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日本のワイナリー

矢作洋酒

yahagi / 創業 1914年
産地
山梨県笛吹市一宮町
訪問
ショップ
代表銘柄
甲斐國一宮(白・白辛口・赤・赤辛口・ロゼ)・甲州新酒
どんなワイナリー?

矢作洋酒(やはぎようしゅ)は、山梨県笛吹市一宮町上矢作にあるワイナリーです。公式サイトの沿革によれば、明治後期に向山惣太郎がぶどうを植え、1914(大正3)年にぶどうの販売と醸造を始めました。1968(昭和43)年に今の社名になり、社長は向山洋仁さん。約2ヘクタールの自社農園では除草剤も化学肥料も使わず、主力の『甲斐國一宮』は酸化防止剤を加えない無添加ワインです。シリーズ全品がやまなしフードダイバシティ認証制度のヴィーガンフレンドリー認証を受けています。営業は9:00〜17:00、定休は日曜(電話注文と来店は日曜も受け付け)です。

この記事の目次

一宮の扇状地で、4代続くぶどう酒

矢作洋酒は、山梨県笛吹市一宮町の上矢作(かみやはぎ)にあるワイナリーです。「やはぎのぶどう酒」の名は、この地名から来ています。公式サイトは、一宮町を日本でも指折りの扇状地と紹介し、甲府盆地の東の斜面のいちばん高いところに位置して、下には石和の温泉街、さらに下に甲府の街が続くと説明しています。

公式サイトに書かれた家の歴史は、稲作を営んでいた向山家から始まります。大正の初め、向山惣太郎が田んぼの一部でぶどうを育て始めました。房の形が悪く青果として出せないぶどうも、農家にとっては大切な食べもの。それをぶどう酒に仕立てたところ、土地の食通に好評だったといいます。やがて栽培仲間と組合のような醸造場を作り、その経営は息子の向山傳、さらに向山健次へと受け継がれました。

公式サイトの沿革は次のとおりです。

  • 明治後期 ── 向山惣太郎がぶどう栽培を始める。
  • 1914(大正3)年 ── ぶどうの青果販売と醸造を始める。
  • 1929(昭和4)年 ── 甲府税務署からぶどう酒製造の免許を受ける。
  • 1935(昭和10)年 ── 向山傳が鈴郷葡萄酒醸造組合を継ぐ。
  • 1963(昭和38)年 ── 向山健次が組合を鈴郷醸造有限会社にする。
  • 1967(昭和42)年 ── 塩山市にあった牛奥洋酒工業を一宮町に移し、鈴郷醸造と兼業する。
  • 1968(昭和43)年 ── 牛奥洋酒工業を矢作洋酒株式会社に改める。

兄弟が選んだ「無添加」

高度経済成長期、多くのぶどう酒屋が企業として大きくなっていくなかで、向山家は果樹農業を家業の中心に置いたまま、醸造は自分たちと仲間が楽しむ規模にとどめていたと、公式サイトは振り返ります。健次さんの長男で、東京農業大学から国税庁醸造試験場で醸造を学んだ晴人さんと、倉庫会社で流通と貿易を担当していた次男の洋仁さん。健次さんは二人を呼び戻し、農業と醸造を両立できないかを相談しました。

二人が出した答えは、農業の延長線上でワインを造ることでした。農薬に頼ったぶどうを添加物と化学的な処理でそろえるワイン造りを退け、土づくりを基本に、環境と郷土の文化を守るワインを目標に定めたといいます。そうして早くから取り組んだのが、酸化防止剤を加えない無添加ワインです。いまは洋仁さんが社長を務めています。

草と闘う、約2ヘクタールの畑

社長のあいさつによれば、自社のぶどう農園は約2ヘクタール。除草剤も化学肥料も一切使わず、ぶどうの搾りかすや種を混ぜた有機肥料だけで土をつくっています。夏は3日もすれば畑が草だらけになり、春から秋まで草との闘いだと書いています。虫や病気で傷んだ房が出るため、一般の畑が300坪で2〜3トン収穫するところ、ここでは1トンほど。それを「自然から分けてもらった人間の取り分」と考えているそうです。

仕込みでは、収穫したぶどうを除梗破砕機にかけ、茎を取り除いて粒だけを搾ります。1回の仕込みは平均でコンテナ500箱、約5トン。ワインは古い農家の蔵で熟成させています。ぶどうは自社農園のものと、契約栽培の農家のものを使っています。

『甲斐國一宮』と、11月3日の新酒

主力は無添加ワインの『甲斐國一宮』のシリーズで、公式オンラインショップではいずれも720ml 1,910円(税込)です。シリーズ全品が、山梨県のやまなしフードダイバシティ認証制度でヴィーガンフレンドリーの認証を受けています。

