グラン・ヴァン シャトー・ランシュ・バージュは、ポイヤックの1855年メドック格付け第5級シャトーが造るグラン・ヴァンです。格付けは5級ながら、ポイヤックの名だたるワインと並んで語られる一本で、公式は年ごとの品質の安定をこのワインの特徴としています。近年はカベルネ・ソーヴィニヨン7割前後で、新樽75%のフランス産オーク樽で18か月熟成されます。
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・ランシュ・バージュは、ボルドー左岸メドック地区ポイヤック村にある、1855年メドック格付け第5級シャトーのグラン・ヴァンです。格付けは5級ですが、ポイヤックを代表するワインの一つとして語られます。公式サイトは、評価が高まったのは1945年からの優れたヴィンテージの連続がきっかけで、その後も年々繊細さと複雑さを増し、品質の安定ぶりがこのワインを特徴づけると説明しています。
領地の歴史は古く、「バッジュ」の名は16世紀の文書に見られます。18世紀にはアイルランド出身のランシュ家が所有し、ワインは「クリュ・ド・ランシュ」の名で知られました。1930年代からはカーズ家が経営し、1970年代から約15年かけて設備を近代化。2007年からジャン=シャルル・カーズ氏が率いています。
畑と造り
畑はポイヤックの南〜南西に約100ヘクタール広がります。公式サイトによると、土壌はピレネー山脈がガロンヌ川に削られてできた深い砂利で、水はけがよく、昼にためた熱を夜に放ってぶどうの成熟を助けます。2006年からは衛星マップなどを使って区画ごとの力を調べ、90あった区画を200の小区画に分け直しました。2018年にはHVEレベル3の認証も取得しています。
グラン・ヴァンはカベルネ・ソーヴィニヨンが主体です。公式の記録では、2023年はカベルネ・ソーヴィニヨン71%・メルロー24%・カベルネ・フラン3%・プティ・ヴェルド2%、2022年は同66%・28%・3%・3%。熟成はフランス産オーク樽で18か月、新樽は75%です(2011年までは15か月でした)。
2020年ヴィンテージからは、建築家チェン・チュン(ディディ)・ペイ氏が設計した新しい醸造所で仕込まれています。発酵槽を40基から80基に増やし、区画ごとの細かな醸造ができるようになりました。ぶどうは手摘みで、ポンプを使わず重力で槽へ送られます。
飲み頃と楽しみ方
公式は、ランシュ・バージュを「若いうちから豊かで、熟成とともに骨格と繊細さ、エレガンスを増す」ワインと紹介しています。若い年はデキャンタで空気に触れさせ、熟成した年はそのままゆっくり楽しむのがよいでしょう。公式サイトには、一般にセカンドワインとされる「エコー・ド・ランシュ・バージュ」の記録も並んでいます。近くのピション・バロンなどと飲み比べると、ポイヤックの幅が見えてきます。
※品種構成・熟成条件・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
シャトー・ランシュ・バージュの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・ランシュ・バージュの
ヴィンテージ
| 2023 | カベルネ・ソーヴィニヨン71%・メルロー24%・カベルネ・フラン3%・プティ・ヴェルド2%(公式のヴィンテージページ) |
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| 2022 | カベルネ・ソーヴィニヨン66%・メルロー28%・カベルネ・フラン3%・プティ・ヴェルド3%。成長のすべての段階が例年より早く進んだ年 |
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| 2020 | カベルネ・ソーヴィニヨン60%・メルロー31%・カベルネ・フラン4%・プティ・ヴェルド5%。新醸造所で仕込んだ最初の年。収穫は9月14日〜29日 |
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シャトー・ランシュ・バージュの
ワイン情報
| 名称 | シャトー・ランシュ・バージュChâteau Lynch-Bages |
| 生産者 | シャトー・ランシュ・バージュ(カーズ家) |
| 位置づけ | グラン・ヴァン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/メドック |
| 原産地呼称 | AOCポイヤック |
| 格付け | 1855年メドック格付け 第5級 |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド |
| 畑 | ポイヤックの南〜南西に約100ha。ガロンヌ川由来の深い砂利で、土壌は均質 |
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| 熟成 | フランス産オーク樽で18か月、新樽75%(2012年以降。2000〜2011年は15か月) |
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| 畑の再編 | 2006年から精密な調査を行い、90あった区画を200の小区画に再編 |
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| 新醸造所 | 建築家チェン・チュン(ディディ)・ペイ氏の設計。2020年ヴィンテージから使用。発酵槽を40基から80基に倍増 |
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| 環境認証 | 2018年にHVE(環境価値重視)レベル3を取得 |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃前後(一般的な目安) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | 公式は、若いうちから豊かさを見せ、熟成とともに骨格・繊細さ・エレガンスが増すと説明している |
| 価格帯の目安 | 約2万〜2.5万円(ヴィンテージで変動) |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
「ランシュ・バージュ」という名前の由来は?
「バージュ」は、ポイヤックの入口にあった土地「バッジュ(Batges)」の名で、16世紀の文書にすでに登場します。「ランシュ」は、1691年にアイルランドのゴールウェイからボルドーへ逃れてきたジョン・リンチ(ランシュ)の一族の名です。息子トマが1750年に結婚を通じてこの領地を手に入れ、孫のミシェルの代に「クリュ・ド・ランシュ」の名で質の高いワインを造りました。
カーズ家はいつから所有しているのですか?
1930年代からです。公式サイトの歴史のページでは、ジャン=シャルル・カーズが1929年の恐慌の後に取得し、1934年に経営に就いたと書かれています。一方、グループのサイトでは1939年に取得したと記されており、資料によって年に差があります。その後、アンドレ、ジャン=ミシェル、そして2007年からはジャン=シャルル氏が経営を担っています。
出典・確認日
生産者の公式資料などで確認した内容をもとにした解説です。編集部による試飲レビューではありません。
最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部