グラン・ヴァン(甘口) シャトー・ディケムは、ボルドー・ソーテルヌの貴腐ワインで、1855年格付けでただ1軒だけ「プルミエ・クリュ・シュペリユール(特別第1級)」に置かれたシャトーです。セミヨン主体で、貴腐のついた粒だけを平均5〜6回に分けて摘み、収量は平均9hl/haとごくわずかです。
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・ディケムは、ボルドー南部ソーテルヌの丘の上にあるシャトーが造る貴腐ワインです。1855年の格付けでは、ソーテルヌ・バルサックの甘口のなかで**ただ1軒だけ「プルミエ・クリュ・シュペリユール(特別第1級)」**に置かれました。LVMHの紹介ページは、この格付けによって甘口ワインとしての才能が認められたと記しています。
旧公式サイトによると、若いディケムはアプリコットやマンダリン、樽由来の香りを見せ、熟成するとドライフルーツやスパイス、花の香りへと移ります。甘さと酸の均衡がよく、余韻がクジャクの羽が広がるように長く続く、とも書かれています。甘口ワインの基本は第19講で扱っています。
畑と造り
旧公式サイトによれば、畑は113ヘクタール。毎年2〜3ヘクタールの古い樹を抜いて土を休ませるため、その年に実をつけるのは約100ヘクタールです。植栽はセミヨン75%、ソーヴィニヨン・ブラン25%。表土は熱をためる平たい小石と粗い砂利で、下層の粘土が水を蓄えます。水はけのため、19世紀から延べ100キロメートルの排水管が敷かれてきました。
収穫は、貴腐のついた粒だけを選んで摘み、条件に満たない粒は次の回に残します。これを平均5〜6回、6週間ほどにわたって繰り返します。貴腐で果汁が減るため、収量は平均9hl/haにとどまります。発酵は樽で行い、毎年すべて新樽を使います。収穫日ごとのロットは6〜8か月別々に熟成させてから組み合わせ、収穫後3度目の冬に瓶詰めされます。
公式のヴィンテージ資料では、2023年がセミヨン70%・ソーヴィニヨン・ブラン30%で残糖153g/L、2022年がセミヨン80%・ソーヴィニヨン・ブラン20%で残糖160g/Lでした。2022年は雨が遅れ、貴腐が一気に広がったのは10月15日の朝からだったと記されています。
歴史と楽しみ方
1593年に地元の名家の子孫ジャック・ソヴァージュがディケムを領有し、1711年に一族が完全な所有者となりました。1785年にはリュル・サリュース伯爵家と縁組し、その後400年以上にわたって両家が守ってきました。1999年からはLVMHグループが所有しています。
飲み頃について旧公式サイトは、若いディケムを飲むのはとんでもない、30歳になる前に開けるのは冒涜だと考える愛好家がいる一方、どの段階でも楽しめると考える人もいる、と両方の見方を紹介しています。冷やしすぎると香りが閉じるので、10〜12℃前後で少しずつ味わうのがおすすめです。
※配合・残糖・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
シャトー・ディケムの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・ディケムの
ヴィンテージ
| 2023 | セミヨン70%・ソーヴィニヨン・ブラン30%。収穫は9月14日〜10月11日。アルコール14%、残糖153g/L(公式のヴィンテージ資料) |
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| 2022 | セミヨン80%・ソーヴィニヨン・ブラン20%。収穫は9月20日〜10月26日。アルコール13.5%、残糖160g/L。貴腐が一気に広がったのは10月15日の朝からと公式は記す |
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シャトー・ディケムの
ワイン情報
| 名称 | シャトー・ディケムChâteau d’Yquem |
| 生産者 | シャトー・ディケム |
| 位置づけ | グラン・ヴァン(甘口) |
| 種類 | 甘口 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/ソーテルヌ |
| 原産地呼称 | AOCソーテルヌ |
| 格付け | 1855年ソーテルヌ・バルサック格付け プルミエ・クリュ・シュペリユール(特別第1級。この格付けを受けた唯一のシャトー) |
| 主な品種 | セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン |
| 畑 | 113ha。毎年2〜3haの古い樹を抜いて休ませるため、その年に実をつけるのは約100ha(旧公式サイト) |
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| 植栽と土壌 | セミヨン75%・ソーヴィニヨン・ブラン25%。表土は平たい小石と粗い砂利、下層は水を蓄える粘土 |
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| 収穫と収量 | 貴腐の粒を選んで摘む収穫を、平均5〜6回、6週間ほどに分けて行う。収量は平均9hl/ha |
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| 醸造と瓶詰め | 発酵は樽で行い、毎年すべて新樽を使う。収穫日ごとのロットを6〜8か月別々に熟成させ、収穫後3度目の冬に瓶詰め |
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| 歴史 | 1593年にソヴァージュ家が領有。1785年にリュル・サリュース家と縁組。1999年にLVMHグループが取得 |
| 飲み頃の温度 | 10〜12℃前後(一般的な目安。冷やしすぎない) |
| グラス | 白ワイン用の小ぶり〜中くらいのグラス |
| 飲み頃の目安 | 旧公式サイトは、30歳になる前に開けるのは冒涜だと考える愛好家と、どの段階でも楽しめると考える人の両方がいると紹介している |
| 価格帯の目安 | 3〜10万円 |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
なぜディケムはそれほど少量しか造れないのですか?
貴腐ぶどうは水分が抜けて縮んでいるため、果汁の量が大きく減ります。旧公式サイトは、貴腐による凝縮で果汁がおよそ半分になることが、平均9hl/haというきわめて低い収量の大きな理由だと説明しています。さらに、貴腐のついた粒だけを選ぶため、平均5〜6回、6週間ほどに分けて畑に入り直して摘み取ります。
辛口の「Y(イグレック)」とは何ですか?
ディケムの畑から造られる辛口の白です。旧公式サイトによれば、1959年から少量を不定期に造ってきましたが、1996年からスタイルを変え、2004年からは毎年造ることにしました。生産は年に約1万本で、甘口のディケムとは別のワインとして出されています。
出典・確認日
生産者の公式資料などで確認した内容をもとにした解説です。編集部による試飲レビューではありません。
最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部