  • 白 ── 甲州100%のやや甘口。完熟すると淡いピンク色になる甲州を酸化防止剤なしで仕込むため、白でもぶどう由来のピンクを帯びたり、オレンジワインより濃い色になったりすることがあると説明されています。
  • 白 辛口・赤 辛口 ── 2023年9月、要望に応えてシリーズに加わった甲州100%の辛口の白と、マスカット・ベーリーA100%の辛口の赤。
  • 赤 ── 自社農園と契約農家のマスカット・ベーリーA100%。渋みを抑えてエキス分をやや高めにしたライトボディで、よく冷やしても飲みごたえがあり、寿司や刺身、中華にも合わせられると紹介されています。
  • ロゼ ── 甲州の白とベーリーAの赤を合わせた、中甘口の濃いめのピンク。食前にもデザートにも合わせやすいと紹介されています。

毎年11月3日には、その年のぶどうで造った新酒が出ます。2026年は9月5日から10月15日まで、一番詰めの新酒『甲斐國一宮』と、予約分だけ瓶詰めする一升瓶の無添加ワイン(1本3,500円)の予約を受け付け、11月3日から順次発送するとしています。ほかに、数年熟成させた甲州の『甲州浅間』、赤と白を半分ずつ合わせた『双(SOU)50:50』、ビー玉を落としてそのまま飲むラムネ瓶入りの『スパークルラムネワイン』(200ml×5本 3,740円)も並びます。なお『夢甲斐路』『SURPASS』などは、輸入ワインと山梨県産のぶどうやワインを合わせた銘柄で、商品名にそう表示されています。

訪ねるときに

公式サイトによれば、営業は9:00〜17:00で、日曜が定休。ただし電話での注文や直接の来店は、日曜でも受け付けています。見学や試飲ができるかは、公式サイトでは確認できませんでした。公式サイトのお知らせは2023年9月が最新ですが、公式オンラインショップでは2026年の新酒の予約販売やPayPayでの支払い対応が告知されていて、販売は続いています。訪ねる前に電話(0553-47-5911)で確かめると安心です。

行き方は、中央自動車道の勝沼ICか一宮御坂ICから車で約10分、JR中央本線の勝沼ぶどう郷駅か山梨市駅から車で約15分です。同じ一宮町には、デラウェアの辛口で知られる家族経営の新巻葡萄酒や、石蔵発酵槽のルミエールワイナリーもあります。山梨の産地の全体像は第70講 山梨完全編、酸化防止剤を加えない造りについては酸化防止剤(亜硫酸塩)と自然派ワインの項でまとめています。

よくある質問

矢作洋酒はどんなワイナリー?
山梨県笛吹市一宮町上矢作にある、1914(大正3)年創業のワイナリーです。公式サイトの沿革によれば、明治後期に向山惣太郎がぶどう栽培を始め、大正3年に醸造を始めました。仲間と営む醸造組合から有限会社を経て、1968(昭和43)年に矢作洋酒株式会社になりました。社長は向山洋仁さん。約2ヘクタールの自社農園で除草剤も化学肥料も使わずにぶどうを育て、酸化防止剤を加えない無添加ワインを造っています。
どんなワインがある?どこで買える?
主力は無添加ワイン『甲斐國一宮』で、甲州100%のやや甘口の白と辛口の白、マスカット・ベーリーAの赤と辛口の赤、甲州の白とベーリーAの赤を合わせた中甘口のロゼがあり、公式オンラインショップの税込価格はいずれも720ml 1,910円です。ほかに毎年11月に瓶詰めする『甲州新酒』、数年熟成させた『甲州浅間』、一升瓶の無添加ワイン、ラムネ瓶に詰めた『スパークルラムネワイン』(200ml×5本 3,740円)などがあります。輸入ワインと山梨県産ぶどうを合わせた銘柄もあり、商品名に表示されています。ワイナリーのほか、公式オンラインショップ、電話、笛吹市のふるさと納税で買えます。
営業時間と行き方は?
公式サイトによれば9:00〜17:00で、日曜が定休です(電話での注文や来店は日曜も受け付け)。見学や試飲の有無は公式サイトで確認できませんでした。行き方は、中央自動車道の勝沼ICか一宮御坂ICから車で約10分、JR勝沼ぶどう郷駅か山梨市駅から車で約15分です。公式サイトのお知らせは2023年9月が最新なので、訪ねる前に電話(0553-47-5911)で確かめてください。

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最終更新: 2026-10-29 / 編集: Vinotier編集部