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ワインガイド Vinotier

VINOTIER WINE COURSELEÇON XXII

第22講 深掘り

チリ&アルゼンチン完全編

アンデスの雪解け水と、遮るもののない陽光。標高が磨く鮮烈な果実味を、驚きのコスパで。主役はアルゼンチンのマルベックと、チリのカベルネ・カルメネール。

マルベックカルメネールアンデス/コスパ
チリ&アルゼンチン完全編のイメージ
雪をいただくアンデス山脈を望むアルゼンチン・メンドーサのぶどう畑
メンドーサ — 雪を頂くアンデスを望む、標高の高い乾いた大地。雪解け水と強い陽光が、凝縮した果実を育てる
— Prologue

アンデスが育てる、新世界標高と陽光の南米

南米の二大ワイン大国、チリとアルゼンチン。両国の背骨をなすのがアンデス山脈です。標高が高く、遮るもののない強い陽光、乾いた空気、そして雪解け水——この環境が、病害の少ない健全なぶどうと、凝縮した鮮烈な果実味を生みます。第12講カリフォルニアに続く、新世界の実力派です。

把握のコツはシンプル。「アルゼンチン=マルベック」「チリ=カベルネとカルメネール」「両国=驚きのコスパ」。品種名で選べる分かりやすさも魅力。まずはアルゼンチンの主役から。

— Argentina

マルベックの新天地メンドーサ

アルゼンチンを象徴する黒ぶどうがマルベック。もとはフランス・ボルドーやカオールの品種でしたが、標高の高いメンドーサで真の花を咲かせました。プラムやブラックベリーの豊潤な果実味に、スミレの香り、ビロードのようなタンニン。力強くも滑らかで、「飲んで分かる」魅力にあふれます。

アンデスの麓で実るマルベックの黒い果房
マルベック — 標高の高い畑で、昼夜の寒暖差を受けて色濃く凝縮する。果実味とやわらかなタンニンが身上の黒ぶどう
豊潤なマルベックMalbec

黒系果実・スミレ・チョコ。まろやかなタンニンで、赤身肉(アサード)に最高。赤・フルボディ

標高という魔法Altitude

ウコ・ヴァレーなど標高1,000m超の畑も。昼夜の寒暖差が、凝縮感と鮮やかな酸を両立させる。

白のトロンテスTorrontés

アルゼンチン土着の芳香白。マスカットのような華やかな香りで、辛口。食前酒にも。白

高地の恵みDry & Sunny

乾いた空気で病害が少なく、有機・自然な栽培もしやすい。健全なぶどうが安定した品質を生む。

「里帰り」しないボルドー品種 マルベックは第5講ボルドーではすっかり脇役に。ところが海を渡ったアルゼンチンで、主役級のスターに大変身しました。品種が最高の土地に出会うと化ける——ワインの面白さが詰まった物語です。

— Chile

縦に長い、多彩な谷カベルネとカルメネール

南北に細長いチリは、気候の縦のグラデーションが魅力。西は太平洋、東はアンデス、その間の谷ごとに個性が分かれます。看板は、マイポなどで生まれる世界水準のカベルネ・ソーヴィニヨン。凛とした果実味とミント感のある、コスパ抜群の赤です。

カベルネMaipo

マイポ・ヴァレーの銘品。ボルドー型の骨格に、チリらしい果実味とミント香。赤

カルメネールCarménère

かつてボルドーで絶えたとされる品種が、チリで「発見」された。ピーマンやスパイスの独特の香りを持つ、チリの顔。赤

冷涼な谷の白Casablanca

海に近いカサブランカ等で、爽やかなソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、ピノも。白

「よみがえった」ボルドー品種 カルメネールは、害虫フィロキセラで第5講ボルドーから姿を消した品種。長くメルローと混同されていましたが、1994年にチリで再発見されました。旧世界で絶えた品種が新世界で生き延びる——ワインの歴史のロマンです。

— Approachable

選ばれる理由コスパ・分かりやすさ・安定

圧倒的なコスパValue

手頃な価格帯で本格的な味わい。「日常の一本」として世界中で選ばれ、輸入ワインの定番に。

品種で選べるVarietal

ラベルに品種名が明快。「マルベック」「カベルネ」と書かれ、味の想像がつきやすい。

安定した品質Reliable

乾いた気候で天候に恵まれ、当たり外れが少なめ。ハズレをつかみにくい安心感。

スーパーで出会える新世界 第16講オーストラリアと並び、身近なお店で本格ワインに出会えるのが南米の強み。「まず何を飲めばいい?」への、力強くて分かりやすい答えです。

— Recap

アンデスの実力派力強く、手頃に

南米はアルゼンチンのマルベック・チリのカベルネとカルメネール・アンデスの標高、この三点で気持ちよく選べます。最初の一本は、豊潤で分かりやすいメンドーサのマルベックか、コスパ抜群のチリのカベルネ。赤身肉と合わせれば、その力強さが際立ちます。ちょっと冒険するなら、チリの個性派カルメネールもぜひ。

新世界を巡ってきました。次は南半球のもうひとつの雄、喜望峰の国へ。独自品種ピノタージュと、価値ある白の宝庫——南アフリカ完全編。ヨーロッパと新世界が交わる、個性豊かなワインの国へご案内します。

¡Salud!

力強く、分かりやすく、驚くほど手頃。チリとアルゼンチンは、新世界の「コスパの良さ」を最も体現する二か国です。

写真クレジット(すべてWikimedia Commons):
1. アンデスを望むメンドーサのぶどう畑 — “Vineyards below the Andes” by Beatrice Murch, CC BY-SA 2.0
2. マルベックの果房 — “Malbec grapes on the vine” by Micah MacAllen, CC BY-SA 2.0
※掲載写真はレイアウト上の都合によりリサイズ・トリミングして掲載しています。
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