グラン・ヴァン シャトー・フィジャックは、サン=テミリオンの西、ポムロール寄りの砂利の土地で造られる赤のグラン・ヴァンです。メルロー主体が多い右岸で、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランが約3分の2を占める異例の構成をとります。2022年の格付けで最上位のAに昇格しました。
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・フィジャックは、ボルドー右岸サン=テミリオンの西の端、ポムロール寄りにあるシャトーのグラン・ヴァンです。隣にはシュヴァル・ブランがあります。サン=テミリオンの多くのシャトーがメルロー主体なのに対し、フィジャックはカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルローの3品種をほぼ同じくらい使い、カベルネ類が約3分の2を占めます。
公式サイトは、この構成が構造、フィネス、みずみずしさ、やわらかさを同時にもたらすと説明しています。若いうちはメルローの魅力が前に出て、熟成するとカベルネ由来の深みが現れ、若いうちも数十年後も楽しめるワインだ、という位置づけです。格付けでは1955年の創設時からプルミエ・グラン・クリュ・クラッセにあり、2022年に最上位のAに昇格しました。経緯はサン=テミリオンの解説で扱っています。
畑と造り
地所は一続きの54ヘクタールで、そのうち約12ヘクタールは草地や池、樹木園などの自然区域として残されています。土壌について公式は、石英と火打ち石の砂利が数メートルの厚さで積もった小丘が3つあり、その下に青い粘土があると説明し、サン=テミリオンの「地質上の例外」と呼んでいます。水はけのよい砂利が、右岸では珍しいカベルネ・ソーヴィニヨンの多さを支えています(土壌の考え方は第67講へ)。
配合は年によって大きく動きます。公式の年ごとのページでは、2023年がメルロー41%・カベルネ・フラン32%・カベルネ・ソーヴィニヨン27%、2022年がメルロー35%・カベルネ・フラン34%・カベルネ・ソーヴィニヨン31%。2021年はカベルネ・ソーヴィニヨンが40%と、もっとも多い品種になりました。
醸造面では、1970年に全量を新樽で仕込み、全量をシャトーで瓶詰めする方針を決めています。2018年に大がかりな工事が始まり、2021年に新しい醸造所が完成しました。2021年はその新しい設備で仕込んだ最初のヴィンテージです。
一族の歴史と楽しみ方
1892年、ティエリー・マノンクールの祖父母にあたるアンリエット・ド・シェーヴルモンと夫アンドレ・ヴィルピーグがフィジャックを手に入れ、以来同じ一族が所有しています。1947年から2010年まで造りを率いたティエリー・マノンクールが、いわゆる「フィジャックのスタイル」を築いたと公式は記しています。
セカンドワインは1945年から造られており、2012年ヴィンテージからプティ・フィジャックの名になりました。公式は、早くから魅力を見せる一本で、このシャトーの精神への入口になると紹介しています。グラン・ヴァンは若いうちから楽しめますが、カベルネ由来の深みを味わうなら、時間をおいて開けるのがよいでしょう。
※品種構成・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
シャトー・フィジャックの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・フィジャックの
ヴィンテージ
| 2023 | メルロー41%・カベルネ・フラン32%・カベルネ・ソーヴィニヨン27%。収穫は9月6日〜10月5日 |
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| 2022 | メルロー35%・カベルネ・フラン34%・カベルネ・ソーヴィニヨン31%。収穫は9月1日〜26日。新醸造所での2回目の仕込み |
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| 2021 | メルロー29%・カベルネ・フラン31%・カベルネ・ソーヴィニヨン40%。新醸造所で仕込んだ最初の年 |
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シャトー・フィジャックの
ワイン情報
| 名称 | シャトー・フィジャックChâteau-Figeac |
| 生産者 | シャトー・フィジャック(マノンクール家) |
| 位置づけ | グラン・ヴァン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/サン=テミリオン |
| 原産地呼称 | AOCサン=テミリオン・グラン・クリュ |
| 格付け | サン=テミリオン格付け プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA(2022年に昇格) |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー |
| 地所 | 一続きの54ha。うち約12haは草地や池などの自然区域として残す |
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| 土壌 | 石英と火打ち石の砂利が数メートル積もった小丘が3つあり、その下に青い粘土。公式は同アペラシオンの「地質上の例外」と説明 |
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| 醸造所と熟成 | 2021年に新しい醸造所が完成。1970年に、全量を新樽で仕込み、全量をシャトーで瓶詰めする方針を決めた |
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| 所有 | 1892年からマノンクール家につながる一族が所有。2023年は一族にとって130回目のヴィンテージ |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃前後(一般的な目安) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | 公式は、若いうちも数十年後も楽しめるワインと説明している(ヴィンテージによる) |
| 価格帯の目安 | 3〜10万円 |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
なぜ右岸なのにカベルネ・ソーヴィニヨンが多いのですか?
土壌が理由とされます。公式サイトによれば、フィジャックには石英と火打ち石の砂利が数メートル積もった小丘が3つあり、サン=テミリオンでは「地質上の例外」です。水はけのよい砂利は、メドックと同じようにカベルネ・ソーヴィニヨンに向くため、カベルネ類が約3分の2を占める構成になっています。年によっては2021年のようにカベルネ・ソーヴィニヨンが40%に達します。
2022年の格付けで何が変わりましたか?
2022年9月にINAOが承認した格付けで、フィジャックは最上位のプルミエ・グラン・クリュ・クラッセAに昇格しました。この年のAはフィジャックとパヴィの2軒だけです。それまでAだったオーゾンヌ、シュヴァル・ブラン、アンジェリュスは格付けから離脱しています。公式サイトによれば、フィジャックは1955年の格付け創設時からプルミエ・グラン・クリュ・クラッセでした。
出典・確認日
生産者の公式資料などをもとにした解説です(試飲レビューではありません)。
最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部