代表銘柄(宣言年のヴィンテージ・ポート) テイラー ヴィンテージ・ポートは、1692年創業のポートの老舗テイラーズが、特に優れた年にだけ「宣言」して造る甘口の酒精強化ワインです。自社のキンタ・デ・ヴァルジェラスなどの最良のワインをオークの大樽で2冬寝かせてからブレンドし、公式は数十年にわたって熟成するとしています。
- 力強い骨格
- 凝縮した果実
- 若いうちは引き締まる
- 長期熟成型
この記事の目次
どんなワインか
テイラー ヴィンテージ・ポートは、ポルトガル北部ドウロ渓谷のぶどうから造られる酒精強化の甘口赤ワインです。造り手のテイラーズは、公式の歴史によれば1692年に英国の商人ジョブ・ベアズリーが始めた会社で、1838年からテイラー・フラッドゲート&イェートマンの名を使っています。
公式サイトは、このワインを世界の象徴的なワインの一つと位置づけ、特に優れた年にだけ**「宣言」**して造るとしています。宣言は歴史的に10年に3回ほど。若いうちは引き締まり、深い味わいと大きな骨格を備えて、長い年月をかけて開いていくことが条件とされます。ポートの種類と造り方は第15講 酒精強化ワイン完全編で学べます。
畑と造り
原料は自社の畑から来ます。ドウロの東の奥にあるキンタ・デ・ヴァルジェラスは1893年から買い進めた畑で、公式は骨格とエレガンス、複雑さをもたらすと説明します。ピニャン川の谷にあるキンタ・デ・テラ・フェイタと、1997年に加わったキンタ・ド・ジュンコは、ボディと深み、凝縮した果実を担います。
ぶどうは複数の品種が混ざって植えられた畑から来ます。テラ・フェイタには花崗岩のラガール(石の槽)が11基あり、テラ・フェイタとジュンコのぶどうはすべて足で踏んで仕込めます。公式は、足踏みと品種をまとめて発酵させる混醸が、家のスタイルを保ちながら力強さを加えると説明しています。
収穫ごとに試飲で最良のワインを選び、オークの大樽で2冬熟成させます。2年目の春にもう一度試飲し、卓越していれば3つのキンタのワインをブレンドして宣言します。
飲み頃と楽しみ方
公式は、瓶詰め後も数十年にわたって熟成し、エレガンスと調和を深めていくとしています。保管はボトルを横に寝かせ、16℃未満の涼しい場所で。瓶の中に澱ができるので、飲む数時間前にボトルを立て、デキャンタに移してから16〜18℃で注ぐのが公式の勧めです。開けたら1〜2日のうちに飲み切ります。
公式はくるみ、青かびチーズ、干しあんず、いちじくとの組み合わせを挙げています。ポルトガルの産地全体は第21講 ポルトガル完全編で紹介しています。
※宣言の有無・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
テイラー ヴィンテージ・ポートの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
テイラー ヴィンテージ・ポートの
ヴィンテージ
| 2024 | 慣例どおり4月23日に宣言。公式は、クラシック・ヴィンテージの宣言は6年ぶりで、テイラーズ史上最も少ないリリースとしている。 |
|---|
| 2018 | ヴァルジェラスでは8月はじめに44℃を超え、収穫は9月17日に始まった。収量はとても少なく、色の濃いワインになったと公式は記す。 |
|---|
| 2017 | ヴァルジェラスでの収穫開始は9月1日で、1945年以来の早さ。ヴァルジェラス、テラ・フェイタ、ジュンコの3つのキンタから造られた。 |
|---|
テイラー ヴィンテージ・ポートの
ワイン情報
| 名称 | テイラー ヴィンテージ・ポートTaylor's Vintage Port |
| 生産者 | テイラーズ(テイラー・フラッドゲート&イェートマン) |
| 位置づけ | 代表銘柄(宣言年のヴィンテージ・ポート) |
| 種類 | 甘口 |
| 国・地域 | ポルトガル/ドウロ/ポルト |
| 原産地呼称 | DOポルト(ポートワイン) |
| 主な品種 | トウリガ・ナシオナル、トウリガ・フランセーザ(トウリガ・フランカ)、ティンタ・ロリス、ティント・カン |
| 原料の畑 | 自社のキンタ・デ・ヴァルジェラス(1893年から取得)、キンタ・デ・テラ・フェイタ(1970年代半ば取得)、近年はキンタ・ド・ジュンコ(1997年取得、2000年から少量を使用) |
|---|
| 造り | 各キンタの最良のワインを選び、オークの大樽で2冬熟成。2年目の春に再び試飲し、卓越していればブレンドして「宣言」する |
|---|
| 宣言の頻度 | 歴史的に、10年に3回ほど |
|---|
| 足踏み | テラ・フェイタには花崗岩のラガール(石の槽)が11基あり、テラ・フェイタとジュンコのぶどうはすべて足で踏める |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃(公式の目安) |
| グラス | ポートグラスか小ぶりのワイングラス |
| 飲み頃の目安 | 公式は瓶詰め後も数十年にわたって熟成するとする。保管は横に寝かせて16℃未満の涼しい場所で。澱があるため数時間立ててからデキャンタし、開けたら1〜2日で飲み切るよう勧めている |
| 価格帯の目安 | 1〜3万円 |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
「宣言(デクラレーション)」とは何ですか?
ヴィンテージ・ポートを造る価値のある特に優れた年だと、生産者が公に表明することです。テイラーズは、収穫の翌々年の春に3つのキンタのワインを試飲し直し、若いうちは引き締まって深い味わいと大きな骨格を備え、長い年月をかけて開いていく品質だと判断したときにだけ宣言します。歴史的には10年に3回ほどです。
開けたあとはどのくらいもちますか?
公式は、開けてから1〜2日のうちに飲むよう勧めています。瓶の中に自然な澱ができるため、飲む数時間前にボトルを立てて澱を沈め、デキャンタに移してから注ぐのがおすすめです。供出温度は16〜18℃が目安とされています。
出典・確認日
生産者の公式資料などをもとにした解説です(試飲レビューではありません)。
最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部