甲府の東、石和温泉の近くで
ドメーヌQは、山梨県甲府市桜井町47にあるワイナリーです。運営は株式会社甲府ワインポート。山梨県が公開している日本ワインコンクール2026の金賞(部門最高賞)ワインの資料では、設立は2000年とされています。山梨県公式観光サイトの施設ページ(2022年10月時点)や、2021年の山梨大学との共同開発の発表では「ドメーヌ・久」と書かれていて、いまの公式サイトでは「ドメーヌQ」と名乗っています。
山梨県公式観光サイトによれば、JR石和温泉駅から車で約5分。敷地にはワイナリーのほか、直営店とレストラン、パーティーや演奏会に使える個室の会場がそろっています。甲府駅前のサドヤワイナリー、酒折のシャトー酒折ワイナリーと同じ甲府市内の造り手で、盆地の東側の一軒です。
ピノ・ノワールを育てる「ドメーヌ」
「ドメーヌ」は、フランスのブルゴーニュで自分の畑のぶどうからワインを造る生産者を指す言葉です。山梨県公式観光サイトは、この名を名乗る理由を、ブルゴーニュと同じピノ・ノワールを育てているからだと紹介しています。公式サイトによれば、栽培が難しく収量も少ないこの品種を自社畑で育て、しっかりしたタンニンとぶどうの風味が感じられる赤に仕上げています。
公式サイトは、畑の環境を三つの言葉で説明しています。甲府盆地を見下ろす南斜面の日当たり、南アルプスから吹く冷たい風の通り、石が多くやせた花こう岩の土の水はけです。ピノ・ノワールのほかに、色づく前に摘むデラウェア「青デラ」、ネオマスカット、トレッビアーノも育て、甲府のぶどう文化を守りながら新しいワインを造っている、と書いています。オンラインショップには、長野県志賀高原の自社畑のシャルドネで造る白もあります。
36坪の醸造場と、夏の新酒
醸造場は36坪の敷地にまとまった小さなもので、年間に1.5〜2万本を造ります。甲府は仕込みの続く夏から秋に日中40℃を超える日があるため、発酵タンクはすべて一本ずつ温度を管理し、白は10〜18℃、赤は25〜35℃に保つといいます。
いちばんよく知られているのが新酒の『ヌーヌーボー』です。甲府市北東部の周辺で育つデラウェアを色づく前の「青デラ」のうちに6月末に摘んで仕込み、7月31日に出します。11月の山梨ヌーボーよりずっと早く、夏のさなかに開ける一本です。リンゴ酸のきりっとした酸と青リンゴのような香りがあり、公式オンラインショップは、食前酒として、氷を入れて食事と合わせて、冷たいデザートと一緒に、と飲み方を勧めています。2026年は原料のぶどうが足りず生産本数が減ったため、ヌーヌーボー5本と好きな1本を組み合わせた6本セットも用意されました。
甲府のぶどうと甲府の酵母
ドメーヌQは、甲府市のブランド認定「甲府之証」の付いたワインも造っています。日本ワインコンクール2026でオレンジ部門の金賞・部門最高賞を受けた『甲州黄金色2025』(税込2,970円、2025年11月3日発売)がその一本です。山梨県の資料によれば、甲府市北東部の大蔵経寺山の石の多い畑で育った甲州に、甲府市と山梨大学が研究開発した、武田神社のお堀から採った酵母を使っています。完熟の甲州を皮ごと醸したオレンジワインで、資料には、みずみずしいびわのような味わいと書かれています。オンラインショップでは2026年10月29日時点で売り切れでした。
同じ酵母を使った泡が、ロゼの『甲府スパークリングロゼパッション2023』(2,970円)です。甲府市産のマスカット・ベーリーAと甲州から造り、日本ワインコンクール2026で銀賞を受けました。
ほかに公式オンラインショップに並ぶのは、マスカット・ベーリーAとピノ・ノワールを合わせた赤『ルージュQ 2023』(2,860円)、甲州にピノ・ノワールの白仕込みとトレッビアーノを合わせた白『φ 2024』(2,970円、日本ワインコンクール2025銅賞)、甘口の『ネオマスカット2024』(2,970円)、自社畑100%の『ピノ・ノワール2021』(6,600円)などです。
コルクで試飲し、ボルドーで食事を
直営店「ワインブティック・コルク」では、テイスティングと買い物ができます。ワイナリーの営業は11:00〜17:00で、公式サイトの表記では火曜定休です。試飲の料金は公式サイトで確認できませんでした。ワイナリー見学とテイスティングは予約制で、見学は1週間前までに問い合わせるよう案内されています。醸造作業の都合で受けられない日もあります。試飲のあとは車やバイク、自転車を運転しないように、とも書かれています。
敷地内のレストラン「ボルドー」は、昼が11:00〜15:00(ラストオーダー14:00)、夜が16:30〜21:00(最終入店19:30)で、火曜が定休です。ぶどう畑の作業が忙しい時期には臨時休業することがあるため、前日までの問い合わせと予約を勧めています。クラシックハウス(20〜70名)、ホワイトルーム(10〜30名)、チャペルルーム(6〜15名)、ガーデンもあり、駐車場は約70台です。
行き方
山梨県公式観光サイトによれば、JR石和温泉駅から車で約5分、中央自動車道の一宮御坂ICから約25分です。試飲をするなら電車とタクシーで。山梨のほかの造り手とあわせた回り方は第51講 ワイナリー訪問とワインツーリズム完全編、日本の産地の全体像は第9講 日本ワイン産地巡りでまとめています。


