札幌から旭台へ
Domaine Bless(ドメーヌ・ブレス)は、北海道余市郡仁木町旭台にある、株式会社Domaine Blessのワイナリーです。代表の本間裕康さんは、就農前は札幌の病院で16年間、検査関係の仕事をしていました。公式サイトによれば、夫婦で国内外のワイナリーを訪ねるうちに栽培や醸造に惹かれ、果樹の産地として知られる仁木町への移住を決めたといいます。
北海道庁の「北海道のワイナリー」後志エリア(R8.2現在)では、2015年に妻の真紀さんとともに札幌から移住したと紹介されています。余市町のワイナリーで2年半の研修を受けるかたわら、仁木町旭台の耕作放棄地2.2haを取得して造成し、ヨーロッパ系ぶどうの栽培を始めました。2018年からの委託醸造を経て、2020年(令和2年)に自らの醸造所でのワイン造りを開始。2023年12月には、ワイナリー名を「ル・レーヴ・ワイナリー」からDomaine Blessに改めています。
余市川左岸の南向き斜面
畑があるのは余市川の左岸、南向きの斜面です。道庁資料に挙がる主な醸造品種は、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ドルンフェルダー、メルロー、シャルドネ、ピノ・グリ、トラミーナ、ピノ・ブラン。道庁資料は、この多彩な品種を混醸するワイン造りを特徴に挙げています。
混醸の『MUSUBI』と、余市の『Your Story』
公式サイトのラインナップでいちばん目を引くのは『MUSUBI』の名を持つ一群です。『MUSUBI 2024』はピノ・ノワール、ピノ・グリ、ムニエ、シャルドネ、トラミーナ、ピノ・ブラン、オーセロワ、メルロー、ドルンフェルダーの9品種で造る白で、生産本数は2,750本。黒ぶどうを含む構成からくるコクが紹介されています。『MUSUBI 十二単 2024』は、アロマティック品種などを加えた12品種を混醸したオレンジワインで、国内ではまだ珍しいコンクリートタンクで醸したと記されています(1,080本)。ほかに5品種を自然酵母で仕込み、和三盆で瓶内二次発酵させた『MUSUBI Sparkling 2022』(693本)、ステンレスで発酵させ古樽で約9か月寝かせた『MUSUBI Rosé 2022』(288本)も並びます。
赤は、ムニエとピノ・ノワールの『ENISHI 2024』(891本)、ドルンフェルダーとメルローの『MIYABI 2024』(1,763本)、ピノ・ノワールの『EMI 2023』、メルロー単一で樽熟成の『ITO 2024』。シャルドネ、ムニエ、ピノ・ノワールを約24か月熟成させてデゴルジュマンした泡『MIKOTO 2022』(388本)もあります。
もう一つの柱が『Your Story』シリーズで、こちらは余市の安芸農園のバッカスやケルナー、メルローを使います。遅摘みした貴腐ぶどうのケルナーから造るデザートワイン『Your Story Sweet 2021』(412本)も含まれます。価格は公式サイトのラインナップには掲載がありません。
訪ねる:土日のカフェ、ツアー、泊まる
訪問の窓口は、5月から9月の土・日だけ開くカフェです。公式サイトによると営業は11:00〜14:30で、ぶどう畑を眺めながらワインやコーヒーを楽しめます。メニューはケークサレ、キッシュ、タルティーヌ(各450円)、サンドイッチ(500円)など。ワインはグラス800円から、3種の飲み比べセットが1,500円です。10月から4月は冬季休業になります。
同じ期間の土・日15:00からは、約1時間のワイナリーツアーがあります。畑と醸造所を案内してもらい、4種(各40ml)を試飲して4,000円。運転する人はノンアルコールで2,500円です。定員は10名までで、予約制(電話・メール・SNS)。平日は畑作業にあてるため、見学や試飲は原則受けていません。
敷地にはコンドミニアムが2室あります。『MUSUBI』(52㎡・最大6名、1室50,000円〜)と『MIYABI』(24.84㎡・最大4名、1室22,000円〜)で、どちらも畑を望み、宿泊者専用のオープンテラス付き。5月〜9月中旬の15:00〜20:00には、宿泊者向けにガスグリルでのBBQ(前日までに予約、1日8,000円〜)も用意されています。
公式サイトには駅や駐車場の案内はありません。所在地は仁木町旭台303、電話は0135-31-3311です。営業期間や料金は2026年11月1日時点の公式サイトによるもので、変わることがあります。出かける前に公式サイトで確かめてください。
旭台のワイン・ツーリズム
本間さんは公式サイトで、旭台のワイン・ツーリズムを引っ張ってきたことへの誇りを語っています。同じ旭台の丘には、レストランとホテルを備えたNIKI Hills Wineryがあり、一方で仁木町東町のDomaine ICHIのように見学を受けない造り手もいます。夏の週末に畑の中で一杯を飲み、そのまま泊まれる小さな造り手として、Domaine Blessは仁木で過ごす一日の選択肢になります。北海道の産地の全体像は第68講 北海道完全編、訪問の心得は第51講 ワイナリー訪問で整理しています。
