湯布院で、湯布院の原料を
由布院ワイナリーの本館は、大分県由布市湯布院町中川にあります。湯布院の町から車で約5分。公式が掲げるのは、取り扱う全銘柄を由布院産の原料で醸造するという方針です。果実の破砕、搾り、攪拌といった作業を手で行うと書かれており、規模の大きな醸造所とは違う、手元の見える仕事ぶりがうかがえます。
運営は有限会社由布院ワイナリーで、同じ名前のサイトの中に、旅館の吉祥開運亭 無尽蔵、Restaurant&Bar Lalcool/そば処 楽来、Bar Fleurage、湯布院薫風工房といった施設が並びます。ワイナリーは、湯布院の宿や飲食の仕事と隣り合って営まれていることが分かります。
フラッグシップ:由布のねむりと、由布のめざめ
名前の並びが印象に残るのが、公式がフラッグシップとして挙げる2本です。
- 由布のねむり 2024:白・750ml・6,000円(税込)。産地の欄に「由布院(自社ブドウ)」とあり、ソーヴィニヨン・ブラン。2026年11月の時点で完売
- 由布のめざめ:数量限定のオリジナルワインで、サンジョヴェーゼ種を使うと案内されています。2022年は淡赤・750ml・5,800円(税込)、2020年は720ml・5,000円(税込)、2021年は完売
トスカーナの品種として知られるサンジョヴェーゼを、由布院の看板の銘柄に据えているところに、この造り手の個性があります。「ねむり」と「めざめ」という対の名前は、温泉の町の宿で開ける一本として記憶に残ります。
量り売り、あわもん、梨のワイン
フラッグシップの外側の銘柄に、この造り手らしい楽しさがあります。
- 量り売りワイン(赤・白):赤はメルローやカベルネ・ソーヴィニヨン、白はソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ。蔵出しの量り売りもあります
- あわもん:発泡性と微炭酸のにごりワイン
- さぎり マスカットベリーA 2018:赤・720ml・3,500円(税込)
- 梨香 2025:豊水梨を使った梨ワイン・500ml・1,200円(税込)
瓶を買うだけでなく、量り売りという買い方を選べるのがここの面白さです。宿に戻って開ける一本を、その場で選べます。容器や量の決まりは、店で確かめてください。
本館か、ボトルショップか
訪ねる先は2つあります。
本館(湯布院町中川1140-5、電話 0977-28-4355)は9:30〜16:30、水曜定休(祝日を除く)。広い販売スペースにワインに合う食べ物やワイングッズが並び、試飲コーナーで気になるワインを試せます。醸造所もここにあります。見学ツアーの案内は確かめた範囲の公式サイトには見当たりませんでした。
ボトルショップ(湯布院町川上1511-1、電話 0977-84-5900)は直営のショップで、9:30〜16:30、不定休です。ワインのほか燻製やドレッシングを扱い、イートインのコーナーと、併設の「Firenze」のイタリアンジェラートがあります。
水曜に湯布院を歩く日は、本館が休みでもボトルショップが開いていることがあります。年末年始は特別の営業時間が案内され、2025年は12月31日が15時閉店とされていました。公式のお知らせを見てください。
どちらも閉店は16:30と早めなので、湯布院の散策の最後に回すより、宿に入る前の時間に寄る組み立てが無理なく収まります。試飲をするなら運転しない人を決めておきましょう。関連施設はそれぞれ別の所在地にあるので、地図で確かめてから動くと安心です。
大分のワインをもう一軒訪ねるなら、宇佐市の安心院葡萄酒工房があります。県全体は大分のワイン、九州全体は第82講の九州のワインにまとめています。
