ヴィンテージ・マデイラ(フラスケイラ) ブランディ マルムジー フラスケイラは、1811年から続くマデイラの名門ブランディが、単一年のマルヴァジア(マルムジー)をカンテイロ方式で長く樽熟成させてから瓶詰めする甘口のヴィンテージ・マデイラです。公式の甘辛の区分では最も甘い「リッチ」にあたります。
この記事の目次
どんなワインか
ブランディ マルムジー フラスケイラは、大西洋に浮かぶポルトガル領マデイラ島の酒精強化ワインです。造り手のブランディは1811年創業。公式は、マデイラ・ワインの交易を始めた家のうち、創業時の会社を今も所有・経営している唯一の一族だと説明しています。現在は7代目のクリス・ブランディが率い、醸造は長年フランシスコ・アルブケルケが担っています。
「フラスケイラ」は、単一年のぶどうだけで造り、長く樽で寝かせてから出すヴィンテージ・マデイラです。公式サイトのトップは最低20年の熟成と説明しています。品種名を名乗るマデイラのうち、マルムジー(マルヴァジア)は最も甘い「リッチ」のスタイルになります。ポートやシェリーと並ぶ酒精強化ワインの全体像は第15講 酒精強化ワイン完全編で学べます。
畑と造り
公式の技術資料によると、マルムジーの主な畑は島の北岸サン・ジョルジェ。火山由来の土で、ぶどうは棚仕立てで育ちます。熟し具合を見ながら何度かに分けて手で摘みます。甘口のリッチ・スタイルは、発酵を始めて約24時間でぶどう由来のアルコールを加えて止め、ぶどうの甘さを残します。
熟成はカンテイロ方式です。樽を蔵の暖かい場所に置き、室温のまま長い年月をかけて熟成させます。1991年は650リットルの樽で瓶詰めの月まで寝かせました。瓶詰めの年は1996年が2025年、1991年が2023年、1981年が2019年で、樽の中で約30〜40年を過ごしてから出されています。1996年はアルコール20%、総糖分140g/L、総酸9.40g/L。糖分が多い一方で酸も高く、公式は1991年を「甘く、同時にフレッシュ」と表現しています。
飲み頃と楽しみ方
公式は、ヴィンテージ・マデイラは瓶詰め後2年ほどで落ち着き、その後も長く良い状態を保つとしています。保管はポートと違ってボトルを立て、光を避けて16℃以下の涼しい場所で。1981年について公式は開けてからも数か月もつとしており、食後酒として、ゆっくり味わうワインとして勧めています。甘口ワインの全体像は第19講 甘口ワイン完全編で紹介しています。
※発売中のヴィンテージ・瓶詰め年・本数は時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
ブランディ マルムジー フラスケイラの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
ブランディ マルムジー フラスケイラの
ヴィンテージ
| 1996 | 2025年瓶詰め。750mlで1,414本。公式は甘く非常に豊かでなめらか、長く温かな余韻と説明している。 |
|---|
| 1991 | 2023年瓶詰め。650Lの樽でカンテイロ方式により熟成。公式は食後酒、瞑想のためのワインとして勧めている。 |
|---|
| 1981 | 2019年瓶詰め。公式は、飲み頃になってから瓶詰めしており、開けてからも数か月もつとしている。 |
|---|
ブランディ マルムジー フラスケイラの
ワイン情報
| 名称 | ブランディ マルムジー フラスケイラBlandy's Malmsey Frasqueira |
| 生産者 | ブランディ(マデイラ・ワイン・カンパニー) |
| 位置づけ | ヴィンテージ・マデイラ(フラスケイラ) |
| 種類 | 白(甘口) |
| 国・地域 | ポルトガル/マデイラ島 |
| 原産地呼称 | マデイラ(マデイラ・ワイン) |
| 格付け | フラスケイラ(単一年のヴィンテージ・マデイラ) |
| 主な品種 | マルヴァジア(マルムジー) |
| 原料 | マルヴァジア(マルムジー)。主な畑は島の北岸サン・ジョルジェ。棚仕立て(ラタダ、ペルゴラ)など。手摘みで、熟し具合に応じて何度かに分けて選びながら収穫する(公式) |
|---|
| 熟成 | カンテイロ方式。室温のままオーク樽で寝かせる。1991年は650Lの樽で瓶詰めの月まで熟成(公式) |
|---|
| 酒精強化 | 甘口のリッチ・スタイルは、発酵開始から約24時間で96%のぶどう由来のアルコールを加えて発酵を止める(公式) |
|---|
| フラスケイラとは | 単一年のワイン。公式サイトのトップは最低20年の熟成と説明している |
|---|
| 分析値の例 | 1996年はアルコール20%、総糖分140g/L、総酸9.40g/L。1991年は還元糖135g/L、総酸8.9g/L(公式) |
| 飲み頃の温度 | 14〜16℃前後(一般的な目安) |
| グラス | 小ぶりのワイングラスかデザートワイン用のグラス |
| 飲み頃の目安 | 公式は、ヴィンテージ・マデイラは瓶詰め後2年ほどで落ち着き、その後も長く良い状態を保つとする。保管はボトルを立て、光を避けて16℃以下の涼しい場所で |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
「カンテイロ方式」とは何ですか?
マデイラ独特の、熱を使った熟成のうち、ゆっくり進める方法です。公式の説明では、樽に入れたワインを蔵の暖かい屋根裏などで室温のまま長く寝かせます。上質なワインに使われる方法で、温度を管理して加熱する「エストゥファジェン」と対になります。かつて樽を船に積んで長い航海を往復させると味わいが深まったことが、この熟成の始まりとされます。
開けたあとはどのくらいもちますか?
1981年の銘柄ページで、公式は飲み頃になってから瓶詰めしており、開けてからも数か月もつと説明しています。保管はポートと違ってボトルを立てて行います。古い年は瓶の中に澱が出ることがあるため、公式は古いヴィンテージを早めに開けてデキャンタするよう勧めています。
出典・確認日
生産者の公式資料などをもとにした解説です(試飲レビューではありません)。
最終更新: 2026-10-22 / 編集: Vinotier編集部