本文へ移動
ワインガイド Vinotier
日本のワイナリー

敷島醸造(マウントワイン)

shikishima / 創業 1985年
産地
山梨県甲斐市
訪問
ショップ
代表銘柄
MONT VIN(マウントワイン)赤・甲州シュール・リー
どんなワイナリー?

敷島醸造は、山梨県甲斐市亀沢にあるワイナリーです。公式サイトによれば、もとはぶどうを出荷する農家で、1985(昭和60)年に酒類製造免許を受けてワイン造りを始めました。自社の「菩提農場」(約10ha・標高550〜640m)で14品種を育て、自社農場のぶどうだけでワインを造っています。看板は「MONT VIN(マウントワイン)」と甲州シュール・リー。見学・試飲の案内は資料によって食い違うため、訪ねる前に電話で確かめてください。

この記事の目次

ぶどう農家が始めたワイナリー

敷島醸造(正式な社名は敷島醸造株式会社)は、山梨県甲斐市亀沢(かめざわ)にあるワイナリーです。甲府盆地の北西、昇仙峡にも近い山あいの地区で、公式サイトによれば、地名は船形神社の境内にある、亀の形に見える「亀石」に由来します。

公式サイトの会社概要は、家の歩みを次のように紹介しています。江戸時代から続く農家で、林業も営み、明治の中ごろからは養蚕のための桑が中心でした。その後ぶどうの栽培に特化し、長くぶどうを出荷する農家として過ごしたのち、1985(昭和60)年に酒類製造免許を受けてワインの製造を始めました。日本ワイナリー協会の紹介も同じ年を挙げています。なお、家の山の木材が江戸城の築城に使われた、という話も公式サイトにありますが、これは家に語り継がれてきた言い伝えとして紹介されています。

公式サイトは自社を、山梨では数少ない「農家出身のワイナリー」と位置づけています。代表取締役は保延実さん。醸造責任者の飯沼芳彦さんは大学の醸造学科を出て、現代表の父とともにワイナリーの立ち上げに加わり、創業のときから醸造を担ってきました。従業員は7名と、小さな蔵です。

自社の「菩提農場」だけで造る

敷島醸造の大きな特徴は、原料を自社農場のぶどうに限っていることです。公式サイトによれば、契約農家からぶどうを仕入れることも、輸入ワインとブレンドすることもしていません。

  • 農場の名前:菩提農場
  • 広さ:約10ha
  • 標高:550〜640m
  • 地形:南東向きの急な斜面
  • 土:やや粘土質
  • 品種:14品種。甲州・巨峰・デラウェアは棚仕立て、プティ・ヴェルド、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネなどは垣根仕立て
  • 栽培:除草剤を使わず、農薬を減らした栽培

甲府盆地の底より一段高い斜面の畑で、公式サイトによれば農場からは富士山が見えます。棚と垣根を使い分けて、生食用にも使われる日本の品種と、ヨーロッパ系の品種を並べて育てているのがこの農場の姿です。棚と垣根の違いは第59講 ぶどう栽培完全編で解説しています。

数字は時点によって違う。 甲斐市の移住サイトに載った2015年の取材記事では、畑は「亀沢地区6ha・穂坂地区1ha」、品種は13とされていました。ここでは公式サイトの現在の数字(約10ha・14品種)を採っています。年間の生産量は公式サイトに記載がありません。

マウントワインと、甲州シュール・リー

公式サイトによれば、銘柄は30種近くあります。主なワインは次のとおりです(価格は公式サイトの表示。税込か税抜かは明記されていません)。

  • MONT VIN(マウントワイン)赤──マスカット・ベーリーAのミディアムボディ。1,800円
  • 甲州シュール・リー──甲州の辛口。無濾過のため、瓶の中に酒石が沈むことがある。1,980円
  • 甲斐ノワール──山梨で生まれた黒ぶどう甲斐ノワールの赤。樽の香りをもつミディアムボディ。2,600円
  • 菩提 Bodai Vineyard Blend──カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルドのブレンド。農場の名を冠した赤。3,200円
  • ピノ・ノワール──フランス産の樽で1年熟成。3,400円
  • ソーヴィニヨン・ブラン──辛口の白。3,300円

公式サイトの人気順では、1位が甲斐ノワール、2位がピノ・ノワール、3位がソーヴィニヨン・ブランです。このほか、1.8Lや360mlもある「敷島 白」、甲州小梅ワイン、ぶどうのジュースもあります。甲斐ノワールは、ブラック・クイーンとカベルネ・ソーヴィニヨンを交配して山梨県で生まれた品種で、交配品種の考え方は第69講 交配品種とクローン完全編でまとめています。

