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ワインガイド Vinotier マイリスト
日本のワイナリー

農楽蔵(のらくら)

norakura / 創業 2012年
産地
北海道北斗市
代表銘柄
ノラ・ブラン・ノラ・ルージュ
どんなワイナリー?

農楽蔵(のらくら)は、北海道北斗市文月にある、株式会社農楽のワイナリーです。フランス・ブルゴーニュでワインを学んだ佐々木賢さん・佳津子さん夫妻が、2011年に北斗市で自家農園「文月ヴィンヤード」を開き、2012年に函館市元町でワイナリーを立ち上げました。ワイナリーは2023年9月に畑のある北斗市文月へ移っています。ぶどうはすべて北海道産で、野生酵母で発酵させ、ろ過をせず、亜硫酸は使わないか、ごく少量に抑えます。夫婦二人の極小規模の造り手のため、一般の見学とワイナリーでの直売は行っていません。ワインは全国の取引酒販店で扱われます。

この記事の目次

函館山のふもとから、北斗市文月へ

農楽蔵(のらくら)は、北海道北斗市文月96番地の7にあるワイナリーです。運営は株式会社農楽。造り手は佐々木賢さんと佳津子さんの夫妻で、公式サイトの英語の案内では年に約1万本を造る小さなワイナリーと書かれています。

公式サイトの歩みは次のとおりです。

  • 2011年 ── 北斗市に自家農園「文月ヴィンヤード」を開く。
  • 2012年 ── 函館市(元町)にワイナリー「農楽蔵」を設立。道南と余市町の農家からぶどうを買ってワインを造り始める。
  • 2015年 ── 自家農園のぶどうがとれ始める。
  • 2023年 ── 9月、ワイナリーを北斗市文月へ移す。

北海道庁の「北海道内のワイナリー紹介」(2026年2月現在)は、育てたいと考えていたシャルドネやピノ・ノワールに合う土地として北斗市を選び、3haの畑で主にシャルドネを育てていると紹介しています。

造り手のふたり

公式サイトのプロフィールによれば、佐々木賢さんは北海道室蘭市の生まれで千葉県君津市育ち。フランス、山梨、栃木、北海道ニセコ町を経て、2011年に北斗市で農場を開きました。農楽では栽培を担当し、フランス国家認定農業上級免状(BPA)とブルゴーニュ大学認定醸造技師(DTO)を持っています。

佐々木佳津子さんは埼玉県幸手市の出身。東京農業大学の醸造学科とブルゴーニュ大学の醸造学部を卒業し、兵庫県のワイナリーで長く醸造を担当しました。農楽では醸造を受け持ち、フランス国家認定醸造技師(DNO)の資格を持ちます。

「農楽」という名前には、「曲がって、振って、農を楽しむ」「野良仕事」「どこにも属さず、自分たちの理想を追い続ける」という意味が込められている、と公式サイトにあります。

峩朗鉱山を背にした南向きの斜面

畑は、北海道最大のジュラ紀石灰岩とされる峩朗(がろう)鉱山を背に、函館の街を見下ろす南向きの斜面にあります。公式サイトは、北斗市(旧大野町)がかつての果樹地帯で、夏は暑すぎず秋が長く、ぶどうの成熟をゆっくり待てる土地だと説明しています。冬は寒すぎず凍害の心配が少なく、雪も少ないため、剪定を急がなくてよいとも書かれています。文月地区は、江戸時代に北海道で最初に稲作が行われた場所でもあります。

自家農園は約5haで、ワイン用のぶどうのほか果樹や野菜も育てています。ぶどうはシャルドネとピノ・ノワールが中心で、ほかの品種も試験的に植え、ときに混植しています。化学合成農薬・化学肥料・除草剤は使わず、ぶどうには有機栽培で認められた資材を必要なときだけ使う、というのが公式サイトの説明です。

野生酵母、無ろ過、亜硫酸を抑えて

醸造は野生酵母での発酵、無ろ過、亜硫酸の無添加か低添加が基本です(考え方は自然派ワインと酸化防止剤(亜硫酸塩)の項に)。ただし除梗の有無や発酵温度、抽出の方法は、ぶどうの状態を見てそのつど決めるとしています。公式サイトは亜硫酸を減らす理由として、のど越しのよさ、生き生きとした香味、とくに生魚・魚卵・醤油と合わせやすくなることを挙げています。そのぶん温度変化に繊細なワインで、20℃以下での保存(亜硫酸を加えていないものはできれば14℃以下)を求めています。

