グラン・ヴァン(モノポール) クロ・ド・タールは、モレ・サン・ドニ村の特級畑で、畑全体を一つのドメーヌが所有するモノポールです。公式によれば面積は7.53ヘクタールで、ブルゴーニュの特級モノポールの中で最も大きく、1141年の創設から一度も分割されたことがありません。所有者は900年近い歴史の中でわずか4代、2018年からはピノー家のアルテミス・ドメーヌが所有しています。
この記事の目次
どんなワインか
クロ・ド・タールは、コート・ド・ニュイのモレ・サン・ドニ村にある特級畑で、畑の全体を一つのドメーヌが所有するモノポール(単独所有畑)です。公式サイトによると、1141年にシトー会のタール修道院の修道女たちがこの畑を手に入れて以来、一度も分割されたことがありません。所有者は修道女たち、マレ=モンジュ家、モメサン家、そして2018年4月からのピノー家(アルテミス・ドメーヌ)の4代だけです。
1855年には、ラヴァル博士がこの畑を、現在の特級よりも限られた概念である「テット・ド・キュヴェ」に挙げ、モレ・サン・ドニではクロ・ド・タールだけがその評価を受けた、と公式サイトは紹介しています。ブルゴーニュワイン委員会(BIVB)は、イチゴやスミレの香りをまとい、力強さと魅力を併せ持つワインと説明しています。
畑と造り
公式の記載では、畑は7.53ヘクタール。長さ300メートル・幅250メートルほどの長方形で、標高269〜302メートルの斜面の中ほどに位置し、全体が東南東を向いています。全長1.2キロメートルの石垣に囲まれ、この石垣は2006年に修復されました。
珍しいのは畝の向きです。コート・ドールの多くの畑とは違い、斜面に直角の南北方向にぶどうが植えられています。公式サイトは、冬の雨による土の流出を防ぎ、房の両面に朝と午後の光が当たるためと説明しています。土壌は粘土石灰質で、石灰岩の種類によって12の微気候区画に分けられ、それぞれ別に収穫・醸造されます。平均樹齢は約60年で、100年を超える株もあります。2016年からビオディナミを導入し、2019年にBiodyvinの認証を受けました。
醸造では、全房(梗をつけたままのぶどう)の比率を区画ごとに変え、平均で約55%です。野生酵母で発酵させ、約18か月熟成。前半の約9か月は区画ごと、後半の約9か月は合わせてから熟成させます。樹齢25年未満の樹は、一級格の「ラ・フォルジュ・ド・タール」に回されます。
飲み頃と楽しみ方
BIVBは、クロ・ド・タールは若いうちはタンニンがしっかりしており、熟成とともにやわらいで複雑さを増すとしています。供出温度の目安は、若い年が12〜13℃、熟成した年が15〜16℃前後。ブルゴーニュの特級の考え方は第4講 ブルゴーニュ完全編、北隣のジュヴレ・シャンベルタンの特級は銘醸図鑑:シャンベルタンでも紹介しています。
※面積・造りは公式サイトの記載に基づきます。年によって変わることがあります。
クロ・ド・タールの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
クロ・ド・タールの
ワイン情報
| 名称 | クロ・ド・タールClos de Tart Grand Cru Monopole |
| 生産者 | クロ・ド・タール(ドメーヌ・デュ・クロ・ド・タール) |
| 位置づけ | グラン・ヴァン(モノポール) |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ(モレ・サン・ドニ村) |
| 原産地呼称 | AOCクロ・ド・タール |
| 格付け | グラン・クリュ(特級)・モノポール |
| 主な品種 | ピノ・ノワール |
| 畑の面積 | 7.53ha(公式)。ブルゴーニュワイン委員会(BIVB)の2022年の生産面積は7.39ha |
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| 所有者の変遷 | タール修道院のシトー会修道女(1141〜1791年)、マレ=モンジュ家(1791〜1932年)、モメサン家(1932〜2018年)、ピノー家(アルテミス・ドメーヌ、2018年4月〜)(公式) |
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| 畑 | 長さ300m・幅250mの長方形で、標高269〜302m、東南東向き。畝は斜面に直角の南北方向。12の微気候区画を別々に収穫・醸造(公式) |
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| 栽培 | 平均樹齢は約60年。2016年からビオディナミを導入し、2019年にBiodyvinの認証を取得(公式) |
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| 醸造と熟成 | 全房の比率は区画により3分の1〜3分の2、平均約55%。野生酵母で発酵し、約18か月熟成(前半約9か月は区画別、後半約9か月は合わせてから)(公式) |
| 飲み頃の温度 | 若い年は12〜13℃、熟成した年は15〜16℃前後(BIVBがモレ・サン・ドニの特級に示す目安) |
| グラス | ブルゴーニュ型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | BIVBは、若いうちはタンニンがしっかりしており、熟成とともにやわらぎ複雑さを増すとしている(ヴィンテージで差が大きい) |
| 価格帯の目安 | 10万円〜 |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
「モノポール」とは何ですか?
一つの畑(クリマ)全体を、ただ一人の所有者が持っていることを示す言葉です。相続や売買で畑が細かく分かれてきたブルゴーニュでは珍しく、公式サイトによるとクロ・ド・タールは1141年の創設以来一度も分割されず、所有者は4代しか変わっていません。広さは7.53ヘクタールで、特級のモノポールとしては最大とされています。
クロ・ド・タールにはセカンドワインがありますか?
公式には、樹齢25年未満の若い樹のぶどうを主体にした一級格の「ラ・フォルジュ・ド・タール」があり、こちらは全房を使わず、より早く飲み頃を迎える造りとされています。2018年からは、植え替えた若木のぶどうで造る村名のモレ・サン・ドニも加わりました。
出典・確認日
生産者の公式資料などで確認した内容をもとにした解説です。編集部による試飲レビューではありません。
最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部