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シャトー・クリマン

Château Climens / シャトー・クリマン(モワトリ家)

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グラン・ヴァン(甘口)

シャトー・クリマンは、ボルドー南部バルサックの貴腐ワインで、1855年の格付けで第1級に置かれたシャトーです。畑はセミヨンだけを植えた一続きの区画で、2010年からビオディナミで栽培されています。2022年に、30年間当主を務めたベレニス・リュルトン氏からモワトリ家へ経営が引き継がれました。

  • 澄んだ甘さ
  • 石灰岩のみずみずしさ
  • 気品
  • 長期熟成型
この記事の目次

どんなワインか

シャトー・クリマンは、ボルドー南部ソーテルヌ地区のうち、北側のバルサック村にあるシャトーが造る貴腐ワインです。1855年の格付けで第1級(プルミエ・クリュ)に置かれ、公式サイトによれば古くから「バルサックの領主」と呼ばれてきました。一方で「クリマン」という名前は、ケルトの言葉で「やせた土地」を意味するとも紹介されています。

公式の年表では、クリマンの名が文書に初めて出てくるのは1547年。1971年にメドックの格付けシャトーを持つリュシアン・リュルトン氏が取得し、1992年から娘のベレニス氏が30年にわたって当主を務めました。2022年7月の公式発表によると、ジャン=ユベール・モワトリ氏の一族が過半数の持ち分を取得し、技術責任者のフレデリック・ニヴェル氏は引き続き畑と醸造を担っています。

畑と造り

畑は標高約20メートルの台地にある一続きの区画で、公式の説明では約32ヘクタール(2022年の発表では31ヘクタール)。石垣で囲まれ、表面を赤い粘土質の砂が50センチ足らず覆い、その下にひび割れた石灰岩の岩盤があります。岩盤の中の割れ目や空洞が雨水を集めつつ水はけも良くするため、ぶどうの水分が整うといいます。

植えているのはセミヨンだけで、1855年格付けの第1級としては珍しい単一品種の畑です。2010年からは畑全体をビオディナミで栽培しています。発酵は小さなロットごとにフランス産オーク樽で行い、樽は毎年30〜40%を新しくして、20〜22か月熟成させます。グラン・ヴァンの平均収量は12hl/ha。2023年はべと病や結実不良で古樹の収穫の4分の3を失い、収量2.7hl/ha、生産4,450本にとどまりました。

飲み頃と楽しみ方

公式サイトは、長期熟成だけでなく若いうちのみずみずしさと張りも楽しめると書き、開けたボトルは冷蔵庫で数週間よく保つとしています。合わせる料理としては、柑橘のデザートやフォアグラのテリーヌ、地鶏、青かびのチーズ、アジアの料理などを挙げています。甘口ワインの基本は第19講で扱っています。

※配合・残糖・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。

シャトー・クリマンの

味わいの目安

ボディ
軽やか重厚
酸味
穏やか生き生き
甘辛
辛口甘口

公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。

シャトー・クリマンの

ヴィンテージ

2023セミヨン100%。収穫は9月26日〜10月3日、2回のトリ。べと病や結実不良で古樹の収穫の4分の3を失い(4月の霜は防霜ファンで乗り切った)、収量は2.7hl/ha、生産は4,450本。アルコール13.5%、残糖122g/L。澱の上で20か月熟成し、2025年5月に瓶詰め(公式の技術資料と2026年3月の記事)

シャトー・クリマンの

ワイン情報

名称シャトー・クリマンChâteau Climens
生産者シャトー・クリマン(モワトリ家)
位置づけグラン・ヴァン(甘口)
種類甘口
国・地域フランス/ボルドー/ソーテルヌ(バルサック)
原産地呼称AOCバルサック(AOCソーテルヌも名乗れる)
格付け1855年ソーテルヌ・バルサック格付け 第1級(プルミエ・クリュ)
主な品種セミヨン
畑一続きの約32ha(公式「Un terroir d’exception」。2022年の公式発表では31ha)。標高約20mの台地にあり、石垣で囲まれている
土壌50cmに満たない赤い粘土質の砂(バルサックの赤砂)の下に、ひび割れたアステリー石灰岩の岩盤。多くの断層とカルスト(溶けてできた空洞)が水はけと保水を整える
品種と栽培セミヨン100%。平均樹齢38年、1haあたり6,600本。2010年から畑全体をビオディナミで栽培(公式の技術資料はBiodyvin認証を2014年からと記す)
醸造と熟成小さなロットに分けてフランス産オーク樽で発酵。樽は毎年30〜40%を新しくする。熟成は20〜22か月。グラン・ヴァンの平均収量は12hl/ha(生産しなかった年を除く20年平均)
所有1971年にリュシアン・リュルトン氏が取得し、1992年から娘のベレニス氏が経営。2022年7月、モワトリ家(パトリモニア・デヴロップマン)が過半数の持ち分を取得
飲み頃の温度10℃前後(一般的な目安。冷やしすぎない)
グラス白ワイン用の小ぶり〜中くらいのグラス
飲み頃の目安公式は、若いうちのみずみずしさと張りも楽しめるとし、開けたボトルは冷蔵庫で数週間よく保つと説明している
価格帯の目安1〜3万円

品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。

よくある質問

なぜセミヨンだけで造るのですか?
公式サイトは、セミヨンだけに絞ったことを歴代の造り手の「根本的な選択」と呼んでいます。ほかの土地では酸の少ないセミヨンを補うためにソーヴィニヨンを加えることが多いものの、クリマンでは石灰岩の土がミネラルを感じさせるみずみずしさを与えるので、その必要がないと説明しています。
辛口の白も造っていますか?
造っています。公式サイトによると、2018年にサンセールの造り手パスカル・ジョリヴェ氏の協力で最初の辛口白「アスフォデル」が生まれました。現在はほかに、ガラス製の容器で熟成させる「リリウム」と、若いうちから楽しめる「プティット・リリー」があり、いずれもセミヨン100%のボルドー・ブラン(辛口)です。

出典・確認日

生産者の公式資料などをもとにした解説です(試飲レビューではありません)。

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最終更新: 2026-10-15 / 編集: Vinotier編集部