グラン・ヴァン シャトー・ラフィット・ロートシルトは、ボルドー・ポイヤックの1855年メドック格付け第1級シャトーが造るグラン・ヴァンです。近年はカベルネ・ソーヴィニヨンが9割を超え、精緻さとエレガンスで語られる長期熟成型の赤。自社の樽工房でつくった新樽で15か月熟成されます。
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・ラフィット・ロートシルトは、シャトー・ラフィット・ロートシルトが造るグラン・ヴァン(看板ワイン)です。ボルドー左岸メドック地区のポイヤック村にあり、1855年のメドック格付けで第1級に選ばれました。5大シャトーのなかでも、力強さより精緻さとエレガンス、香りの気品で語られることの多いワインです。
公式の紹介文からも、その方向性がうかがえます。2022年はスミレやサクランボ、なめし革を思わせる香りに、絹のようになめらかなタンニンが力強さを包み込むワインとして紹介されています。2023年はラズベリーや白コショウ、スパイスの香りと、細やかでエレガントなタンニンが挙げられています。杉やシガーボックス、鉛筆の芯を思わせる香りも、ラフィットらしさとしてよく語られる特徴です。
畑と造り
公式資料によると、ラフィットはポイヤック村の北端にあり、サンテステフ村と接しています。畑は約112ヘクタールで、シャトー周辺の丘、西側に広がるカリュアド台地、そして隣のサンテステフ側にある約4.5ヘクタールの3区域からなります。土は細かく深い砂利に風で運ばれた砂が混ざり、その下に第三紀の石灰岩が広がります。
なかでも約50ヘクタールのカリュアド台地は、ポイヤックでいちばん高い地点にあり、ラフィットの最良の畑とされています。粘土を含む砂利が水分をうまく調整し、カベルネ・ソーヴィニヨンがよく熟すと説明されています。サンテステフ側の約4.5ヘクタールにはシャトーで最も古い部類の樹があり、毎年グラン・ヴァンに使われるといいます。
ブレンドは年によって変わります。2023年はカベルネ・ソーヴィニヨン93%・メルロー6%・プティ・ヴェルド1%、2022年は94%・5%・1%、2021年は96%・3%・1%で、近年はカベルネが9割を超える年が続いています。発酵には区画や熟度に応じて木製・ステンレス・コンクリートの槽を使い分け、醸しは約22日。その後、ポイヤックにある自社の樽工房でつくったフランス産オーク樽に移し、樽ごとに試飲して最良のものだけをブレンドします。熟成は新樽で15か月です。
セカンドワインとの関係
ラフィットのセカンドワインはカリュアド・ド・ラフィットです。名前はカリュアド台地に由来し、メルローの比率が高めで、セカンド向けとして定められた区画のぶどうから造られます。近年の例ではメルローが40%前後を占め、グラン・ヴァンとはブレンドの性格がはっきり違います。熟成は自社樽工房の樽で約16か月で、グラン・ヴァンの「新樽で15か月」とも異なります。
同じ名前を持つ台地がグラン・ヴァンの最良の畑でもある、という点は覚えておくとよいところです。セカンドは「台地のワイン」ではなく、台地の名を借りた、もう一つのラフィットと考えると分かりやすいでしょう。
飲み頃と楽しみ方
ラフィットは、若いうちは香りが控えめで、長い瓶熟成を経て複雑さを増していくワインとされます。公式の2022年の紹介でも、まだ多くを内に秘めた「未来の傑作」という趣旨で語られています。飲み頃は年によって大きく変わるので、ヴィンテージ選びの考え方は第29講 ヴィンテージと熟成完全編が参考になります。
温度は16〜18℃前後が一般的な目安です。若いヴィンテージはデキャンタで時間をかけて空気に触れさせ、古いヴィンテージは澱を静かに分ける程度にとどめるとよいでしょう。同じポイヤックの第1級であるラトゥールやムートンとの違いは、第5講 ボルドー完全編で全体像をつかむとよく分かります。
※品種構成・価格はヴィンテージや時期により変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。
シャトー・ラフィット・ロートシルトの
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・ラフィット・ロートシルトの
ワイン情報
| 名称 | シャトー・ラフィット・ロートシルトChâteau Lafite Rothschild |
| 生産者 | シャトー・ラフィット・ロートシルト |
| 位置づけ | グラン・ヴァン |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | フランス/ボルドー/メドック |
| 原産地呼称 | AOCポイヤック |
| 格付け | 1855年メドック格付け 第1級 |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド |
| 所在 | ポイヤック村の北端。サンテステフ村と接する |
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| 畑 | 約112ha。シャトー周辺の丘、西側のカリュアド台地、サンテステフ側の約4.5haの3区域からなる |
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| 土壌 | 細かく深い砂利に風で運ばれた砂が混ざり、下層は第三紀の石灰岩 |
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| 近年の品種構成の例 | 2023年はカベルネ・ソーヴィニヨン93%・メルロー6%・プティ・ヴェルド1%、2022年は同94%・5%・1%(年によって変わる) |
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| 醸造 | 区画や熟度に応じて木製・ステンレス・コンクリートの槽を使い分け、醸しは約22日 |
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| 熟成 | ポイヤックの自社樽工房(Tonnellerie des Domaines)の新樽で15か月 |
| 飲み頃の温度 | 16〜18℃前後(一般的な目安) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | 一般に、長い瓶熟成を経て本領を発揮するとされ、偉大な年は数十年の熟成に耐える(ヴィンテージで差が大きい) |
| 価格帯の目安 | 約15万円〜(ヴィンテージで大きく変動) |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
ラフィットのグラン・ヴァンはどんな品種で造られますか?
カベルネ・ソーヴィニヨンが主体で、メルローとプティ・ヴェルドなどが少量加わります。比率は年によって変わり、公式資料では2023年がカベルネ・ソーヴィニヨン93%・メルロー6%・プティ・ヴェルド1%、2022年が94%・5%・1%でした。近年はカベルネが9割を超える年が続いています。
セカンドのカリュアド・ド・ラフィットとは何が違いますか?
カリュアドはメルローの比率が高く(近年の例で40%前後)、セカンド向けとして定められた区画のぶどうから造られます。熟成も、グラン・ヴァンが新樽で15か月なのに対し、カリュアドは自社樽工房の樽で約16か月です。グラン・ヴァンに近い性格を持ちながら、より早くから楽しみやすい一本とされます。
飲み頃はいつごろですか?
ヴィンテージによって大きく変わりますが、一般には長い瓶熟成を経てから本領を発揮するワインとされ、偉大な年は数十年の熟成に耐えると評されます。若いヴィンテージを開ける場合は、デキャンタで時間をかけて空気に触れさせると香りが開きやすくなります。
出典・確認日
生産者の公式資料などで確認した内容をもとにした解説です。編集部による試飲レビューではありません。
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最終更新: 2026-10-12 / 編集: Vinotier編集部