2026年の解禁日は11月3日(火・祝)
日本ワインの新酒として最もよく知られているのが、山梨ヌーボーです。解禁日は毎年11月3日。2026年は火曜日で、文化の日の祝日にあたります。
山梨ヌーボーの名前と解禁日を設けているのは、県内のワイナリーでつくる山梨県ワイン酒造組合です。組合は、日本固有のぶどう品種である甲州とマスカット・ベーリーAで造った新酒を「山梨ヌーボー」と名づけ、解禁日を設けて毎年11月にPRの催しを開いています。2026年の公式サイトも「11月3日解禁」とはっきり示しています。
山梨県は、日本ワインの生産量もワイナリーの数も日本一の県で、2019年には「ワイン県」を宣言しました。公式サイトによれば、県内のワイナリーは90を超えます。ワイン造りが始まったのは明治時代の初め、いまから約150年前のことです。
山梨ヌーボーとは — 甲州とマスカット・ベーリーAの新酒
山梨県の観光公式サイトは、山梨ヌーボーを「山梨県内で今年収穫されたぶどうで、甲州またはマスカット・ベーリーAを使って造った新酒」と説明しています。県の案内では、香りや味わいは軽やかでフルーティーとされています。
| 甲州 | マスカット・ベーリーA | |
|---|---|---|
| ワインの色 | 主に白 | 主に赤 |
| 生まれ | 日本で古くから栽培されてきた日本固有の品種 | 「ベーリー」と「マスカット・ハンブルグ」を交配して生まれた日本の品種 |
| 香りと味の特徴 | 和柑橘のような香りと穏やかな酸味 | いちごのような甘さを感じる香り |
| 合わせやすい料理 | 刺身や寿司 | 醤油や甘辛い味つけの和食 |
甲州は、生で食べても、ワインにしてもよい「生食・醸造兼用」の品種です。山梨が発祥の地ともいわれ、国際的なコンクールでの受賞が続いています。マスカット・ベーリーAは、近年の品質向上で赤ワイン用として高い評価を受けている品種です。品種ごとの詳しい解説は、甲州とマスカット・ベーリーAのページにまとめています。
なお、秋にはデラウェアなど、ほかの品種の新酒もあります。公式サイトによると、こうした新酒も「山梨ヌーボーまつり」では楽しめますが、「山梨ヌーボー」と名乗る範囲には入りません。山梨ヌーボーは、あくまで甲州とマスカット・ベーリーAの新酒です。
ボジョレー・ヌーヴォーとの違い
同じ「ヌーボー(ヌーヴォー)」でも、山梨ヌーボーとフランスのボジョレー・ヌーヴォーは別のものです。いちばん大きな違いは、山梨ヌーボーには白があることです。
| 山梨ヌーボー | ボジョレー・ヌーヴォー | |
|---|---|---|
| 産地 | 山梨県 | フランス・ボージョレ地方 |
| ぶどう | 甲州・マスカット・ベーリーA | ガメイ |
| 色 | 白・赤 | 赤・ロゼ |
| 解禁日 | 毎年11月3日 | 毎年11月の第3木曜日 |
| 2026年の解禁日 | 11月3日(火・祝) | 11月19日(木) |
| 決まりをつくる側 | 山梨県ワイン酒造組合 | フランスの原産地呼称(AOC)の規定 |
ボジョレー・ヌーヴォーは、フランスのAOCの規定書で「ヌーヴォー」と名乗れるのが赤とロゼだけと決まっています。山梨の観光公式サイトも、ボジョレーが赤ワインであるのに対し、山梨ヌーボーは和食に合う爽やかな白も楽しめる点を特徴に挙げています。
日付の順番では、2026年は山梨ヌーボーのほうが2週間あまり早く解禁されます。11月3日に山梨の新酒、19日にボジョレーの新酒と、秋に2回の「解禁」を楽しめるわけです。ボジョレーの解禁日と楽しみ方は、ボジョレー・ヌーヴォー2026のコラムにまとめています。
2026年の「山梨ヌーボーまつり」
山梨県ワイン酒造組合は、2026年も東京と山梨の2会場で「山梨ヌーボーまつり」を開きます。公式サイトの掲載内容は次のとおりです。
| 東京会場 | 山梨会場 | |
|---|---|---|
| 日にち | 11月3日(火・祝) | 11月15日(日) |
| 時間 | 10時30分〜14時30分(最終受付13時30分) | 10時〜15時30分(最終受付15時) |
| 会場 | 都立芝公園(東京都港区) | 小瀬スポーツ公園(山梨県甲府市) |
公式サイトでは、県内の36ワイナリー・約70銘柄の山梨ヌーボーが楽しめると案内されています。どちらの会場も雨天決行で、台風などの荒天時は中止です。試飲用のワインが品切れになった場合や、来場者が多い場合には入場を制限することがあると案内されています。試飲チケットの買い方などは、公式サイトで確認してください。
このほか、2025年には11月3日前後に、勝沼のぶどうの丘やワイナリーが独自の新酒の催しを開きました。2026年の日程は、それぞれの主催者の発表を確認してください。
新酒の探し方・楽しみ方
山梨ヌーボーを探すなら、まず公式サイトの参加ワイナリー一覧が手がかりになります。どのワイナリーが今年の新酒を出しているかが分かるので、気になる造り手を見つけたら、ワイナリーガイドで特徴や見学の情報を調べてみてください。山梨の産地全体については産地: 山梨、勝沼を歩いて巡るなら勝沼ワイナリー巡りが参考になります。
店頭でボトルを選ぶときは、ラベルの表示も手がかりになります。山梨県のワインには、**地理的表示「山梨」(GI Yamanashi)**という仕組みがあります。県の案内によれば、これは日本で初めて国税庁長官の指定を受けた地理的表示で、山梨県内で収穫した一定以上の糖度のぶどうを使うなどの基準を満たし、品質の審査に合格したワインだけが名乗れます。新酒に限った表示ではありませんが、山梨のぶどうで造られたことを確かめる目安のひとつです。
山梨ヌーボーには白と赤の両方があるので、甲州とマスカット・ベーリーAを1本ずつ選んで飲み比べるのもおすすめです。同じ年に山梨で採れたぶどうでも、品種によって香りや味わいがはっきり違うことが分かり、日本ワインの入口としても楽しめます。
楽しみ方の基本は、品種の個性に合わせることです。甲州の新酒は、穏やかな酸味を生かして刺身や寿司などの和食と。マスカット・ベーリーAの新酒は、照り焼きのような醤油や甘辛い味つけの料理と合わせると、果実の香りが引き立ちます。
2026年産の出来ばえについては、10月24日時点で公式な評価は確認できていません。山梨県ワイン酒造組合は1992年から毎年、その年の作柄を評価した「ヴィンテージチャート」を公開しているので、気になる方はその発表を確認すると安心です。新酒は、その年のぶどうの出来をいち早く味わえるワインです。解禁日を目安に、今年の山梨の味を確かめてみてはいかがでしょうか。