船穂町の、マスカットのワイン
倉敷市船穂町は、公式が「マスカットの郷」と呼ぶ土地です。岡山県の南西部にあって温暖で、高梁川の水に恵まれ、年間の寒暖差が小さく、県内でも降水量がきわめて少ない地域だと説明されています。丘陵地にはかんがいの設備が整い、水はけのよい土がぶどう栽培に向いています。
ここで育つ特産品が、「ブドウの女王」と呼ばれるマスカット・オブ・アレキサンドリアです。生で食べるぶどうとして全国の市場で評価されてきた品種を、そのままワインにしているのがふなおワイナリーです。「良いワインは、良いブドウから」という考えのもと、栽培から醸造までを手がけ、原料には船穂町産のマスカット・オブ・アレキサンドリアを100%使います。ワイナリーの近くには自前のマスカット農園があり、生で食べられる最上の状態になった房だけを収穫すると公式は書いています。
銘柄:同じマスカットの、甘さの違い
看板は、同じぶどうから造る甘さ違いの2本です。価格は2026年11月に公式で確かめたもの(税込・750ml・化粧箱入り)です。
- マスカット・オブ・アレキサンドリア やや甘口:3,900円
- マスカット・オブ・アレキサンドリア やや辛口:3,900円
- マスカット・オブ・アレキサンドリア スパークリング:4,620円
- マスカット・ベーリーA ブラッシュ(ロゼ):3,460円
低アルコールのマスカット・ベーリーAのロゼも造っており、2025年分は2026年11月に完売のお知らせが出ました。公式のお知らせには、日本航空に選ばれたという話題も載っています。香りの立つ白は、塩で食べる天ぷらのような軽い揚げ物の席で試したくなる一本です。
訪ねる:ガラス越しの醸造設備と、無料の試飲
ワイナリーの営業は9:00〜17:00で、水曜と年末年始(12月29日〜1月3日)が休みです。店内では各種タイプを無料で試飲できます(スパークリングは対象外)。50席の来客ホールは団体旅行や研修旅行にも対応し、そこからガラス越しに醸造設備を見られます。除梗破砕、搾汁、発酵、ろ過、瓶詰めへと続く工程を、説明を聞かなくても追いやすいつくりです。企業・団体向けの見学ツアーは、公式の専用ページから申し込みます。
ワイナリーの周りでは、愛宕山の季節の草花や、倉敷市を見渡す展望台、野鳥の観察も楽しめると紹介されています。
美観地区で買うなら、アイビースクエアの店
倉敷の観光の途中で寄るなら、倉敷アイビースクエア内の直営ショップがあります。アイビースクエアは倉敷紡績の旧本社工場を再開発した複合文化施設で、近代化産業遺産に指定されています。こちらの営業は12:00〜16:00で、火曜と水曜が定休。本体とは時間も休みも異なるので、水曜はどちらも開いていない点に気をつけてください。
シラガブドウとの新しい品種
先の話として興味深いのが、新しい赤ワイン用品種の開発です。倉敷市、岡山理科大学、香川大学農学部の望岡教授と共同で、マスカットとシラガブドウを交配した品種に取り組んでいると公式にあります。シラガブドウは高梁川流域にだけ自生する在来の種で、大正2年に植物学者の牧野富太郎が総社で見つけ、白神寿吉にちなんで名づけられました。環境省のレッドリストで絶滅危惧種とされています。
行き方
車なら山陽道の玉島ICから約10分、国道2号線の船穂JCTから約7分。駐車場は50台で、大型バスも止められますが、大型バスが通れない道があるため公式の経路図の確認が案内されています。電車の場合は、JR西阿知駅からタクシーで約5分、新倉敷駅から約10分、倉敷駅から約20分です。県内のほかの造り手は岡山のワインにまとめています。
