBORI ringo 2022』:仁木町のりんご農家のふじ・ジョナゴールド・王林をブレンドし、瓶内二次発酵させた発泡性のシードル。2,200円。
同じサイトには、姉妹ワイナリーField of Dreams Winery(余市町登町)の銘柄も載っています。こちらは自社栽培のぶどうを委託醸造しており、ツヴァイゲルトレーベの赤『夜明けのカラス』、ミュラー・トゥルガウの白『湯上りの殿』、ナイアガラの泡『SAUNA QUEEN』、ピノ・ノワールの『待宵』など。醸造先として10R Wineryや八剣山ワイナリーの名前が挙がっています。
訪ねる:テイスティング付き見学ツアーは電話で
公式サイトでは、テイスティング付きワイナリー見学ツアーの詳細を電話(0135-48-5224)で案内しています。予約は希望日の3日前まで。収穫・醸造のため、5月と8〜11月は受付を停止しています。料金と所要時間は公式サイトには書かれていません。北海道庁の資料(R8.2現在)では直売所はなく、訪問・見学は「今後HPで案内予定」とされています。
所在地は余市郡仁木町旭台306番地2。条件は変わることがあるので、出かける前に必ず電話で確かめてください。
仁木・旭台のワイナリーとあわせて
仁木町は、余市川をはさんで余市町と隣り合うぶどうの町です。同じ町には、レストランと宿を備えたNIKI Hills Winery、Domaine ICHI、Domaine Blessがあり、北海道の後志エリアの中でも造り手が集まる一角です。仁木・余市をめぐる準備は第51講 ワイナリー訪問完全編、北海道の産地全体は第68講 北海道完全編にまとめています。
