グラン・ヴァン シャトー・ピション・バロン(ピション・ロングヴィル・バロン)は、ポイヤック南部の1855年メドック格付け第2級シャトーが造るグラン・ヴァンです。畑でいちばん良い区画「ビュット・ド・ピション・バロン」の古木がブレンドの中心で、2023年はカベルネ・ソーヴィニヨン80%・メルロー20%でした。公式は40年以上熟成できるワインと説明しています。
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・ピション・バロン(正式にはピション・ロングヴィル・バロン)は、ボルドー左岸メドック地区ポイヤック村の、1855年メドック格付け第2級シャトーが造るグラン・ヴァンです。2つの小塔を持つ城館で知られ、力強く骨格のしっかりした作風は、向かいのピション・コンテスのしなやかさと対比して語られます。
公式サイトの歴史によると、1689年、ラトゥールとマルゴーの管理人も務めた有力な商人ピエール・デメズール・ド・ローザンが、ラトゥールの近くに畑を買いました。この畑が1694年、娘テレーズとピション・ド・ロングヴィル男爵の結婚の持参金となり、ピションの領地が始まります。1850年に領地は二つに分かれ、男爵ラウルは翌1851年、ルネサンス様式に着想を得た現在の城館を建てました。1933年にはブテイエ家に渡り、1987年からはアクサ・ミレジムが所有しています。
畑と造り
公式サイトによると、シャトーには栄養分が少なく余分な水も少ない砂利質の土地が92ヘクタールあり、ぶどうの平均樹齢は35年です。植栽はカベルネ・ソーヴィニヨン66%・メルロー27%・カベルネ・フラン5%・プティ・ヴェルド1%・セミヨン1%。
グラン・ヴァンの中心になるのは、畑でもっとも良い土地とされる**「ビュット・ド・ピション・バロン」**です。この区画はすべてグラン・ヴァンに使われ、ブレンドの大半を占めます。1694年にはすでにワインづくりに使われていた歴史的な区画だそうです。最良の土地の古木だけを厳しく選び、本数を絞って造る、と公式は説明しています。
2023年の技術資料では、ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨン80%・メルロー20%。発酵中の温度は25〜27℃に保ち、マロラクティック発酵を終えたワインはロットごとに樽へ移されました。熟成は18か月で、新樽70%、1回使用した樽30%です。
飲み頃と楽しみ方
公式は、ピション・バロンを「年々よくなり、40年以上熟成できる」ワインと紹介しています。2023年については、技術責任者が「デキャンタすれば若いうちから楽しめ、数十年かけて優雅に熟成する」とコメントしています。若い年を開けるなら、時間をかけて空気に触れさせるのがよいでしょう。ボルドー全体の中での位置づけは第5講 ボルドー完全編で学べます。
※品種構成・熟成条件・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
シャトー・ピション・バロンの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・ピション・バロンの
ヴィンテージ
| 2023 | カベルネ・ソーヴィニヨン80%・メルロー20%。収穫は9月12日〜10月4日、瓶詰めは2025年6月17日(公式の技術資料) |
|---|
シャトー・ピション・バロンの
ワイン情報
| 名称 | シャトー・ピション・バロンChâteau Pichon Baron(Pichon Longueville Baron) |
| 生産者 | シャトー・ピション・バロン(アクサ・ミレジム) |
| 位置づけ | グラン・ヴァン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/メドック |
| 原産地呼称 | AOCポイヤック |
| 格付け | 1855年メドック格付け 第2級 |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド |
| 畑 | 砂利質の土地92ha。ぶどうの平均樹齢は35年 |
|---|
| 植栽 | カベルネ・ソーヴィニヨン66%・メルロー27%・カベルネ・フラン5%・プティ・ヴェルド1%・セミヨン1% |
|---|
| グラン・ヴァンの区画 | 最良の土地「ビュット・ド・ピション・バロン」をすべてグラン・ヴァンに充て、ブレンドの大半を占める。1694年から使われている歴史的な区画 |
|---|
| 熟成(2023年) | 18か月。新樽70%、1回使用の樽30% |
|---|
| 所有 | 1987年からアクサ・ミレジム(AXA Millésimes) |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃前後(一般的な目安) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | 公式は40年以上熟成できるとしている。2023年については、デキャンタすれば若いうちから楽しめ、数十年かけて熟成すると説明 |
| 価格帯の目安 | 約2〜3万円(ヴィンテージで変動) |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
ピション・コンテスとはどういう関係ですか?
もとは一つの領地でした。公式サイトによると、1689年にピエール・デメズール・ド・ローザンがラトゥールの近くに畑を買い、1694年に娘テレーズがピション・ド・ロングヴィル男爵と結婚した際の持参金になりました。1850年に領地は二つに分かれ、男爵ラウルの取り分がピション・バロン、3人の姉妹の取り分がピション・コンテスになりました。
セカンドワインはありますか?
公式サイトでは、グラン・ヴァン以外の区画から「レ・トゥレル・ド・ピション・バロン」と「レ・グリフォン・ド・ピション・バロン」の2つのセカンドワインを造っていると紹介しています。2022年ヴィンテージからは辛口の白も加わりました。グラン・ヴァンは古木と最良の区画を厳しく選んで造り、本数を絞っていると説明されています。
出典・確認日
生産者の公式資料などをもとにした解説です(試飲レビューではありません)。
最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部