代表銘柄(フラッグシップ) シャトー・ミュザール(赤)は、1930年創業のレバノンの造り手シャトー・ミュザールの看板の赤です。ベカー高原の畑のカベルネ・ソーヴィニヨン・サンソー・カリニャンをおよそ3分の1ずつ合わせ、収穫から7年目に飲み頃を見て出荷するのが特徴です。
この記事の目次
どんなワインか
シャトー・ミュザール(赤)は、レバノンの造り手シャトー・ミュザールを代表する赤ワインです。公式資料によると、同社は1930年にガストン・ホシャールが創業し、いまは3代目の家族が運営しています。1959年に父から引き継いだ2代目のセルジュ・ホシャールは、1975年から1990年まで続いた内戦の間も造りを続けました。1984年には英デキャンター誌の初めての「マン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれています。
醸造所は、ベイルートの北約25kmのガジールにある一族の18世紀の城館に置かれています。畑のあるベカー高原からは車で2時間半以上かかります。創業当時はレバノンの国境がまだ決まっておらず、確実に国内に入る場所を選んだためだと説明されています。
畑と造り
赤用の畑はベカー高原の南部、アミク、アアナ、ケフラヤの村の近くにあります。標高は約1,000mで、石灰岩の上に礫の多い土壌が広がります。品種はカベルネ・ソーヴィニヨンと、南ローヌ系のサンソー、カリニャンです。いずれも樹齢を重ねた樹で、収量は1ヘクタールあたり最大30〜35ヘクトリットルに抑えられています。公式は、レバノンで初めて有機認証の栽培を取り入れたワイナリーだとしています。
ぶどうは朝の涼しいうちに手で摘み、山を越えて醸造所へ運びます。品種ごとにセメント槽で発酵させ、約6か月後に澱引きしてから、フランス・ヌヴェール産オークの小樽で約12か月熟成させます。新樽はごく一部です。その後、その年の個性に合わせてブレンドし、収穫から3年目の終わりにろ過せずに瓶詰めします。さらに3〜4年瓶で寝かせ、7年目に出荷します。2006年は熟成が足りないと判断して出荷を何度も延ばし、2017年春になってようやく世に出ました。
飲み頃と楽しみ方
公式は、安定した環境で保管すれば数十年かけて熟成し、色は褐色を帯び、味わいはまろやかでスパイシーになっていくと説明しています。清澄もろ過もしないため澱が出ることがあります。飲む数時間前にデキャンタに移し、室温の18℃前後で出すのがすすめられています。合わせる料理として挙げられているのは、ロースト、煮込み、グリル、ジビエ、熟成したチーズです。東地中海のワインの歴史とレバノンの産地については、第44講 東地中海完全編で詳しく紹介しています。
シャトー・ミュザール(赤)の
味わいの目安
- ボディ
- 軽やか重厚
- 酸味
- 穏やか生き生き
- タンニン
- 柔らかしっかり
- 甘辛
- 辛口甘口
公式の説明や一般的な評価をもとにした編集部の目安です。年や熟成の度合いで変わります。
シャトー・ミュザール(赤)の
ヴィンテージ
| 2011 | 4〜5月の大雨で成熟が大きく遅れ、収穫を終えたのは10月13日。1983年を除けば同社で最も遅い収穫だった。2014年に瓶詰め、2018年春に出荷 |
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| 2006 | 涼しい夏の年。通常は収穫から7年で出荷するが、2013年の時点でまだ早いと判断し、出荷を2017年春まで延ばした |
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シャトー・ミュザール(赤)の
ワイン情報
| 名称 | シャトー・ミュザール(赤)Château Musar Red |
| 生産者 | シャトー・ミュザール |
| 位置づけ | 代表銘柄(フラッグシップ) |
| 種類 | 赤 |
| 国・地域 | レバノン/ベカー高原(醸造所はガジール) |
| 原産地呼称 | ベカー高原(Bekaa Valley) |
| 主な品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、サンソー、カリニャン |
| 創業 | 1930年、ガストン・ホシャールが創業。現在は3代目の家族が運営(公式資料) |
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| 畑 | ベカー高原南部、アミク・アアナ・ケフラヤ村の近く。標高約1,000m、石灰岩の上の礫質土壌 |
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| 品種構成 | カベルネ・ソーヴィニヨン・サンソー・カリニャンをおよそ3分の1ずつ(伝統的な構成。年により調整) |
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| 醸造・熟成 | 品種ごとにセメント槽で発酵し、仏ヌヴェール産オークの小樽で約12か月(新樽はごく一部) |
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| 出荷 | 収穫から2年後に品種をブレンドし、セメント槽でさらに12か月置いて清澄・ろ過をせずに瓶詰め。セラーで4年瓶熟させ、収穫から7年後に出荷(公式ワインページ) |
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| 栽培 | 1930年代以降に植えた平均樹齢約40年の株仕立て(ブッシュヴァイン)で、収量は1ヘクタールあたり15〜35ヘクトリットルと低い。レバノンで初めて有機認証の栽培を導入した(公式資料) |
| 飲み頃の温度 | 18℃(公式のワインページ。ロースト、ラムのグリル、煮込み、ジビエ、熟成チーズと合わせることをすすめている) |
| グラス | ボルドー型の大ぶりなグラス |
| 飲み頃の目安 | 公式は、安定した環境で保管すれば数十年かけて熟成するとしている。清澄・ろ過をしないため澱が出やすく、前の晩から瓶を立てておき、デキャンタージュして1時間ほど空気に触れさせてから飲むことがすすめられている |
| 価格帯の目安 | 3,000〜1万円 |
品種の比率や熟成の方法は年によって変わります。価格は為替・流通で大きく変動するため、目安としてご覧ください。
よくある質問
買ってすぐに飲めますか?
シャトー・ミュザールの赤は、造り手が飲み頃に近づいたと判断してから、収穫から7年目ごろに出荷されます。そのため出荷の時点で熟成が進んでいます。ろ過も清澄もせずに瓶詰めされるので澱が出ることがあり、公式は飲む数時間前にデキャンタに移し、18℃前後で出すことをすすめています。
毎年同じ味ですか?
いいえ。カベルネ・ソーヴィニヨン・サンソー・カリニャンをおよそ3分の1ずつ合わせるのが伝統ですが、その年の各品種の出来に合わせてブレンドを決めるため、ヴィンテージごとの差がはっきりしたワインとされます。2006年のように、熟成が足りないと判断して出荷を数年遅らせた年もあります。
出典・確認日
4件
生産者の公式資料などをもとにした解説です(試飲レビューではありません)。
最終更新: 2026-10-27 / 編集: Vinotier編集部