グラン・ヴァン シャトー・オー・ブリオン(赤)は、ボルドー市街に隣接するペサックで造られる第1級のグラン・ヴァンです。1855年格付けで唯一メドック以外から第1級に選ばれた一本で、近年はメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを軸にしたブレンド。樽で18〜20か月熟成させ、新樽比率は年ごとに見直されます。
- エレガントで複雑
- ミネラル感
- 煙草や黒鉛と評される香り
- 長い余韻
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・オー・ブリオン(赤)は、ボルドー市街に隣接するペサックで造られるグラン・ヴァンです。1855年の格付けでは、マルゴー、ラフィット、ラトゥールとともに赤の第1級4軒の一つに選ばれました。本来はメドックのワインを対象にした一覧のなかで、メドック以外から選ばれたのはオー・ブリオンだけです。グラーヴ格付けでも赤が格付けされており、二つの格付けに名を連ねるシャトーとして知られます。造り手の歴史や白、姉妹シャトーまで含めた全体像はシャトー・オー・ブリオンの解説で扱っています。
シャトーはこの赤を、エレガントで複雑、ミネラルを感じる香りと独特の複雑さ、そして驚くほど長い余韻を持つワインと紹介しています。評論の世界では、煙草やシガーボックス、黒鉛、焼けたレンガといった、土や燻煙を思わせる言葉で語られることが多い一本です。
畑と造り
畑は公式サイトで約51ヘクタール、うち赤が約48ヘクタール、白が約3ヘクタールとされます。土壌は「グラーヴ」の名のとおり、石英質の小石が積もった砂利で、その下に粘土、砂、石灰岩、貝殻を含む砂の層が重なります。砂利層の厚みは20センチから3メートル超まで、場所によって大きく変わるとシャトーは説明しています。赤の品種はメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドです。
ぶどうは手摘みのあと選果・除梗され、温度を管理した槽で発酵します。オー・ブリオンは1961年に発酵槽をステンレス製に更新しており、この近代化はボルドーの第1級としては早い試みとして知られます。グラン・ヴァンに選ばれたワインは樽で18〜20か月熟成させます。新樽比率は固定ではなく、その年のぶどうとワインの性格に応じて毎年見直され、新樽の木の香りがワインを覆わないことが目標とされます。公式の技術シートでは**2021年が73%、2022年が62.9%**でした。
品種構成も年ごとに変わります。2022年はメルロー53.6%・カベルネ・ソーヴィニヨン35.4%・カベルネ・フラン11%、2021年はメルロー50.3%・カベルネ・ソーヴィニヨン38%・カベルネ・フラン11.7%。一方、本サイトの1989年の解説で紹介したとおり、1989年はカベルネ・ソーヴィニヨン50%・メルロー41%・カベルネ・フラン9%、1990年はメルロー55%・カベルネ・ソーヴィニヨン31%・カベルネ・フラン14%でした。畑の植栽比率とその年のブレンドは別物で、年の数字だけで「メルロー主体のワイン」と決めつけないことが大切です。
セカンドワインとの関係
このシャトーのセカンドワインがル・クラランス・ド・オー・ブリオンです。20世紀初めから「シャトー・バアン・オー・ブリオン」の名で造られ、2007年ヴィンテージから、1935年にこのシャトーを買い取ったクラレンス・ディロンへのオマージュとして現在の名になりました。シャトーはル・クラランスを、グラン・ヴァンに似たスタイルとエレガンスを持ちながら、より早く飲み頃に入るワインと説明しています。新樽比率はグラン・ヴァンより低く、2022年は20%でした。
飲み頃と楽しみ方
オー・ブリオンは、五大シャトーのなかでは比較的早く飲み頃に入ると評されます。ただしそれは長期熟成に向かないという意味ではなく、若いうちに楽しめる時期と、数十年先の姿の両方を持つワインと理解するのが正確です。温度は16〜18℃前後、ボルドー型の大ぶりなグラスが目安です。古いヴィンテージを選ぶときは、年の評価と、目の前の一本の保存状態を分けて考えたいところです。価格はヴィンテージや為替で大きく変わり、近年の年で10万円台からが目安です。ボルドーの地区の違いと格付けの構造は第5講 ボルドー完全編で学べます。
シャトー・オー・ブリオン(赤)の
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・オー・ブリオン(赤)の
ワイン情報
| 名称 | シャトー・オー・ブリオン(赤)Château Haut-Brion Rouge |
| 生産者 | シャトー・オー・ブリオン |
| 位置づけ | グラン・ヴァン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/グラーヴ |
| 原産地呼称 | AOCペサック=レオニャン |
| 格付け | 1855年メドック格付け 第1級(唯一メドック外)/グラーヴ格付け(赤) |
| 主な品種 | メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド |
| 畑 | 約51ha(赤約48ha・白約3ha)。石英質の小石の砂利層は20cmから3m超 |
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| 品種構成(近年の例) | 2022年はメルロー53.6%・カベルネ・ソーヴィニヨン35.4%・カベルネ・フラン11%。年によって変わる |
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| 熟成 | 選ばれたワインを樽で18〜20か月 |
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| 新樽比率 | 年ごとに見直す(2021年73%、2022年62.9%) |
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| 醸造設備 | 1961年にステンレス製の発酵槽を導入 |
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| 歴史 | 1521年に文献初出。1935年からディロン家が所有 |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃前後 |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | 五大シャトーの中では比較的早く飲み頃に入ると評されるが、長期熟成にも耐える(ヴィンテージによる) |
| 価格帯の目安 | 約10万円台〜(ヴィンテージで大きく変動) |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
シャトー・オー・ブリオン(赤)はどんなワイン?
ボルドー市街に隣接するペサックで造られる、1855年格付け第1級の赤のグラン・ヴァンです。メドック以外から第1級に選ばれた唯一のシャトーで、近年はメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンを軸にカベルネ・フランを加えたブレンドです。シャトーは、エレガントで複雑、ミネラルを感じる香りと驚くほど長い余韻を持つワインと紹介しています。
メルローが多いのですか?
年によって変わります。公式記録では2022年がメルロー53.6%、2021年が50.3%でメルローが最も多い一方、1989年はカベルネ・ソーヴィニヨン50%・メルロー41%でした。畑に植わっている割合と、その年のブレンドの比率は別のものなので、数字を見るときはどちらの話かを確かめるのが大切です。
どのくらい樽で熟成させるのですか?
シャトーの説明では、グラン・ヴァンに選ばれたワインは樽で18〜20か月熟成させます。新樽の比率は、その年のぶどうとワインの性格に合わせて毎年見直され、新樽の木の香りがワインを覆い隠さないことが目標とされます。2021年は73%、2022年は62.9%でした。
出典・確認日
生産者の公式資料などで確認した内容をもとにした解説です。編集部による試飲レビューではありません。
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最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部