グラン・ヴァン ル・パンは、ボルドー右岸ポムロールの小さな畑で造られる赤ワインです。1979年にヴュー・シャトー・セルタンのティエンポン家の一員が約1ヘクタールの畑を買って始まり、メルローだけから、年に数百ケースしか造られません。豊かでふくよかなボルドーのスタイルと評されます。
この記事の目次
どんなワインか
ル・パンは、ボルドー右岸ポムロールの小さな畑で造られる赤ワインです。Sotheby’sはこのワインを、よりふくよかで豊かなスタイルのボルドーと紹介し、凝縮感とエキゾチックなスパイスの香りに触れています。
ル・パンには公式サイトがありません。2012年の雑誌記事では、ネットで探しても無駄だ、と書かれているほどです。そのため、このページでは当主の発言を収めた記事や、オークションハウスと専門誌の資料をもとに整理しています。資料ごとに数字が少しずつ違う点は、そのまま併記しました。
畑と造り
始まりは1979年です。それまで1924年からロービー家が営み、ぶどうの多くを売っていた畑のうち、家の周りの約1ヘクタールをティエンポン家が買い取りました。初ヴィンテージは同じ1979年。その後、少しずつ畑の列を買い足し、現在の面積はSotheby’sで約2.7ヘクタール、ジャック・ティエンポン氏の妻フィオナ・モリソンMWの記事では約3ヘクタールとされています。
土壌は、Sotheby’sによれば鉄分を含む粘土に砂と砂利の層が重なったもの。モリソン氏の記事は、この地区には珍しい古い小石の多い表土の下に、鉄分を含む石灰岩、砂利、砂があると説明しています。ワインは**メルローだけ**で造られ、畑にはカベルネ・フランも植わっていますが、ル・パンには使われないとされます。
熟成は樽で14〜18か月(資料により15〜18か月)。2011年には、ベルギーの建築家ポール・ロブレヒトが設計した醸造所が完成しました。生産量は年に400〜600ケースほどとされ、ボルドーの有名ワインのなかでも極端に少ない部類です。
一族と楽しみ方
ル・パンを造るティエンポン家は、隣のヴュー・シャトー・セルタンを1924年から所有する一族です。Sotheby’sによれば、ル・パンはジャック・ティエンポン氏が造って販売し、畑はヴュー・シャトー・セルタンを率いるいとこのアレクサンドル氏が見ています。2012年の雑誌記事によれば、ジャック・ティエンポン氏は1979年にワイン造りを始め、最初のヴィンテージは、上質なガラス瓶を買う余裕がなく安価な瓶で売り出したといいます。1980年代に評論家から高い評価を受けたことで、一気に世界に知られるようになりました。
公式の飲み頃の目安は公開されていません。メルローらしい豊かな果実味から、若いうちに開けても魅力を感じやすい一方、熟成させて変化を追う楽しみもあるワインとされます。
※ル・パンには公式サイトがないため、事実はオークションハウス・専門誌・当主の発言を収めた記事に基づきます。面積・熟成・生産量は資料により差があります。
ル・パンの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
ル・パンの
ワイン情報
| 名称 | ル・パンLe Pin |
| 生産者 | ル・パン(ティエンポン家) |
| 位置づけ | グラン・ヴァン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/ポムロール |
| 原産地呼称 | AOCポムロール |
| 格付け | 格付けなし(ポムロールには公式の格付けがない) |
| 主な品種 | メルロー |
| 始まり | 1979年、ティエンポン家が家の周りの約1haの区画を購入。初ヴィンテージも1979年 |
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| 畑 | 約2.7ha(Sotheby's、2023年)。約3haとする資料もある |
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| 土壌 | 鉄分を含む粘土に砂と砂利の層(Sotheby's)。小石の多い表土の下に鉄分を含む石灰岩・砂利・砂とする資料もある |
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| 熟成 | 樽で14〜18か月(資料により15〜18か月)。2011年に完成した醸造所の樽庫で熟成 |
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| 生産量 | 年に400〜600ケースほど(Sotheby's) |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃前後(一般的な目安) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | 若いうちから豊かな果実味を見せる一方、熟成にも耐えるとされる(公式の目安は公開されていない) |
| 価格帯の目安 | 10万円〜 |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
ル・パンにセカンドワインはありますか?
正式なセカンドワインはありません。ル・パンの区画に隣接しない畑のぶどうを同じように仕込み、3つのヴィンテージを組み合わせた「トリロジー」というワインが少量造られ、個人の顧客などに販売されています。当主ジャック・ティエンポン氏は、2012年の雑誌記事で、これはセカンドワインとは見なせないと語っています。
なぜこれほど高価なのですか?
畑が約2.7〜3ヘクタールと小さく、生産量が年に数百ケースしかないことが大きな理由です。加えて、1980年代に評論家から高い評価を受けて世界的に知られるようになり、限られた本数を世界中の愛好家が求める構図が続いています。価格は市場とヴィンテージで大きく変わります。
出典・確認日
生産者の公式資料などで確認した内容をもとにした解説です。編集部による試飲レビューではありません。
最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部