グラン・ヴァン シャトー・パルメは、マルゴー・アペラシオンの1855年メドック格付け第3級シャトーが造るグラン・ヴァンです。格付けは3級ながら、2級を上回る評価で語られることの多い一本です。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをほぼ半々に使い、少量のプティ・ヴェルドを加える構成が特徴で、公式は「ビロードのような」質感をこのワインの持ち味としています。
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・パルメは、ボルドー左岸メドック地区のマルゴー・アペラシオン(カントナック村)にある、1855年メドック格付け第3級シャトーのグラン・ヴァンです。格付けは3級ですが、品質の評価は2級を上回ると語られることが多く、「格付けが絶対ではない」ことを示す例としてもよく挙げられます。公式は、マルゴーらしい繊細さとエレガンス、サテンのようなタンニン、ビロードのような口当たりをこのワインの持ち味として挙げています。
名前は、英国の軍人チャールズ・パルメに由来します。公式サイトによると、彼は1814年に、未亡人となったマリー・ブリュネ・ド・フェリエールからこの領地を譲り受け、約30年かけて畑を広げ、作風の基礎を築きました。1853年にはペレール兄弟が取得し、ネオ・ルネサンス様式の城館を建てます。1938年からはマーラー=ベス家とシシェル家が所有し、2004年からはトマ・デュルー氏が経営を任されています。
畑と造り
畑はジロンド河口を見下ろす砂利の段丘にあります。中心となる「ブローズ台地」は、2度の氷河期にガロンヌ川が運んだ砂利が最初に積もった段丘だと公式は説明しています。栽培はビオディナミの考え方に基づき、畑を一つの生態系として管理しています。
いちばんの特徴は品種構成です。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをほぼ同じ割合で使い、プティ・ヴェルドを少し加えます。中心にあるのは1930年代にカベルネ向きの土地に植えた古いメルローです。2024年はカベルネ・ソーヴィニヨン59%・メルロー41%、2023年は同50%・46%にプティ・ヴェルド4%でした。
醸造では、89〜195hlの円錐形の発酵槽54基で区画ごとに仕込みます。熟成は20〜22か月。1年目は225Lの樽(新樽は半分未満)、2年目は30hlの大樽で寝かせます。2018年は、すべてのロットがグラン・ヴァンに使われた前例のない年だったと公式は記しています。
飲み頃と楽しみ方
長期熟成型のワインで、公式は具体的な飲み頃の年数を示していません。若い年を開けるなら、早めにデキャンタに移して空気に触れさせるのが無難です。同じマルゴーの第1級シャトー・マルゴーと比べると、アペラシオンの中での個性の違いが見えてきます。ボルドー全体の中での位置づけは第5講 ボルドー完全編で学べます。
※品種構成・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
シャトー・パルメの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・パルメの
ヴィンテージ
| 2024 | カベルネ・ソーヴィニヨン59%・メルロー41%。収穫は9月25日〜10月10日。雨が10年平均のほぼ2倍という難しい年(公式のヴィンテージ紹介) |
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| 2023 | カベルネ・ソーヴィニヨン50%・メルロー46%・プティ・ヴェルド4%。収穫は9月11日〜10月5日 |
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| 2022 | カベルネ・ソーヴィニヨン51%・メルロー45%・プティ・ヴェルド4%。収穫は9月7日〜10月5日 |
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シャトー・パルメの
ワイン情報
| 名称 | シャトー・パルメChâteau Palmer |
| 生産者 | シャトー・パルメ(マーラー=ベス家・シシェル家) |
| 位置づけ | グラン・ヴァン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/メドック |
| 原産地呼称 | AOCマルゴー |
| 格付け | 1855年メドック格付け 第3級 |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド |
| 品種の考え方 | カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをほぼ同じ割合で、プティ・ヴェルドを少し。中心は1930年代にカベルネ向きの土地に植えた古いメルロー |
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| 畑と土壌 | ジロンド河口を見下ろす砂利の段丘。中心の「ブローズ台地」は、ガロンヌ川が運んだ砂利が最初に積もった段丘とされる |
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| 熟成 | 20〜22か月。1年目は225Lの樽(新樽は半分未満)、2年目は30hlの大樽 |
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| 栽培 | ビオディナミ(生命力を重んじる農法)で畑を管理 |
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| 所有と運営 | 1938年からマーラー=ベス家とシシェル家が所有。2004年からトマ・デュルー氏が総支配人 |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃前後(一般的な目安) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | 長期熟成型とされる。公式は具体的な飲み頃の年数を示していないため、若い年はデキャンタで空気に触れさせるのが無難 |
| 価格帯の目安 | 約5万円〜(ヴィンテージで変動) |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
なぜメルローが多いのですか?
公式サイトは、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをほぼ同じ割合で植え、プティ・ヴェルドを少し加える「三本柱」を、この土地の力を引き出す方法として説明しています。中心にあるのは1930年代にカベルネ向きの土地に植えた古いメルローで、早く熟すメルローがパルメのビロードのような質感と豊かさを、カベルネが抑えた力強さを与えるとしています。年によってはメルローが半分を超えることもあります。
セカンドワインはありますか?
「アルテル・エゴ・ド・パルメ」があります。公式は、パルメとアルテル・エゴを「同じ土地の2つの表現」「同じ楽譜の2つの解釈」と呼び、アルテル・エゴを「シャトー・パルメのもう一つのワイン」と位置づけています。グラン・ヴァンのタンニンの質やエレガンスを持ちながら、のびやかで豊か、シルキーなワインと紹介されています。
出典・確認日
生産者の公式資料などで確認した内容をもとにした解説です。編集部による試飲レビューではありません。
最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部