コンクールでの評価

看板の甲州シュール・リーは、山梨県が公表しているコンクールの結果でも、繰り返し名前が見つかります。県の結果資料で確認できた主な受賞は次のとおりです。

  • 国産ワインコンクール2012:銀賞(甲州シュール・リー 2011)
  • 国産ワインコンクール2014:銅賞(甲州シュール・リー 2013、カベルネ 2012)
  • 日本ワインコンクール2015:銀賞(甲州シュール・リー 2014)
  • 日本ワインコンクール2017:銅賞(マスカット・ベーリーA 樽熟成 2016)
  • 日本ワインコンクール2018:銅賞(甲州シュール・リー 2017、ピノ・ノワール 2016)
  • 日本ワインコンクール2019:銅賞(メルロー 2017)
  • 日本ワインコンクール2022:奨励賞(甲州シュール・リー 2021)
  • Japan Wine Competition 2023:銅賞(甲州シュール・リー 2022)

ひとつの銘柄が10年以上にわたって評価を受け続けているのは、自社の畑の甲州を毎年同じ考え方で仕込んできた積み重ねといえるでしょう。甲州のシュール・リーという造り方は、第70講 山梨完全編で解説しています。

葡萄の樹と樽のオーナー制度

公式サイトには、ワインの楽しみ方をひと工夫した制度が2つあります。

  • 葡萄の樹オーナー──3年契約で、3万円(3年でワイン計10本)、5万円(計17本)、10万円(計36本)の3コース。オーナーは店舗での買い物が10%引きになる
  • 樽ワインオーナー──法人や酒販店、グループ向け。1樽(約230L)100万円で、720mlに換算して約270本になる

また公式サイトには、予約制のバーベキュー場(1人500円、鉄板・炭代700円、1テーブル10名まで)の案内もありますが、見学・試飲と同じく開催見送りの注記が付いています。利用したい場合は事前に問い合わせてください。

訪ねる前に

公式サイトによれば、所在地は山梨県甲斐市亀沢3228、電話は055-277-2805です。アクセスは次のように案内されています。

  • 電車:JR中央本線の竜王駅からタクシーで約10分(県の観光サイトは車で15分)
  • 車:中央自動車道の韮崎ICから約15分(県の観光サイトは25分)、甲府昭和ICから国道20号経由で約20分、双葉SAのスマートICから約15分

駐車場の台数は、県の観光サイトが普通車5台、地域情報サイトが30台としていて大きく食い違います。営業日と見学の可否も資料ごとに違うため、電話で確かめてから出かけるのが確実です。近くには昇仙峡があり、公式サイトによれば車で約25分。同じ甲府盆地の北側には、韮崎市のドメーヌ茅ヶ岳もあります。

ぶどうを育て続けてきた家が、その畑のぶどうだけでワインを造る——敷島醸造は、山梨のワイナリーの中でも「農家のワイン」という成り立ちがはっきり見える一軒です。産地の全体像は産地:山梨で、訪問の心得は第51講 ワイナリー訪問完全編でどうぞ。

よくある質問

敷島醸造はどんなワイナリー?
山梨県甲斐市亀沢にあるワイナリーです。公式サイトによれば、もとはぶどうを出荷する農家で、1985(昭和60)年に酒類製造免許を受けてワイン造りを始めました。自社の「菩提農場」(約10ha)で14品種を育て、契約農家からの仕入れや輸入ワインとのブレンドはせず、自社のぶどうだけで造っています。
「マウントワイン」とは?
敷島醸造のワインの呼び名で、ラベルには「MONT VIN(マウントワイン)」と書かれます。公式サイトでは、マスカット・ベーリーAのミディアムボディの赤が「MONT VIN 赤」として紹介されています。名前の由来は公式サイトなどで確認できなかったため、ここでは書きません。
見学や試飲はできる?
案内が資料によって食い違っています。公式サイトの見学・試飲のページにはコロナの影響で開催を見送っているとの注記があり、県の観光サイト(2022年10月時点)は見学・試飲はなし、直営ショップはありとしています。日本ワイナリー協会は見学可・試飲ありとしています。訪ねる前に電話(055-277-2805)で確かめてください。

同じ産地のワイナリー

最終更新: 2026-10-08 / 編集: Vinotier編集部