グラン・ヴァン(甘口) シャトー・クーテは、ボルドー南部バルサックの貴腐ワインで、1855年の格付けで第1級に置かれたシャトーです。1977年からアルザス出身のバリー家が所有し、収穫は何度も畑を回る手摘み。樽で発酵させ、フランス産オーク樽で18か月熟成させます。食後の一杯や、祝いの席の締めくくりに開けたい一本です。
- 貴腐の甘さ
- みずみずしい酸
- バルサックの涼しさ
- 長期熟成型
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・クーテは、ボルドー南部ソーテルヌ地区のうち、北側のバルサック村にあるシャトーが造る貴腐ワインです。1855年の格付けで第1級(プルミエ・クリュ)に置かれ、公式サイトはバルサックの旗艦と紹介しています。中庭に立つ銃眼つきの四角い塔は、もとは中世の砦だった名残です。
ワイン造りの歴史は1643年、「クーテの領主」シャルル・ル・ゲラン氏がソーテルヌで最も早い時期の畑の一つにしたことに始まります。公式によると、のちの米国大統領トマス・ジェファーソンがバルサックで最良のソーテルヌと評し、19世紀からはディケムも所有したリュル=サリュース家が1920年代まで持ちました。その後リヨンの実業家アンリ=ルイ・ギィ氏が買い、いまも使われる水圧式の圧搾機を残しています。1977年からはアルザス出身のバリー家が所有し、畑と建物を一新。1994年にはバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社と販売・技術の両面で手を組みました。
畑と造り
畑にはセミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデルが植えられています。シロン川とガロンヌ川がぶつかって生まれる朝霧が貴腐菌を育て、バルサックの粘土石灰質の土は水を保ちながら熱をため込まないため、ソーテルヌ側より収穫が最大10日遅れることもあると公式は説明しています。収穫は9月から11月まで、30〜40日をかけて何度も畑を回る手摘みです。
搾った果汁は樽で発酵させ、フランス産オーク樽で18か月熟成させます。配合はセミヨンがほとんどで、2023年はセミヨン95%、ソーヴィニヨン・ブラン4%、ミュスカデル1%でした。
飲み頃と楽しみ方
公式は、若いうちは白い花や柑橘、蜂蜜、バニラの香りを持ち、瓶で数年たつとスパイスやトロピカルフルーツ、砂糖漬けの果物の風味が加わると説明しています。食後に小ぶりのグラスで少しずつ。同じバルサックのクリマンと飲み比べるのも、甘口ワインの奥行きを知る一歩です。甘口ワインの全体像は第19講 甘口ワイン完全編で紹介しています。
※品種構成・熟成条件・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
シャトー・クーテの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・クーテの
ヴィンテージ
| 2024 | セミヨン98.9%・ソーヴィニヨン・ブラン1%・ミュスカデル0.1%。収穫は9月19日〜10月22日、6回に分けた手摘み。2026年6月に瓶詰め予定(公式の技術資料) |
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| 2023 | セミヨン95%・ソーヴィニヨン・ブラン4%・ミュスカデル1%。収穫は9月20日〜10月11日、4回に分けた手摘み(13日間)。貴腐は9月15日の週に始まり、気温30℃超の15日間で一気に広がった。10月2日からの3回目の収穫がグラン・ヴァンの骨格になったと公式は説明(公式の技術資料) |
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| 2022 | セミヨン94%・ソーヴィニヨン・ブラン5%・ミュスカデル1%。収穫は9月26日〜10月28日、4回に分けた手摘み(13日間)。記録的に乾いた暑い年で、貴腐は9月末の雨で広がり、4回目の収穫がグラン・ヴァンの骨格になった(公式の技術資料) |
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シャトー・クーテの
ワイン情報
| 名称 | シャトー・クーテChâteau Coutet |
| 生産者 | シャトー・クーテ(バリー家) |
| 位置づけ | グラン・ヴァン(甘口) |
| 種類 | 白(甘口) |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/ソーテルヌ(バルサック) |
| 原産地呼称 | AOCバルサック |
| 格付け | 1855年ソーテルヌ・バルサック格付け 第1級(プルミエ・クリュ) |
| 主な品種 | セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデル |
| 歴史 | 醸造の歴史は1643年、「クーテの領主」シャルル・ル・ゲラン氏に始まる。19世紀からはリュル=サリュース家が1920年代まで所有(公式) |
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| 所有 | 1977年にマルセル・バリー氏と息子のフィリップ氏・ドミニク氏が取得。1994年にバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社と独占販売の契約を結び、技術面でも協力。現在は3代目のアリーヌ・バリー氏も加わる(公式) |
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| 畑と収穫 | セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデルを植える。粘土石灰質の土が水を保ちながら熱をため込まず、ソーテルヌ側より収穫が最大10日遅れることもある。収穫は9〜11月、30〜40日をかけて何度も畑を回る手摘み(公式) |
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| 醸造と熟成 | 樽で発酵させ、フランス産オーク樽(100%)で18か月熟成(公式の2022〜2025年の技術資料) |
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| 関連の銘柄 | セカンドワイン「ラ・シャルトリューズ・ド・クーテ」は1977年にバリー家が創設。特別な年だけの「キュヴェ・マダム」は最も古い2区画のセミヨンで造り、約1,000本、樽で3年熟成。辛口白「オパリー」は2010年が初ヴィンテージ(公式) |
| 飲み頃の温度 | 10℃前後(一般的な目安。冷やしすぎない) |
| グラス | 白ワイン用の小ぶり〜中くらいのグラス |
| 飲み頃の目安 | 公式は、瓶で数年たつとスパイスやトロピカルフルーツ、砂糖漬けの果物の風味が加わると説明している |
| 価格帯の目安 | 3,000〜1万円 |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
「キュヴェ・マダム」とは何ですか?
公式サイトによると、1977年までシャトーを所有したロラン=ギィ夫人に、ぶどう栽培者たちが1日分の仕事をささげ、最も干からびたぶどうを摘んだことに由来する特別なキュヴェです。条件のそろった年だけ、最も古い2区画のセミヨンで造られ、生産は約1,000本、樽で3年熟成させます。
辛口の白も造っていますか?
造っています。公式サイトによると、2010年ヴィンテージから辛口白「オパリー」を造っています。2024年ヴィンテージからは、15回目のヴィンテージを記念して、甘口の第1級と同じ意匠を銀色にしたラベルになりました。
出典・確認日
11件
生産者の公式資料などをもとにした解説です(試飲レビューではありません)。
最終更新: 2026-10-28 / 編集: Vinotier編集部