もうひとつの特徴が、ラベルに品種を書かないことです。メルローで造ったワインがピノ・ノワールのような色や香りになったり、甘口に造られることの多いナイアガラが完全な辛口になったりする。品種の先入観を外して、土地と人の個性を感じてほしい、というのが公式サイトの説明です。

ノラ、ノラポン、まさーる

ワインはシリーズごとに性格と売り方が分かれています(品種構成は公式サイトのラインアップより)。

  • ノラ・シリーズ(農楽蔵による、個性のワイン) ── 『ノラ・ブラン』(シャルドネ、樽発酵・樽熟成)、『ノラ・ルージュ』(メルロー、ピノ・ノワールなど)、ピノ・ノワールの『ノラ・ルージュ・ゼロ』。
  • ノラポン・シリーズ(土地による、個性のワイン) ── 北海道らしい酸を追う一群で、『ノラポン・ブラン』(ケルナー主体)、『ノラポン・ルージュ』(メルロー主体)、泡の『ノラポン・エフェルヴェサン』。全国の契約酒販店だけで売られます。
  • 葡萄戦隊のまさーる・シリーズ(地元ワイン) ── ナイアガラの微発泡『ぱやぱや・ぺてぃやん』、ミュラー・トゥルガウの『はがいく・ぶらん』など。日常の食卓のための一本で、販売は道南が中心です。
  • ノラケン・シリーズ(試験醸造) ── 数十本から数百本の一度きりの仕込み。

晴れの日に語りながら開けるワインと、細かいことを考えずに日々飲むワインを造り分ける。公式サイトはこれを「ハレとケのワイン」と呼んでいます。

訪ねられない造り手のワインを、どう手に取るか

公式サイトには、一般の見学は受けていないこと、ワイナリーでの直売も、一般の人へのワインの販売・予約もしていないことが明記されています。北海道庁の資料でも、直売所なし、訪問・見学不可です。問い合わせはメールだけで、電話には対応していません。

ワインは、公式サイトに一覧がある全国の取引酒販店で扱われます。地元の北斗市や函館市、札幌、東京、大阪の店のほか、台湾とシンガポールにも輸出されています。道南を旅するなら、函館の酒販店や飲食店で、道南の食材と合わせて一杯を頼むのがこの造り手の考えに近い楽しみ方でしょう。公式サイトも、道南の風土と食をセットで思い浮かべながら飲んでもらうことを理想に掲げています。

道南で訪ねられるワイナリーには、七飯町のはこだてわいんなどがあります。北海道全体の産地の地図は第68講 北海道完全編で。

よくある質問

農楽蔵はどんなワイナリー?
北海道北斗市文月にある、佐々木賢さん・佳津子さん夫妻のワイナリーです。公式サイトによれば、2011年に北斗市で自家農園を開き、2012年に函館市でワイナリーを設立、2023年9月に畑のある北斗市文月へ移りました。賢さんが栽培、佳津子さんが醸造を担い、ふたりともブルゴーニュでワインを学んでいます。ぶどうは100%北海道産で、野生酵母での発酵、無ろ過、亜硫酸の無添加または低添加を基本にしています。
見学や購入はできる?
できません。公式サイトでは、一般の人の農場・ワイナリー見学は受けておらず、ワイナリーでの直売も、一般の人へのワインの販売・予約もしていないと明記されています。北海道庁の資料(2026年2月現在)でも直売所なし・訪問見学不可です。ワインは全国の取引酒販店で扱われ、公式サイトに酒販店の一覧があります。シリーズによって、全国の酒販店で売るもの、道南の店や飲食店が中心のものに分かれています。
ラベルに品種が書かれていないのはなぜ?
公式サイトでは「この品種はこういう味だ」という先入観を外して飲んでほしいから、と説明しています。ワインの味わいは品種だけでなく、土地の個性と、ぶどうに人がどう向き合って造るかで決まる、という考え方です。造り方や品種構成はリリースのたびに公開され、たとえば『ノラ・ブラン』はシャルドネ、『ノラポン・ブラン』はケルナー、『ぱやぱや・ぺてぃやん』はナイアガラが主体とされています。

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最終更新: 2026-10-30 / 編集: Vinotier編集部