グラン・ヴァン シャトー・ラトゥールは、ボルドー・ポイヤックの1855年メドック格付け第1級シャトーが造るグラン・ヴァンです。城館を囲む約47ヘクタールの「ランクロ」の古木だけから造られ、カベルネ・ソーヴィニヨンがブレンドの9割を超えます。力強く長命なスタイルで知られ、現在はシャトーで瓶熟成させてから市場に出されます。
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・ラトゥールは、シャトー・ラトゥールが造るグラン・ヴァン(看板ワイン)です。ボルドー左岸メドック地区のポイヤック村にあり、1855年のメドック格付けで第1級に選ばれました。5大シャトーのなかでも力強さと凝縮感、長い寿命で語られることの多いワインです。
公式サイトは、偉大な年のラトゥールについて、その力とエネルギーによって数十年にわたって楽々と熟成を続け、香りと味わいが少しずつ複雑さを増していくと説明しています。また、難しい年にも優れたワインを生み出せることを、このシャトーの特徴として挙げています。
畑と造り
グラン・ヴァンを名乗れるのは、城館を囲む約47ヘクタールの「ランクロ(囲い地)」のぶどうだけです。公式サイトによれば、使うのは平均樹齢約60年の古木で、グラヴェット、サルマンティエ、ピエス・ド・シャトーといった区画が毎年このワインの個性を形づくります。ブレンドではカベルネ・ソーヴィニヨンが90%を超え、比率は年によって変わります。
畑全体は96.5ヘクタールで、植栽はカベルネ・ソーヴィニヨン約76%・メルロー約22%・プティ・ヴェルド約2%です(資料によっては畑全体を約90ヘクタールとするものもあります)。ランクロはジロンド河口からわずか約300メートル、河口より最大16メートル高い砂利の丘にあります。中心部は粘土まじりの砂利、周縁は砂利まじりの砂で、樹は深さ3メートルまで根を張ります。下層の泥灰質の粘土が水を蓄えるため、干ばつの年にも樹が働き続けられると説明されています。
収穫はすべて手摘みで、ぶどうは押しつぶされないよう最大8キロの小さな箱で運ばれます。醸造所では、葉や傷んだ粒を取り除く選果と、除梗後の選果の2段階で選り分けます。醸造では、1960年代にボルドーでいち早くステンレスタンクを取り入れたシャトーの一つで、現在は80基を超えるステンレスタンクで区画ごとに仕込みます。熟成には中央フランスの森のフレンチオーク樽を使い、グラン・ヴァン用の樽は毎年すべて新しくします。1年目は樽熟成庫で翌年の夏の初めまで、その後は2年目のセラーでさらに10〜13か月。栽培面では、2015年8月から畑全体を有機栽培で管理し、2018年8月にエコセールの認証を受けています。
セカンドワインとの関係
ランクロの外にある約50ヘクタールの区画のぶどうは、セカンドのレ・フォール・ド・ラトゥールに使われ、さらに若い樹のぶどうはサードのポイヤック・ド・ラトゥールになります。公式サイトによれば、レ・フォール・ド・ラトゥールの最初の年は1966年で、「非常に優れた格付けワイン」に匹敵する水準を目指して造られました。
ブレンドの決定は、まずグラン・ヴァン、次にレ・フォール・ド・ラトゥール、最後にポイヤック・ド・ラトゥールの順に行われます。グラン・ヴァンが最良のロットから先に組み立てられることが、この三層構成の要です。
飲み頃と楽しみ方
公式サイトは、ラトゥールのグラン・ヴァンが飲み頃に入り始めるまでに、多くの場合10年ほどかかるとしています。そのため2012年以降は、シャトーで瓶熟成させてから出荷する方針をとり、グラン・ヴァンは8〜10年寝かせてから市場に出されます。熟成の考え方は第29講 ヴィンテージと熟成完全編もあわせてどうぞ。
温度は16〜18℃前後が一般的な目安です。タンニンがしっかりしたワインなので、比較的若い年はデキャンタで時間をかけて空気に触れさせると開きやすくなります。同じポイヤックの第1級であるラフィットやムートンとの違いは、第5講 ボルドー完全編で全体像をつかむとよく分かります。
※品種構成・出荷時期・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
シャトー・ラトゥールの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・ラトゥールの
ワイン情報
| 名称 | シャトー・ラトゥールChâteau Latour |
| 生産者 | シャトー・ラトゥール |
| 位置づけ | グラン・ヴァン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/メドック |
| 原産地呼称 | AOCポイヤック |
| 格付け | 1855年メドック格付け 第1級 |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド |
| グラン・ヴァンの畑 | 城館を囲む約47haの「ランクロ」の古木(平均樹齢約60年)のぶどうだけを使う |
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| 品種構成 | カベルネ・ソーヴィニヨンがブレンドの90%超(年によって変わる) |
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| 畑全体 | 96.5ha(ランクロ47haと、その外側の区画約50ha)。植栽はカベルネ・ソーヴィニヨン約76%・メルロー約22%・プティ・ヴェルド約2% |
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| 立地と土壌 | ジロンド河口から約300m、河口より12〜16m高い砂利の丘。中心部は粘土まじりの砂利、周縁は砂利まじりの砂 |
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| 熟成 | 中央フランスの森のフレンチオーク樽で熟成。グラン・ヴァン用の樽は毎年新しくする。1年目の樽熟成庫の後、2年目のセラーでさらに10〜13か月 |
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| 出荷 | 2012年以降、シャトーで瓶熟成させてから出荷。グラン・ヴァンは8〜10年寝かせてから市場に出す |
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| 栽培 | 2015年8月から畑全体を有機栽培で管理し、2018年8月にエコセールの有機認証を取得 |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃前後(一般的な目安) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | 公式には、飲み頃に入り始めるまで10年ほどかかることが多いとされ、偉大な年は数十年にわたって熟成する |
| 価格帯の目安 | 約15万円〜(ヴィンテージで大きく変動) |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
ラトゥールのグラン・ヴァンはどの畑のぶどうで造られますか?
城館を囲む約47ヘクタールの「ランクロ(囲い地)」の古木だけです。公式サイトによれば平均樹齢は約60年で、グラヴェット、サルマンティエ、ピエス・ド・シャトーといった区画が名を連ねます。ランクロの外にある約50ヘクタールの区画は、セカンドのレ・フォール・ド・ラトゥールなどに使われます。
なぜ「熟成させてから出荷する」のですか?
2012年にプリムール(先物)販売から離れる方針を決め、ワインをシャトーで最適な状態で寝かせてから届けるようにしたためです。公式サイトによれば、グラン・ヴァンは8〜10年、レ・フォール・ド・ラトゥールは6〜8年、ポイヤック・ド・ラトゥールは4〜6年寝かせてから市場に出されます。飲み頃に近づいたワインを買えるのが、この方針の利点です。
難しい年でも品質が安定していると言われるのはなぜ?
公式サイトは、ジロンド河口からわずか約300メートルという立地を理由に挙げています。大きな水域のそばは寒さや霜の影響がやわらぎ、下層の粘土が干ばつの年にも樹に水を供給します。公式自身、難しい年でも優れたワインを造れることをラトゥールの特徴として記しています。
出典・確認日
生産者の公式資料などで確認した内容をもとにした解説です。編集部による試飲レビューではありません。
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最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部