セカンドワイン パヴィヨン・ルージュは、1855年メドック格付け第1級シャトー・マルゴーのセカンドワインです。公式には「メドックで最も古いセカンドワイン」とされ、1906年ヴィンテージからこの名を名乗っています。カベルネ・ソーヴィニヨン主体で、グラン・ヴァンと同じチームが造る、マルゴーらしさへの現実的な入口です。
この記事の目次
どんなワインか
パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴーは、ボルドー・マルゴー村の第1級シャトー・マルゴーが造るセカンドワインです。公式サイトは、このワインが17世紀から造られてきた「歴史あるセカンドワイン」であり、メドックで最も古いセカンドワインだとしています。現在の名前を名乗るようになったのは1906年ヴィンテージからです。
公式の沿革によれば、19世紀後半にフィロキセラ(ぶどうの根を枯らす害虫)の被害を受けて畑を植え替えた際、若い樹のぶどうはまだ最高の品質に届きませんでした。そこで収穫の一部を「セカンドワイン」として売るようになり、それがのちにパヴィヨン・ルージュの名を得た、と説明されています。
畑と造り
公式サイトによると、パヴィヨン・ルージュはシャトーを代表する区画のぶどうから、グラン・ヴァンと同じ技術で造られます。樹齢の多くもグラン・ヴァンと同程度で、畑でもセラーでも同じチームが手がけます。
ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨンが約75〜80%、メルローが15〜20%で、これにカベルネ・フランとプティ・ヴェルドが少し加わります。比率は年によって変わり、2024年はカベルネ・ソーヴィニヨン77%・メルロー11%・カベルネ・フラン9%・プティ・ヴェルド3%、2025年はカベルネ・ソーヴィニヨン70%・メルロー16%・プティ・ヴェルド10%・カベルネ・フラン4%でした。
熟成は約20か月で、そのうち新樽はおよそ60%。生産量は年によって違いますが、平均でおよそ10万本です。選別は年々厳しくなっていて、収穫に占める割合は2023年が30%、2024年と2025年がそれぞれ28%でした。
パヴィヨン・ルージュに選ばれなかったロットは、サードワインの「マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー」や、瓶詰めせずバルクで売られる4番手のワインに回ります。公式によれば、2025年はこの3番手と4番手に収穫の35%が振り向けられました。セカンドの品質は、こうした下の段の受け皿があってこそ保たれていることが分かります。
グラン・ヴァンとの違い
いちばんの違いは、選別の段階で役割が分けられることです。グラン・ヴァン(シャトー・マルゴー)には収穫のおよそ4割が選ばれ、新樽100%で平均約21か月熟成されます。パヴィヨン・ルージュはそれに次ぐロットで造られ、メルローがやや多く、新樽の割合も低めです。
公式サイトは、パヴィヨン・ルージュが凝縮感とタンニンの質でグラン・ヴァンに迫りつつ、より親しみやすいワインになっていると説明しています。シャトー自身、かつてならグラン・ヴァンになっていたはずのロットが、いまはパヴィヨン・ルージュに回っていると書いた年もあります。格付けの階段の仕組みは銘醸図鑑「メドック1855年格付け」で詳しく扱っています。
飲み頃と楽しみ方
グラン・ヴァンより早くから楽しめるとされますが、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の骨格があるため、熟成させる価値も十分にあります。公式サイトは、年によっては「あと数年は寝かせたい」とコメントしています。若いヴィンテージを開けるときは、デキャンタで空気に触れさせると香りが開きやすくなります。
温度は、公式がボルドーの偉大な赤の目安として挙げる18〜19℃前後が基本です。料理は、仔羊のローストや牛ヒレのソテーなど、ボルドーの赤と定番の組み合わせが合わせやすいでしょう。グラン・ヴァンと並べて飲み比べると、同じ畑・同じチームで造られたワインが、選別でどれだけ表情を変えるかがよく分かります。ボルドーの全体像は第5講 ボルドー完全編で学べます。
※品種構成・生産量・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴーの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴーの
ワイン情報
| 名称 | パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴーPavillon Rouge du Château Margaux |
| 生産者 | シャトー・マルゴー |
| 位置づけ | セカンドワイン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/メドック |
| 原産地呼称 | AOCマルゴー |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド |
| 品種構成の目安 | カベルネ・ソーヴィニヨン約75〜80%、メルロー15〜20%、少量のカベルネ・フランとプティ・ヴェルド(年によって変わる) |
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| 近年の品種構成の例 | 2024年はカベルネ・ソーヴィニヨン77%・メルロー11%・カベルネ・フラン9%・プティ・ヴェルド3%、2025年は同70%・メルロー16%・プティ・ヴェルド10%・カベルネ・フラン4% |
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| 収穫に占める割合 | 2023年は30%、2024年と2025年は各28% |
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| 熟成 | 約20か月。うちフランス産オークの新樽はおよそ60% |
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| 年間生産量 | 平均約10万本(年によって変動) |
| 飲み頃の温度 | 18〜19℃前後(公式が示すボルドーの偉大な赤の目安) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | グラン・ヴァンより早くから親しみやすいとされる。一方で熟成にも耐え、年によっては長く寝かせる価値がある |
| 価格帯の目安 | 約2万円〜(ヴィンテージで大きく変動) |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
パヴィヨン・ルージュは「格落ち」のワインですか?
そうとは言い切れません。公式サイトは、グラン・ヴァンと同じ畑の主要な区画から、同じチームが同じ技術で造ると説明しています。樹齢の多くもグラン・ヴァンと同程度とされ、凝縮感やタンニンの質はグラン・ヴァンに近づきつつ、より親しみやすい姿だと位置づけられています。
グラン・ヴァンとの違いは?
公式の説明では、パヴィヨン・ルージュはメルローがやや多く(15〜20%)、熟成は約20か月で新樽はおよそ6割です。グラン・ヴァンはカベルネ・ソーヴィニヨンの比率がさらに高く、新樽で平均約21か月熟成されます。選別の段階で役割が分けられ、近年は収穫の3割前後がパヴィヨン・ルージュに回っています。
どのくらいの価格ですか?
日本ではおおむね2万円台から見かけますが、ヴィンテージや流通によって大きく変わります。グラン・ヴァンに比べると手が届きやすく、シャトー・マルゴーの作風を確かめる入口として選ばれることの多い一本です。
出典・確認日
生産者の公式資料などをもとにした解説です(試飲レビューではありません)。
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最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部