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日本のワイナリー

御勅使川ワイナリー

midaigawa
産地
山梨県南アルプス市
代表銘柄
シャルドネ 樽発酵・マルスラン樽熟成
どんなワイナリー?

御勅使川(みだいがわ)ワイナリーは、山梨県南アルプス市六科にある、株式会社宮入バルブ製作所のワイン醸造所です。ワイン醸造用機器の開発のテスト施設として立ち上げられ、名前はすぐ横を流れる御勅使川から。工場横の自社敷地に約1ヘクタールのぶどう圃場を設け、2023年春から垣根栽培で苗木の定植を始めました。醸造責任者は進藤利江子さんです。

この記事の目次

バルブメーカーが開いた、川のほとりの醸造所

御勅使川ワイナリーを営むのは、南アルプス市に工場を持つ株式会社宮入バルブ製作所です。公式サイトによれば、同社は1949年の創業以来、LPガス用のバルブを中心に事業を広げてきたメーカーで、昭和34年(1959年)7月に甲府市郊外、いまの南アルプス市に工場を設けました。

ワインとの縁は、醸造機器から始まっています。ワイナリーの多くは海外製の部品や機械を使っていて、思うようにメンテナンスができないという課題を抱えていた。そうした相談を受け、同社は2017年にワイン醸造用機器の製造を始めます。ガス容器で培った、流体の量を一定に保つ液面計の仕組みや、ガスの流れを安定させる技術を応用した「ワインろ過器」もそのひとつです。

国内のワイナリーに機器を届けるうちに、さらに機器を開発するためのテスト施設として、自社のワイナリーを持つことになりました。名前は工場のすぐ横を流れる川からとって「御勅使川(みだいがわ)ワイナリー」。いまも濾過器、瓶詰機、リンサーには自社製品を使い、日々研究開発を続けていると公式サイトは書いています。醸造責任者は進藤利江子さん。醸造のスペシャリストとソムリエをチームに加え、栽培から醸造まで自分たちの手で行う体制です。

工場横の1ヘクタールと、明野・峡東のぶどう

自社のぶどう畑は、工場横の自社敷地内にある約1ヘクタールの圃場です。2023年の春から垣根栽培で苗木の定植を始めました。品種は熟考したうえで、シャルドネ、ピノ・グリのほか、南アルプス市の気候と相性のよい交配品種を選んだとされています。ショップに並ぶ『マルスラン樽熟成25』は、この自社圃場で育てたマルスラン(グルナッシュ×カベルネ・ソーヴィニヨン)が主体です。

まだ若い自社畑を補うように、県内各地のぶどうも使っています。公式ショップの商品説明に名前が多く出てくるのは、標高の高い冷涼な北杜市明野町。契約栽培のシャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、甲州がここから届きます。ほかに、峡東地区(勝沼・一宮町)の甲州とマスカット・ベーリーA、南アルプス市産の甲州、山ぶどう系の交配品種・志太乃輝も。いくつかの商品には「御勅使川は原料として収穫されたブドウの収穫地ではありません」という注記が添えられていて、銘柄名と産地を分けて読む必要があります。

主な銘柄と参考価格

公式オンラインショップ(2026年11月1日時点)に並ぶ主な銘柄です。価格は税込で、参考です。

  • 『シャルドネ 樽発酵25』——明野町産シャルドネ100%、フレンチオーク樽で発酵し樽内で4か月熟成。2,860円(参考)。公式ショップでは2026年の日本ワインコンクールで銅賞と案内しています。
  • 『マルスラン樽熟成25』——自社圃場のマルスラン主体に、冷涼産地のカベルネ・ソーヴィニヨンを少量。フレンチオーク樽で約6か月。2,970円(参考)
  • 『メルロー樽熟成』——明野町産メルロー100%、フレンチオーク樽で6か月。2,860円(参考)
  • 『甲州醸しアンバー樽熟成』——明野町の甲州を果皮と種ごと約3週間醸し発酵し、樽で3か月。公式の商品説明では和柑橘の香りと醸し由来のほろ苦さと紹介。1,880円(参考)
  • 『シャルドネ スパークリング』——明野町産シャルドネを瓶内二次発酵、10か月以上澱と熟成。3,300円(参考)
  • 『甲州 スパークリング』——峡東地区の甲州を瓶内二次発酵。2,750円(参考)
  • 『リヴィエール ルージュ』——明野町のメルローと自社農園のマルスランに志太乃輝を少量。2,970円(参考)

11月3日には、甲州ドミ・セック、メルロー、シャルドネの3種の2026年新酒(ヌーヴォー)が発売されると案内されています。新酒のシャルドネは南アルプス市の自社圃場のシャルドネ100%と書かれています。樽熟成の赤と白、醸しのオレンジワイン、瓶内二次発酵の泡と、若い醸造所としては造りの幅が広いのが特徴です。

訪ねる前に

公式サイトで確認できるのは、オンラインショップでの販売と、県内の取扱店の一覧です。取扱店には、甲州市勝沼町や北杜市小淵沢町の酒販店、甲府市の酒販店、南アルプス市の「fumotto南アルプス」などが挙がっています。一方、醸造所での見学・試飲・直売については、公式サイトに案内が見当たりませんでした。

所在地は山梨県ワイン酒造組合の一覧で南アルプス市六科1588-2、電話は055-285-0111とされています。訪ねたい場合は、事前に電話で確かめてください。条件は変わることがあります。最新の情報は、公式のX・Instagram・Facebookでも発信されています。

南アルプス・峡北の造り手とあわせて

同じ南アルプス市の小笠原には、小さな造り手のドメーヌ ヒデ(ショープル)があります。御勅使川を上流へたどった先の甲斐市には敷島醸造(マウントワイン)、原料の多くを頼る明野町の近く、韮崎市にはドメーヌ茅ヶ岳。勝沼のような醸造所の集まる土地ではない分、機械メーカーが醸造所を持つという成り立ちが際立ちます。山梨全体の見取り図は産地:山梨と第70講 山梨完全編に、日本ワインの産地全体は第9講にまとめています。

御勅使川ワイナリーのよくある質問

御勅使川ワイナリーはどんなワイナリー?
南アルプス市のガス用バルブメーカー、株式会社宮入バルブ製作所が手がけるワイン醸造所です。公式サイトによれば、同社は2017年にワイン醸造用機器の製造を始め、さらなる機器開発のテスト施設として自社のワイナリーを立ち上げました。濾過器、瓶詰機、リンサーは自社製品を使っています。
どんなぶどうを育てている?
工場横の自社敷地に約1ヘクタールの圃場を設け、2023年の春から垣根栽培で苗木を植えています。公式サイトでは、シャルドネ、ピノ・グリのほか、南アルプス市の気候と相性のよい交配品種を植えたとあり、ショップにはその自社圃場のマルスランを使った赤ワインも並んでいます。
原料はすべて南アルプス市のぶどう?
いいえ。公式ショップの商品説明では、北杜市明野町のシャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、峡東地区(勝沼・一宮町)の甲州やマスカット・ベーリーAなども使っています。一部の商品には「御勅使川は原料として収穫されたブドウの収穫地ではありません」と注記されています。
ワイナリーで試飲や購入はできる?
公式サイトでは、醸造所での試飲・見学・直売の案内は確認できませんでした。ワインは公式オンラインショップと、山梨県内の酒販店などの取扱店で販売されています。訪ねる前に電話で確認してください。

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最終更新: 2026-11-01 / 編集: Vinotier編集部