角田浜の「5番目」
ルサンクワイナリーの「Le CINQ」はフランス語で数字の5。新潟市観光の特集(新潟市観光コンベンション協会)は、名前のとおり新潟ワインコーストで5番目にオープンしたワイナリーだと紹介し、「2015年から」トラディショナルでエレガントなワインを追求している、と書いています(創業年は公式サイトでは確認できなかったため、ここでは特集の記述として紹介します)。
角田浜一帯では、1992年に始まったカーブドッチワイナリーから醸造家が育ち、フェルミエ、ドメーヌ・ショオ(現ハッコーショオ)、カンティーナ・ジーオセットと小さな蔵が続いてきました。ルサンクはその流れのなかの5軒目にあたります。
代表は阿部隆史さん。公式サイトの会社情報では、事業目的として「お客様に素敵な時間を過ごしていただく」こと、品質の高いワインの提供、自然環境への配慮と地域の活性化が掲げられています。新潟市観光の特集では、建物は中米の海のリゾートをコンセプトにしたつくりで、ショップを併設していると紹介されています。
畑とぶどう——自社畑のピノ・ノワールと、県内外の産地
公式サイトのトップに掲げられたモットーは「トラディショナルでエレガント」。テロワールや品種の特徴を素直に生かし、香り高くやさしい味わいのきれいなワインを目指すとしています。
ぶどうの出どころは銘柄ごとに書き分けられています。
- 自社畑——ピノ・ノワール(公式ワインリストに「自社畑」「自社栽培」と明記)
- 新潟県弥彦村——マスカット・ベーリーAのロゼ
- 山形県——シラー(2026年1月のリリース告知による)
新潟市観光の特集は、ワイナリーのあるエリアの自園のぶどうに加え、新潟県内や福島・山形のぶどうも使っていると紹介しています。自社畑の面積や樹齢は公式に示されていません。
主な銘柄と価格の目安
公式ワインリスト(2026年11月1日時点、750ml、税込・参考価格)から主なものを挙げます。味わいの説明は公式の紹介文によるものです。
- 2024 ピノ・ノワール(6,600円)——自社栽培のピノ・ノワールを樽に入れずに瓶詰め。バラを思わせる香りとやさしいタンニン、と紹介されています。樽熟成させた2022年は完売。
- 2025 ピノ・グリ(4,620円)——和柑橘を思わせる香りと酸、白桃のような果実味、と紹介されています。
- 2023 セイベル&ミュラー・トゥルガウ(3,850円)——みかんなどの柑橘を思わせる香りとやさしい酸のオレンジワイン。
- 2024 デラウェア(2,750円)——やや辛口の白(デラウェア)。
- 2024 マスカット・ベーリーA(4,620円)——弥彦村産ぶどうのロゼ。フレンチオーク樽熟成の2022年(3,850円)も並びます。
- 2023 シラー(4,620円)——山形県産ぶどう、フレンチオーク樽熟成。
- 2020 メルロー(2,750円)
ニュース欄では、2026年に入って「2024 ヤマ・ソーヴィニオン」「2019 セイベル」「2023 デラウェア」の完売が告知されています。少量生産でヴィンテージごとに入れ替わるため、在庫は公式オンラインショップ(Creema・BASE)で確認するのが確実です。新潟市観光の特集では、代表銘柄として自園のピノ・ノワールが挙げられています。
訪ねる——試飲、見学、営業日の確かめ方
所在地は新潟市西蒲区角田浜1693。公式サイトの会社情報では営業10:00〜16:00、定休は水曜です。ただしトップページには「少人数のワイナリーのため、今年度は土日祝のみの営業」とあり、イベント出展などで土日も臨時休業になることがあります。平日に訪ねたい場合は、問い合わせフォームから日時を伝えれば、スケジュールの調整がつく限り対応するとのことです。
見学は事前問い合わせ制で、8月〜11月は醸造の繁忙期のため休止。問い合わせには、定休日・長期休暇を除いて24時間以内に返信するとしています。試飲については、新潟市観光の特集が「店内ではワインの試飲を楽しめます」と書き、醸造家の阿部さん自らワインを紹介してくれると伝えています。料金は確認できませんでした。条件は変わることがあるため、出かける前に公式サイトのニュース欄とInstagramを確認してください。
アクセスは、JR越後線の越後曽根駅からタクシーで約10分、内野駅からタクシーで約15分。車なら北陸自動車道の巻潟東ICから約15km・約25分です(いずれも公式サイト)。駐車場の有無は公式に記載がありません。飲む日はタクシーか公共交通で。
蔵に行けない日は、公式サイトの取扱店リストが手がかりになります。新潟ではカーブドッチ敷地内のコテアコテマルシェやそら野テラス、東京ではGINZA SIXのIMADEYA GINZAなどで購入でき、The Okura Tokyoや妙高の赤倉観光ホテルではグラスやボトルで味わえると紹介されています。
新潟ワインコーストのなかで
新潟県ワイナリー協会に加盟する県内10軒のうち、西蒲区にはカーブドッチ、カンティーナ・ジーオセット、ハッコーショオ、フェルミエ、ルサンクワイナリー、レスカルゴの6軒が集まります。アルバリーニョの白やイタリア品種の赤など、一軒ごとに軸が違うのがこの産地の面白さ。ルサンクは、ピノ・ノワールからデラウェア、オレンジワインまで、品種の個性を穏やかにまとめるスタイルの蔵として、回り道の候補に入れておきたい一軒です。ワイナリーを数軒つなぐ一日の組み立て方は第51講「ワイナリー訪問とワインツーリズム」、産地全体は新潟の産地ページと第76講「新潟完全編」にまとめています。


