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ワインガイド Vinotier
日本のワイナリー

ヴォータノワイン(VOTANO WINE)

votano / 創業 2010年
産地
長野県塩尻市
訪問
ショップ
代表銘柄
セバ・ロッソ・メルロー
どんなワイナリー?

ヴォータノワイン(VOTANO WINE)は、長野県塩尻市洗馬(せば)にある小さなワイナリーです。代表の坪田満博さんが東京から移り住み、奈良井川沿いの石の多い畑でワイン用ぶどうを育てています。2007年に委託醸造で自社ブランドのワインを売り出し、2010年に会社を設立、2012年秋から自社の醸造所で仕込みを始めました。目標は「洗馬」をひとつのテロワールとして確立すること。ショップは不定期営業で、訪ねる前の連絡が必要です。

この記事の目次

奈良井川のほとり、洗馬の石だらけの畑

ヴォータノワイン(VOTANO WINE)は、長野県塩尻市の南西部、洗馬(せば)にあるワイナリーです。洗馬は中山道の宿場町として知られた土地で、すぐそばを木曽谷から流れ出た奈良井川が流れています。

公式サイトによれば、畑は奈良井川沿いにあり、木曽・飛騨の山々からミネラルを含んだ川が運んできたゴロゴロとした石だらけの圃場です。同社はこの土地の個性をワインで表し、「洗馬」というテロワールを確立することを目標に掲げています。土の違いがワインにどう表れるかは、第67講「土壌とテロワール」で詳しく扱っています(用語:テロワール)。

長野県の公式サイト「NAGANO WINE」は、ヴォータノワインを桔梗ヶ原ワインバレーのワイナリーとして紹介しています。同サイトによれば、桔梗ヶ原はナイアガラやコンコードの栽培から始まり、寒冷地でのメルロー栽培を研究して長野県に根づかせた、日本ワインの先進地です。その後シャルドネなど欧州系品種の栽培も広がりました。ヴォータノワイン自身も、近くの契約畑のメルローで造る「メルロー・Ai」を「桔梗ヶ原に近い粘土質の土」を表すワインと説明しており、川の石が積もった自社畑とは土の性格が違うことを意識しています。

東京から移り住んだ造り手

ヴォータノワインを営むのは、代表の坪田満博さんです。NAGANO WINEのワイナリー紹介では、坪田さんはワイン造りのために東京から移り住んだとされています。

公式サイトの会社概要によれば、歩みは次のとおりです。

  • 2007年──自社ブランド「VOTANO VINEYARD」のワインを、委託醸造で販売し始める
  • 2010年2月──農業生産法人 株式会社VOTANO WINEを設立
  • 2012年秋──自社のワイナリーで醸造を始める

英国のワイン評論サイト「Wine Anorak」の長野取材記事(2016年ヴィンテージの試飲)では、畑は桔梗ヶ原の低い段丘にある約1.3ヘクタールで、2001年に始めたこと、醸造では野生酵母だけを使っていることが紹介されています。坪田さんがワインを造るきっかけはイタリアのバローロだったとも書かれており、畑でネッビオーロを育てていることともつながります。

10品種を育てる小さな畑

NAGANO WINEのワイナリー紹介が挙げる品種は、メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シラー、ネッビオーロの黒ぶどうと、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ケルナー、甲斐ブランの白ぶどうです。ケルナーはドイツ生まれの白ぶどうで、日本では北海道での栽培が知られています。甲斐ブランは山梨で生まれた白ぶどうです。小さな畑でこれだけの品種を育てているのが、このワイナリーの特徴です。

ワインのラインナップ(2024年ヴィンテージ)

