セカンドワイン カリュアド・ド・ラフィットは、1855年メドック格付け第1級シャトー・ラフィット・ロートシルトのセカンドワインです。グラン・ヴァンに近い性格を持ちながら、メルローの比率が高いぶん早くから親しみやすいとされます。名前はシャトーに隣接する「カリュアド台地」に由来します。
この記事の目次
どんなワインか
カリュアド・ド・ラフィットは、ボルドー・ポイヤックの第1級シャトー・ラフィット・ロートシルトのセカンドワインです。公式資料は、数十年にわたって選別を磨いてきた結果、カリュアドはグラン・ヴァンに近い性格を持ちながら、メルローの比率の高さとセカンド向けの区画に由来する独自の個性を備えるようになった、と説明しています。
公式の2022年の紹介では、カシスやラズベリーにミントのニュアンスが重なるいきいきとした香りと、豊かでなめらかな口当たり、エレガントな余韻が挙げられています。2010年の紹介でも、花の香りや熟した果実、カシス、杉、スパイスの香りと、きめ細かくよく溶け込んだタンニンが語られています。
名前の由来と造り
名前は、シャトーの最良の畑に隣接する区画群「カリュアド台地」から来ています。公式資料によると、この区画は1845年にラフィットが手に入れたものです。20世紀にはラフィットとは別に売られていた時期を経て統合され、セカンドの名前としては1980年代より前、「ムーラン・デ・カリュアド」と呼ばれていました。
ブレンドは年によって大きく変わります。2023年はカベルネ・ソーヴィニヨン60%・メルロー40%、2022年はカベルネ・ソーヴィニヨン53%・メルロー40%・カベルネ・フラン4%・プティ・ヴェルド3%。2016年のように、メルロー(49%)がカベルネ・ソーヴィニヨン(44%)を上回る年もあります。
造りはボルドーの伝統的な方法にのっとり、木製・コンクリート・ステンレスの槽で発酵させ、醸しは約20日。マロラクティック発酵(酸をまろやかにする発酵)の後、ポイヤックにある自社の樽工房でつくったフランス産オーク樽に移し、近年は約16か月熟成させます(2010年は約18か月)。
グラン・ヴァンとの違い
グラン・ヴァン(シャトー・ラフィット・ロートシルト)は、近年カベルネ・ソーヴィニヨンが9割を超え、新樽で15か月熟成されます。カリュアドはメルローがおおむね4割前後を占め、より丸みがあって早くから親しみやすい、というのが基本の違いです。
少しややこしいのは、名前の由来であるカリュアド台地が、公式資料ではラフィットの最良の畑としてグラン・ヴァンの中心にも位置づけられていることです。台地の名はセカンドの銘柄名として受け継がれていますが、ぶどうの振り分けは区画ごとの選別で決まります。セカンドワインの仕組みは銘醸図鑑「メドック1855年格付け」の背景とあわせて読むと理解しやすくなります。
飲み頃と楽しみ方
メルローの比率が高いぶん、グラン・ヴァンより早い段階から楽しみやすいとされます。それでもポイヤックのワインらしい骨格があるため、良い年は熟成にも十分に耐えます。若いヴィンテージを開けるときは、デキャンタで空気に触れさせると香りが開きやすくなります。
温度は16〜18℃前後が一般的な目安です。料理なら、仔羊のローストや牛の赤身肉のグリルなど、ボルドーの赤と定番の組み合わせがまず外れません。タンニンがきめ細かいので、脂の多すぎない肉料理のほうが果実味と香りを素直に楽しめます。
ラフィットの世界に触れる入口として、まずカリュアドから飲んでみるのは現実的な選び方でしょう。機会があれば同じヴィンテージのグラン・ヴァンと並べ、メルローの比率の違いが香りや口当たりにどう表れるかを比べてみると、ブレンドという考え方が実感として分かります。ボルドーの全体像は第5講 ボルドー完全編で学べます。
※品種構成・熟成期間・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
カリュアド・ド・ラフィットの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
カリュアド・ド・ラフィットの
ワイン情報
| 名称 | カリュアド・ド・ラフィットCarruades de Lafite |
| 生産者 | シャトー・ラフィット・ロートシルト |
| 位置づけ | セカンドワイン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/メドック |
| 原産地呼称 | AOCポイヤック |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド |
| 名の由来 | シャトーの最良の畑に隣接する区画群「カリュアド台地」。ラフィットが1845年に取得した |
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| 旧名 | 1980年代より前は「Moulin des Carruades(ムーラン・デ・カリュアド)」の名で出ていた |
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| 近年の品種構成の例 | 2023年はカベルネ・ソーヴィニヨン60%・メルロー40%、2022年は同53%・メルロー40%・カベルネ・フラン4%・プティ・ヴェルド3%(年によって変わる) |
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| メルローが上回る年 | 2016年はメルロー49%・カベルネ・ソーヴィニヨン44%など、メルローが主体になる年もある |
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| 醸造 | 木製・コンクリート・ステンレスの槽で発酵し、醸しは約20日 |
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| 熟成 | ポイヤックの自社樽工房(Tonnellerie des Domaines)のフランス産オーク樽で約16か月(近年の例。年によって異なる) |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃前後(一般的な目安) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | グラン・ヴァンより早くから楽しみやすいとされる。良い年は熟成にも耐える(ヴィンテージで差がある) |
| 価格帯の目安 | 約4万円〜(ヴィンテージで大きく変動) |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
カリュアドはカリュアド台地のぶどうだけで造られるのですか?
そう単純ではありません。公式資料は、カリュアドがセカンド向けとして定められた区画から造られると説明する一方、約50ヘクタールのカリュアド台地をラフィットの最良の畑とし、グラン・ヴァンの中心にも位置づけています。名前は台地に由来しますが、「台地のぶどう=カリュアド」ではない点に注意が必要です。
グラン・ヴァンとの違いは?
いちばんの違いはブレンドで、カリュアドはメルローが40%前後を占める年が多く、グラン・ヴァン(近年はカベルネ・ソーヴィニヨン9割超)より丸みがあります。熟成も、グラン・ヴァンが新樽で15か月なのに対し、カリュアドは自社樽工房の樽で約16か月です。より早くから楽しみやすいセカンドとされます。
なぜ価格が高いのですか?
「ラフィット」の名を持つセカンドとして、世界的な需要が大きいためと考えられます。価格はヴィンテージや流通で大きく変わるため、購入の際は販売ページで最新の価格をご確認ください。
出典・確認日
生産者の公式資料などで確認した内容をもとにした解説です。編集部による試飲レビューではありません。
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最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部