オホーツクで最初のワイナリー
Infeeld winery(インフィールドワイナリー)は、北海道北見市端野町緋牛内715番地10にあるワイナリーです。北海道庁の「北海道内のワイナリー紹介」(2026年2月現在)によれば、2019年にオホーツク管内で初めて開設されたワイナリーとされています。運営する株式会社未来ファーム(本社は同じ緋牛内の179番地8)は、2006年12月に設立された黒毛和牛の生産会社で、繁殖・育成・肥育から販売までを手がけ、ブランド牛「北見和牛」を育てています。公式サイトはワイナリーを「黒毛和牛農家がつくる全国唯一のワイナリー」と紹介しています。
北見市の建設会社が出す地域情報誌「ドカン!」57号(2025年8月)によれば、代表取締役の中野克巳さんが、あるワイナリーを見学したことをきっかけに自社でのワイン造りに可能性を見いだし、「牛肉に合うワインを造って飲みたい」という思いで始めたそうです。北海道庁の資料も、北見和牛の牛肉料理に合うワインを造ることを目標に始まったと書いています。
2015年に植えたぶどうから
公式サイトの沿革では、2015年に緋牛内の畑でぶどうの栽培を始め、2019年9月に醸造免許を取得、同年10月から北見産ぶどう100%のワイン造りに取り組み始めました。同誌によれば、始めた頃は凍害にあうなど苦労があり、近くで同じ頃にぶどう栽培を始めた別のワイナリーの創業者と試行錯誤しながら栽培の技術を高めたとのこと。初醸造では道内のワイン会社を退職した醸造担当者の力を大きく借り、その後独り立ちしたと紹介されています。
自社畑で育てる主な品種は、公式サイトによればミュラー・トゥルガウ、シャルドネ、ピノ・ノワール、ドルンフェルダー、ツヴァイゲルトレーベ、山幸、清舞の7品種です。山幸と清舞は、十勝の池田町で生まれた寒さに強い品種で、北海道庁の資料はこの2品種とヨーロッパ系品種を育て、厳しい冬をどう越すか試行錯誤を続けていると書いています。栽培面積は道の資料で2.5haです。
どんなワインを造っている?
北海道庁の資料は、主なラインナップを山幸、樽熟成山幸、清舞としています。公式サイトのワイン一覧とオンラインショップ(2026年10月時点)に並ぶ主なワインは次のとおりです(価格は税込)。
- 山幸(3,300円)── 自社ぶどう100%の赤。同誌は、色が濃くスパイシーな香りで、渋みは控えめ、甘酸っぱさの中に豊かなコクがあると紹介しています。
- 樽熟成山幸(2020年・4,100円)── 樽で寝かせた山幸。樽の効果は樽熟成で解説しています。
- 清舞・秀幸(各3,300円)── 寒冷地向けの品種で造る赤。
- 北見PremiumRose(2024年・3,600円)── ロゼ。
- Campbell Early Rose(2,300円)、Niagara【辛口】(2,100円)、やや甘口のHappy Wine(3,300円)など。
- シャルドネ── 同誌によれば自社ぶどう100%の白で、洋ナシや青リンゴを思わせる爽やかな酸味が特徴とされます。
同誌によれば、2025年4月時点の品ぞろえは11種(白2、ロゼ2、赤7)でした。北海道新聞(2025年6月12日)は、訓子府町の農家夫妻が育てた山幸を、このワイナリーが受託醸造したワイン「N wine」の発売を報じ、町によると訓子府産ぶどうで造る初めてのワインとされています。
ワインショップと、休止中のレストラン
醸造所に併設のワインショップは9:30〜16:00の営業です。営業日は月ごとに公式サイトの「お知らせ」で告知され、2026年9月は毎週日曜(27日は休業)に12日(土)と21〜23日の祝日を加えた日程、10月はぶどうの収穫・醸造で忙しいため営業日なしでした。9月13日には、ワイナリーを会場に「丘の上マルシェ」(第4回)も開かれています。
北海道庁の資料は、展望のよい醸造所で北見産の和牛とワインを楽しめる予約制のレストランがあると紹介しています。ただ、「ドカン!」57号は写真に「4月以降いったんお休みのレストラン」と添えており、公式サイトのトップも「将来的にはレストランを開業」と書いています。2026年10月時点で営業しているかは確認できませんでした。見学ツアーや試飲の案内も公式サイトにはありません。公式サイトでは醸造所の中を360°画像で見られるページが公開されています。
行き方
所在地は北見市端野町緋牛内715番地10。「ドカン!」57号の地図では、国道39号から入る道路の脇に入口の看板があり、地図には近くの目印としてホクレン肥料や端野消防が描かれています。公式サイトには公共交通や車での行き方、駐車場の案内がないため、事前に電話(0157-57-2358)で確かめると安心です。試飲をするなら運転しない人と一緒に出かけましょう。
山幸や清舞が生まれた池田町の十勝ワイン(いけだワイン城)は、北見から足をのばせる道東の造り手です。北海道の産地の全体像は第68講 北海道完全編、訪問の心得は第51講 ワイナリー訪問で整理しています。
