勝沼の蔵が、信州に選んだ産地
四賀ワイナリーは、山梨県甲州市勝沼町に本社を置く大和葡萄酒が、長野県松本市の旧四賀村地区に構える醸造所です。会社の成り立ちや勝沼での甲州づくりは大和葡萄酒(ハギーワイン)のページにまとめているので、ここでは長野側の四賀に絞って書きます。
同社の公式サイトによれば、1990年に長野工場を開設しました。「世界品質のワインづくり」と「日本独自の産地形成」を目指すなかで、たどり着いた産地が旧四賀村地区だったと説明されています。NAGANO WINE(長野県の公式サイト)の紹介ページでは、勝沼が甲州を軸にしているのに対し、四賀では世界的なワイン用品種であるメルローとシャルドネをベースにしたワインに取り組んでいると書かれています。醸造家は萩原保樹さん。同じページは、赤ワインとスパークリングワインの原料は将来にわたって信州を主産地にするという同社の考えを伝えています。
標高720m、南向きの急斜面
公式サイトの「ワイナリーとエリア」によれば、四賀の畑は標高720mの高所にあり、南向きの急斜面、昼夜の寒暖差、ミネラル分の豊富な土壌と、ぶどう栽培に適した条件を備えた土地とされています。ぶどうを育てているのは契約農家で、同社独自のキャノピーマネジメント(枝葉の管理)で栽培していると説明されています。
商品ページには「旧四賀村十二原(じゅうにはら)地区」という地名が繰り返し出てきます。NAGANO WINEの紹介ページによれば、今後はピノ・ムニエなどの品種も栽培しながら、スパークリングワインの製造に力を入れていく予定とのこと。ヤマブドウやりんごなど、地元の特産を生かしたワインにも取り組んでいると書かれています。
主な銘柄
公式サイトの商品ページと受賞ページで、四賀・松本のぶどうを使うと明記されているワインです。価格は公式サイトの表示(税込)で参考です。
- 『十二原』——旧四賀村十二原地区のメルローを原料にした赤、フルボディ。公式の商品説明では、しっかりしたボディの中にメルローの優しさが表現され、ブルーベリージャムのような香りが残る味わいと紹介。720ml 2,860円/360ml 1,815円(参考)
- 『保正(やすまさ)』——旧四賀十二原地区のメルローなどをよく熟成させた赤、フルボディ。ぶどうのアロマと熟成のブーケが一体となった柔らかいテイストと紹介。720ml 5,060円(参考)
- 『ハギースパーク シャルドネ エクセレント』——松本のシャルドネを樽で醸造し、その後タンクの中で炭酸ガスを吸収させたスパークリング。公式の受賞ページでは、樽の香りと熟成した味わいのバランスを特徴としています。
受賞ページには、四賀のメルローによる赤『コリーヌ・ゴールド・ルージュ』がモンドセレクションで受賞した記録や、シャルドネのスパークリング(リュギースパーク/ハギースパーク シャルドネ)が国産ワインコンクールで受賞した記録が並んでいます。NAGANO WINEの紹介ページも、四賀のシャルドネのスパークリングが2011年の国産ワインコンクールで銀賞・銅賞を受けたと伝えています。NAGANO WINEの「ワイナリーのオンラインショップ一覧」では、十二原のメルローのほか、竜眼やシャルドネのスパークリングが紹介されています。
訪ねる:平日の売店と、試飲の注意
公式サイトによれば、四賀ワイナリーの売店は10:00〜16:30、定休日は土曜・日曜・祝日です。週末に開いている勝沼のワイナリーとは休みが異なるので気をつけてください。所在地は松本市反町640-1、電話は0263-64-4255。
- 駐車場に限りがあるため、団体や何台もの車に分乗して訪ねる場合は事前に予約する
- 20歳未満と運転する人の試飲は断られる(試飲の料金は記載なし)
- 工場見学は行っていない
- カーナビでは「信州高原ワイン」と表示されることがある
公式サイトには月ごとの営業カレンダーも載っています。条件は変わることがあるので、出かける前に公式サイトか電話で確かめてください。
松本平のワイナリーとあわせて
NAGANO WINEは四賀ワイナリーを日本アルプスワインバレーの造り手に数えています。同じ松本市には、市街地の東の山辺ワイナリー、GAKUFARM & WINERY、HASE de KODAWAAR WINERYがあります。勝沼の本社と四賀の醸造所を飲み比べれば、甲州と信州のメルローという、一つの会社の二つの顔が見えてきます。長野の産地全体は産地:長野と第72講 長野完全編、ワイナリーを訪ねる準備は第51講にまとめています。