公式サイトでは毎年春に新しいヴィンテージの販売案内が出ます。2026年3月に出た「‘24VT」の案内には、次のような銘柄が並びました(価格は税込、送料別)。

  • 単一品種の赤──メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ピノ・ノワール。5,500〜6,000円
  • メルロー・Ai──近くの契約畑で、同社の指導のもと育てたメルロー。案内では、桔梗ヶ原に近い粘土質の土の特徴を表したワインとされ、初めての人に勧めている。5,000円
  • セバ・ロッソ──カベルネ・フラン42%、シラー38%、メルロー14%、カベルネ・ソーヴィニヨン6%を合わせた赤。6,000円
  • セバローロ 2023──遅摘みのぶどうから造る赤。案内では10年以上寝かせてから開けるよう勧めている。7,000円
  • 白──ケルナー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランは果皮ごと漬け込んで発酵させる「醸し発酵」で造り、樽で熟成。ほかにシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ケルナーを合わせた「セバ・ビアンコ」、「カイ・ブラン」など
  • ブラン・メルロー──黒ぶどうのメルローを白ワインの造り方で仕込んだ、淡いピンク色のワイン。5,500円

白ぶどうを果皮ごと発酵させると、色が濃くなり、渋みが加わります(用語:オレンジワイン)。案内のテイスティングコメントでも、ケルナーは「濃い黄金色」、ソーヴィニヨン・ブランは「しっかりしたタンニン」と書かれています。多くの銘柄で「10年後の瓶熟」を勧めており、抜栓後2〜3日おくと香りが開くこと、赤も白も18℃前後で飲むことを提案しているのも特徴です。

なお、2024年は夏から秋にかけての湿気と天候の影響で収量が例年より減ったものの、選果を丁寧にして例年並みの仕上がりになったとされています。完売する銘柄が多いので、在庫は公式サイトで確かめてください。

買い方と訪ね方

醸造所に併設のショップは塩尻市宗賀洗馬2660-1にあります。公式サイトには火〜金9:00〜18:00、土日祝10:00〜18:00、月曜定休とありますが、通常は不定期営業のため、買いに行く場合は事前に電話(0263-54-3723)で連絡してください。見学や試飲の案内は、公式サイトでは確認できませんでした。遠方なら、公式サイトの注文フォームかメールで注文できます。

電車ならJR中央本線の洗馬駅(無人駅)が最寄りです。公式サイトのアクセス案内によれば、線路沿いの道を塩尻方面へ歩き、最後は急な坂を上ります。車では長野自動車道の塩尻ICから国道19号を木曽方面へ約6km。公式サイトのアクセス案内は、道順の目印として近くのKidoワイナリーを挙げています。

塩尻市内には、1927年創業の株式会社アルプスや、1936年に始まったサントリー信州塩尻ワイナリーのような大きな造り手から、ヴォータノワインのような小さな造り手までが集まっています。長野県全体の産地の流れは第72講「長野完全編」にまとめています。

よくある質問

ヴォータノワインはどんなワイナリー?
長野県塩尻市洗馬で、ぶどう栽培から醸造まで手がける小さなワイナリーです。代表の坪田満博さんが東京から移り住み、奈良井川沿いの石の多い畑を拓きました。2007年に委託醸造で自社ブランドのワインを売り出し、2010年に株式会社VOTANO WINEを設立、2012年秋から自社の醸造所で仕込んでいます。「洗馬」をひとつのテロワールとして確立することを目指しています。
訪ねて買うことはできる?
醸造所に併設のショップ(塩尻市宗賀洗馬2660-1)で買えます。公式サイトには火〜金9〜18時、土日祝10〜18時(月曜定休)とありますが、通常は不定期営業なので、事前に電話(0263-54-3723)で連絡してください。見学や試飲の案内は公式サイトでは確認できませんでした。公式サイトの注文フォームやメールでの通販もあります。
どんなワインを造っている?
2024年ヴィンテージの販売案内では、メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ピノ・ノワールの赤、ケルナー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの白などが並び、価格は1本4,500〜7,000円(税込)です。4品種を合わせた赤「セバ・ロッソ」、メルローを白ワインの造り方で仕込んだ「ブラン・メルロー」など独自の銘柄もあります。毎年春に新しいヴィンテージの案内が出て、完売する銘柄も多いので、最新の在庫は公式サイトで確かめてください。

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最終更新: 2026-10-14 / 編集: Vinotier編集部